特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その3・ 光速の測定と光速を使った測定

2022-05-27 01:21:39 | 日記

次は前ページでやった数値計算を一般化しましょう。

以下は前ページからの引用とその一般化の手順です。

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V1は地球に対する宇宙船の相対速度:Vは宇宙船の先に取りつけた「移動する鏡を地球から見た時の相対速度」になります。

そうして求めるべきはV2となりおおにしさんブログによればその形は

V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)

それで速度および距離の単位はC、時間は秒としますと上記の式は

V2=(V-V1)/(1-V*V1)

となります。(V2=C*V2、V1=C*V1、V=C*Vを代入するとそうなります。)

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以下、計算手順の日本語部分はおおむね前ページに準拠・・・

・・・そう言う訳で「それじゃ今度はその鏡の速度を光で計ってみましょう」という事になります。

数値計算例ではV1=0.8、V=V1+0.1=0.9となります。

ロッドを地球時間で毎秒0.1Cで押し出すと同時に光を鏡に向けて出します。

その時の鏡までの距離は1Cです。

この距離を光は1C-(0.8C+0.1C)=0.1Cで走ります。

(1-V)

地球時間で10秒後に光は鏡に着きます。

1/(1-V)

そこで反射され船に戻ります。

その時の鏡と船の間の距離は1C+0.1C*10秒=2Cです。

1+(V-V1)*(1/(1-V))

これを右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから2C÷(1C+0.8C)=1.11111・・・秒後に光は船に戻ります。

(1+(V-V1)*(1/(1-V)))/(1+V1)

光を出してから戻るまで地球時間では10+1.11111・・・=11.1111・・・秒かかりました。

1/(1-V)+(1+(V-V1)*(1/(1-V)))/(1+V1)

整理して

(-2/((V1+1)*(V-1)))

これは船の時間では0.6掛けされて6.66666・・・秒です。

ここで数値計算ではローレンツファクターを掛けるのですが、最後にV2の速度を求める所で分子、分母のローレンツファクターが打ち消し合いますので、一般式化ではローレンツファクターを除いて話を進めます。(ファクターを入れてもいいのですが、式が複雑になるだけで意味がありません。)



次に船に光が戻ると同時に再度光を鏡に向かって出します。

この時鏡は0.1Cで11.1111・・・秒進んでいますから、動いた距離は1.1111・・・になります。

(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1)))

当初距離が1C離れていましたので合計で鏡は船から距離は2.11111・・・C離れている事になります。

1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1)))

その鏡に向かって光が0.1Cで進みますから、21.1111・・・秒後に光は鏡に追いつきます。

(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V)

鏡は11.1111・・・秒動いてそれからまた21.1111・・・秒動きました。

足し合わせると32.2222・・・秒、0.1Cで動いた事になります。

((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1)

そうであれば鏡が動いた距離は3.22222・・・Cであり、当初距離1Cを足し合わせて4.2222・・・Cが船と鏡との間の距離となります。

1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1)

この距離を右から光が1Cで左から船が0.8Cで詰めますから4.2222・・・C÷(1C+0.8C)=2.345679秒後に光は船に戻ります。

(1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1))/(1+V1)

これを足し合わせると地球時間で21.1111・・・+2.345679=23.45679、船の時間では14.074074074・・・秒となります。

(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V)+(1+((-2/((V1+1)*(V-1)))+(1+(V-V1)*(-2/((V1+1)*(V-1))))/(1-V))*(V-V1))/(1+V1)

整理して <--注1

2*(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)

さて船の乗員からは「船は止まっている」と見ますから、光が往復に必要だった時間の真ん中で光は鏡に届いたのだ、と認識します。

その様にして鏡までの距離を光で計って知るのです。

それで最初の場合は鏡までの距離は6.6666・・・÷2=3.33333・・・・C

(-2/((V1+1)*(V-1)))/2

次の場合は鏡までの距離は14.074074074・・・÷2=7.03703703・・・C

2*(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)/2

=(V1-1)*(-V2-1)/((V1+1)^2*(V2-1)^2)

差分をとると3.70370370・・・C

(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)ー(-2/((V1+1)*(V-1)))/2

最初に鏡に光が届いた時点を起点にしますと、そこから3.33333・・・秒で光は船に戻り、そうしてまた折り返して7.03703703・・・秒で鏡に再度、到着した事になります。

船の乗員にはその様に見えます。

従って鏡の3.70370370・・・Cの移動に必要だった時間は7.03703703・・・+3.33333・・・=10.37037037・・

(-2/((V1+1)*(V-1)))/2+(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)

鏡の船から見た移動距離と移動時間が出ましたから移動距離を移動に必要だった時間で割って速度を出します。

((V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2)ー(-2/((V1+1)*(V-1)))/2)/((-2/((V1+1)*(V-1)))/2+(V1-1)*(-V-1)/((V1+1)^2*(V-1)^2))

ウルフラムで整理して 「整理した別の形」が

(V-V1)/ (1-V*V1)

となっている事を確認します。

そうして求めるべきはV2であり、おおにしさんブログによればその形は

V2=(V-V1)/(1-V*V1)

であって、両者はめでたく一致したのでした。

・・・証明終わり



注1:この整理は人間わざでは、少なくとも当方の手にはおえませんので、ウルフラムに頼みます。

https://ja.wolframalpha.com/

整理したい式をコピーして入力欄に張り付けてポチります。

そうすると「別の形」の所に整理した式がでます。そこからよさそうなものを選びます。


追記:何を証明したのか?
よく知られている以下の式
V=(V1+V2)/(1+V1*V2/C^2) 

そしてそこからV2を求める様に変形した式
V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)

に出てくるV2という速度は地球から打ち上げられた2段ロケットの1段目に搭載されたレーダーによって2段目のロケットが1段目のロケットからどれだけの速さで離れていくのか、1段目の搭乗者の視点で測定した速度である、という事を証明したのです。

つまり
V2=(V-V1)/(1-V*V1/C^2)
の式がやっている事の実際のプロセスを明らかにした、という事になります。

そうして相対論が「このようにして計算したV2の値はV1視点からみた正当なV2の値である」と主張するならば、同様の手順によってV1視点でのさまざまな速度が計算し確認できる、という事になるのです。

 

PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/eE4v4