今更ながらの光速の測定の話です。
とはいえ0.8Cで進行中の宇宙船を使います。
従って宇宙船の中の時間は基準慣性系に対して0.6掛けで進みます。
つまり「すべての物理現象は0.6掛けのスピードでしか動かない」という事であり、従って光の速度も0.6掛けとなります。
このままでは宇宙船の中に作られた30万kmの物差しの上を光は18万kmまでしか進めませんが、その時の時計の針は0.6秒を指しているので問題は検出されません。
時計の針の位置と物差しの上の光の到達位置は1対1対応がついており、崩れる事はないからであります。
この0.8Cで進む宇宙船を外から見ますと、その長さは0.6掛けに縮むといわれ、従って物差しも0.6掛けになりますが、この場合宇宙船の中の空間も0.6掛けに圧縮され、したがって光の進む距離も0.6がけであり、物差しと光の到達位置の対応関係は崩れません。
さてこの話は0.8Cで進む宇宙船の内部の話である、と同時にCMBパターンに対して秒速600kmで進む地球と言う慣性系の事でもあります。
実は地球と言う慣性系の上では基準慣性系に対して時計は遅れ長さは縮んでいますが、我々は光速の測定からはその事実を知る事はできない、という事になります。
そういうわけで、地球上で作られた光の速度はどうやって計ってみてもCである、という結論に至るのでした。
さてそれで問題なのはこの宇宙船の中で作られた光、これが窓から進行方向に宇宙空間に出た時にその速度はどうなるのか、という事であります。
この光は宇宙船の内部空間では宇宙船の外部空間を走る光の速度Cに対しては0.6掛け、つまり0.6Cになるのでした。
これは宇宙船の中の時間が遅れている為のものであり、当然の帰結と言うものであります。
しかしこの「遅い光」が宇宙船の窓から外にでても「遅い光のまま」なのかどうか、という疑問ですね。
そうなりますと宇宙空間にはいろいろなスピードの光が存在する事になり、『さすがにそれはないだろう」という事で、「遅い光」は外部空間に出ると速度がCになるのだろう、という事になります。
そうしてこの場合「内部」と「外部」の境目を決めているのはガラス板一枚であります。(注1)
それで次は「予測はそうなるのだが本当にそうか?」ということで、その光の速度を計ってみる事になります。
宇宙船の進行方向、もちろん外側にですが長さ30万kmの物差しを出して、その先に鏡を付けます。
宇宙船を出た光は光速Cで鏡に向かいますが、0.8Cで進行中の宇宙船に固定された鏡は光から0.2Cで逃げます。
従って30万キロの距離を光が鏡にぶつかるのは30万km÷0.2C=5秒後となります。
鏡にぶつかった光は即座に反射されもとに戻ります。
距離30万キロを左から船が0.8Cで、右から光が1Cで詰めます。
従って30万キロm÷(1+0.8)C=0.555555・・秒後に船に光は戻ります。
以上の事を船の上から見ていますと「30万キロ先の鏡に光が行って戻ってくるのに5秒+0.555555・・秒=5.55555・・秒かかった」となります。
しかしこの5.555555・・・秒は「基準慣性系タイム」ですから、宇宙船タイム換算では0.6掛けの3.33333・・秒となります。
しかしながら船の乗組員にとっては「1Cの長さの物差しの先端まで、光は行って帰ってその時の光の飛行距離は2Cのはず」ですから、光は船に2秒で戻ってこなくてはなりません。
3.33333・・・秒ではかかりすぎ、「遅い光」となってしまいます。
それでローレンツとアインシュタインが言うのです。
「物差しが縮んだのだよ」と。
実際、物差しのローレンツ短縮分として0.6を掛けますと3.333333・・・・はめでたく2秒となり「宇宙船から出た光の速度はCである」という事になるのです。
それで船の乗組員は「船の中の遅い光が外に出ても光速はCになる」と納得するのでした。
そうして、その様な光を使った物差しの長さの測定では「物差しの長さは1Cである」と結論をだします。
つまり「乗組員には外に出した物差しのローレンツ短縮は検出できない」という事になります。
加えて「以上の計算手順によれば、宇宙船から出された光によってその前方にある鏡、あるいは物体までの距離を測定できる」という事になります。
そうして「距離が測定できる」という事は「所定の時間をおいて光を出す事でその鏡の宇宙船に対する速度は速度=(前回測定の距離ー今回測定の距離)/(時間間隔)の計算によって知る事が出来る」という事になります。
さてそれで、上記の場合は「縮むのは物差しだけ」であって「宇宙空間は縮まない」のです。
この点が宇宙船内の状況とは大きく異なります。
宇宙船内の場合は「物差しもろとも船内空間が縮む」のでした。
つまり「一秒間に進む光の到達距離が(基準慣性系から見ると)短くなる」のです。
しかし外に出した物差しの場合は「(基準慣性系から見ると)物差しは縮むが一秒間に進む光の到達距離は変わらない=宇宙空間は縮まない」ので「到達時間を短くできる」のでした。
注1:宇宙船の中の時計は出発した場所の時計よりも遅れている。
これを「外の宇宙の歴史に対して宇宙船は過去にいる」と見るかどうか。
タキオン反電話の見方は「まさにそのように見るもの」であった。
そうしてこの宇宙船からの情報を元の出発した場所に返す事であたかも「過去に情報を送れるのだ」と主張していた。
しかしこれは「明らかに時空図の作図エラー」と「その図の解釈の間違い」です。
宇宙船がいるのは今現在の宇宙の中であって、確かに宇宙船内部の時間の進み方は遅いのですが「過去の宇宙にいる訳ではない」のです。
そうではありますが「限られた空間の中ではあるが、時間の進み方の遅いエリア」と「その場所と空間的には連続しているが、時間の進み方からすれば明らかに不連続である事が可能である宇宙のありよう」というのは本当に奇妙であり、興味深い事です。
そうしてこの「時間の進み方の不連続性」というのは「光速移動の宇宙船はタイムマシンであるとしてもよい」と思われる程のものです。
追伸
船の搭乗者にしてみれば、船の外に出した物差しの長さは1C。
従って光は2秒で戻らなくてはならない。
これを実現するために、ローレンツファクターを2回、掛ける必要があった。
一応一つは時間に対応し、もう一つは空間、長さに対応する部分。
5.5555555・・・*0.6*0.6=1.9999999・・・・=2秒
2秒÷2=1秒<--光が物差しの先端まで届くのに必要な時間。
そうして
1秒×C=1C<--物差しの船から見た長さ。
この状況は「船から出した物差しは光速Cから見ると0.6倍に縮んで見える」=「基準慣性系から見ると0.8Cで進む船の長さは0.6倍に縮んで見える」に対応している。
追伸の2
素粒子などは内部空間を持たないように見えますが、弦理論によれば「ひもが振動している」とか。
運動するものと運動できる空間があれば、時間も遅れる事が可能になるのでしょうか。
追伸の3
光の速度
https://archive.fo/E9pIg
最後の実際に光の飛行速度を長距離往復で求めた実験が
1926年 アルバート・A・マイケルソン、回転鏡 299 796 ± 4 km/s
であった。
これ以降の光の速度測定は対象光の波長と周波数を別々にはかってそこから光速を計算で出す、と言うものに変わった。
光より速いニュートリノ? 驚愕の測定結果を精査へ
https://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/26neutrino_speed/index-j.shtml
ニュートリノ
https://archive.fo/ree8w
ニュートリノ「超光速」を撤回、装置に不備 名大など
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08013_Y2A600C1000000/
セルンなどによるニュートリノ速度測定は「地球上で行われた初の長距離での光速の片道飛行速度測定」と言うようにも見れます。
そうしてまた、この実験によって「片道測定でも光は光速で走る」と測定されました。
この結果は「地上ではエーテルの風は観測できない」と言い換えても良いものです。
(エーテルがあった場合は上りと下りで光の速度に差が生じます。
それでトータルの飛行時間が延びるのですが、それをローレンツ短縮による飛行距離の短縮がカバーする、という話がローレンツさんの言い分でした。
しかしながら、片道測定ではその様なローレンツ短縮だけでは、光速度が一定になる理由が説明できません。
エーテルの存在を仮定しながらなおかつ地球上でのこの結果を説明するにはエーテル引っ張られ仮説をとるしかないでしょう。)
光速測定の歴史
http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1_kaitei/contents/ph-1/4-bu/4-3-1.htm
「レーザーによる光速測定」
https://web.tohoku.ac.jp/sspp/yoshizawa/kousoku.htm
レファレンス事例詳細
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000025120
とはいえ0.8Cで進行中の宇宙船を使います。
従って宇宙船の中の時間は基準慣性系に対して0.6掛けで進みます。
つまり「すべての物理現象は0.6掛けのスピードでしか動かない」という事であり、従って光の速度も0.6掛けとなります。
このままでは宇宙船の中に作られた30万kmの物差しの上を光は18万kmまでしか進めませんが、その時の時計の針は0.6秒を指しているので問題は検出されません。
時計の針の位置と物差しの上の光の到達位置は1対1対応がついており、崩れる事はないからであります。
この0.8Cで進む宇宙船を外から見ますと、その長さは0.6掛けに縮むといわれ、従って物差しも0.6掛けになりますが、この場合宇宙船の中の空間も0.6掛けに圧縮され、したがって光の進む距離も0.6がけであり、物差しと光の到達位置の対応関係は崩れません。
さてこの話は0.8Cで進む宇宙船の内部の話である、と同時にCMBパターンに対して秒速600kmで進む地球と言う慣性系の事でもあります。
実は地球と言う慣性系の上では基準慣性系に対して時計は遅れ長さは縮んでいますが、我々は光速の測定からはその事実を知る事はできない、という事になります。
そういうわけで、地球上で作られた光の速度はどうやって計ってみてもCである、という結論に至るのでした。
さてそれで問題なのはこの宇宙船の中で作られた光、これが窓から進行方向に宇宙空間に出た時にその速度はどうなるのか、という事であります。
この光は宇宙船の内部空間では宇宙船の外部空間を走る光の速度Cに対しては0.6掛け、つまり0.6Cになるのでした。
これは宇宙船の中の時間が遅れている為のものであり、当然の帰結と言うものであります。
しかしこの「遅い光」が宇宙船の窓から外にでても「遅い光のまま」なのかどうか、という疑問ですね。
そうなりますと宇宙空間にはいろいろなスピードの光が存在する事になり、『さすがにそれはないだろう」という事で、「遅い光」は外部空間に出ると速度がCになるのだろう、という事になります。
そうしてこの場合「内部」と「外部」の境目を決めているのはガラス板一枚であります。(注1)
それで次は「予測はそうなるのだが本当にそうか?」ということで、その光の速度を計ってみる事になります。
宇宙船の進行方向、もちろん外側にですが長さ30万kmの物差しを出して、その先に鏡を付けます。
宇宙船を出た光は光速Cで鏡に向かいますが、0.8Cで進行中の宇宙船に固定された鏡は光から0.2Cで逃げます。
従って30万キロの距離を光が鏡にぶつかるのは30万km÷0.2C=5秒後となります。
鏡にぶつかった光は即座に反射されもとに戻ります。
距離30万キロを左から船が0.8Cで、右から光が1Cで詰めます。
従って30万キロm÷(1+0.8)C=0.555555・・秒後に船に光は戻ります。
以上の事を船の上から見ていますと「30万キロ先の鏡に光が行って戻ってくるのに5秒+0.555555・・秒=5.55555・・秒かかった」となります。
しかしこの5.555555・・・秒は「基準慣性系タイム」ですから、宇宙船タイム換算では0.6掛けの3.33333・・秒となります。
しかしながら船の乗組員にとっては「1Cの長さの物差しの先端まで、光は行って帰ってその時の光の飛行距離は2Cのはず」ですから、光は船に2秒で戻ってこなくてはなりません。
3.33333・・・秒ではかかりすぎ、「遅い光」となってしまいます。
それでローレンツとアインシュタインが言うのです。
「物差しが縮んだのだよ」と。
実際、物差しのローレンツ短縮分として0.6を掛けますと3.333333・・・・はめでたく2秒となり「宇宙船から出た光の速度はCである」という事になるのです。
それで船の乗組員は「船の中の遅い光が外に出ても光速はCになる」と納得するのでした。
そうして、その様な光を使った物差しの長さの測定では「物差しの長さは1Cである」と結論をだします。
つまり「乗組員には外に出した物差しのローレンツ短縮は検出できない」という事になります。
加えて「以上の計算手順によれば、宇宙船から出された光によってその前方にある鏡、あるいは物体までの距離を測定できる」という事になります。
そうして「距離が測定できる」という事は「所定の時間をおいて光を出す事でその鏡の宇宙船に対する速度は速度=(前回測定の距離ー今回測定の距離)/(時間間隔)の計算によって知る事が出来る」という事になります。
さてそれで、上記の場合は「縮むのは物差しだけ」であって「宇宙空間は縮まない」のです。
この点が宇宙船内の状況とは大きく異なります。
宇宙船内の場合は「物差しもろとも船内空間が縮む」のでした。
つまり「一秒間に進む光の到達距離が(基準慣性系から見ると)短くなる」のです。
しかし外に出した物差しの場合は「(基準慣性系から見ると)物差しは縮むが一秒間に進む光の到達距離は変わらない=宇宙空間は縮まない」ので「到達時間を短くできる」のでした。
注1:宇宙船の中の時計は出発した場所の時計よりも遅れている。
これを「外の宇宙の歴史に対して宇宙船は過去にいる」と見るかどうか。
タキオン反電話の見方は「まさにそのように見るもの」であった。
そうしてこの宇宙船からの情報を元の出発した場所に返す事であたかも「過去に情報を送れるのだ」と主張していた。
しかしこれは「明らかに時空図の作図エラー」と「その図の解釈の間違い」です。
宇宙船がいるのは今現在の宇宙の中であって、確かに宇宙船内部の時間の進み方は遅いのですが「過去の宇宙にいる訳ではない」のです。
そうではありますが「限られた空間の中ではあるが、時間の進み方の遅いエリア」と「その場所と空間的には連続しているが、時間の進み方からすれば明らかに不連続である事が可能である宇宙のありよう」というのは本当に奇妙であり、興味深い事です。
そうしてこの「時間の進み方の不連続性」というのは「光速移動の宇宙船はタイムマシンであるとしてもよい」と思われる程のものです。
追伸
船の搭乗者にしてみれば、船の外に出した物差しの長さは1C。
従って光は2秒で戻らなくてはならない。
これを実現するために、ローレンツファクターを2回、掛ける必要があった。
一応一つは時間に対応し、もう一つは空間、長さに対応する部分。
5.5555555・・・*0.6*0.6=1.9999999・・・・=2秒
2秒÷2=1秒<--光が物差しの先端まで届くのに必要な時間。
そうして
1秒×C=1C<--物差しの船から見た長さ。
この状況は「船から出した物差しは光速Cから見ると0.6倍に縮んで見える」=「基準慣性系から見ると0.8Cで進む船の長さは0.6倍に縮んで見える」に対応している。
追伸の2
素粒子などは内部空間を持たないように見えますが、弦理論によれば「ひもが振動している」とか。
運動するものと運動できる空間があれば、時間も遅れる事が可能になるのでしょうか。
追伸の3
光の速度
https://archive.fo/E9pIg
最後の実際に光の飛行速度を長距離往復で求めた実験が
1926年 アルバート・A・マイケルソン、回転鏡 299 796 ± 4 km/s
であった。
これ以降の光の速度測定は対象光の波長と周波数を別々にはかってそこから光速を計算で出す、と言うものに変わった。
光より速いニュートリノ? 驚愕の測定結果を精査へ
https://www.astroarts.co.jp/news/2011/09/26neutrino_speed/index-j.shtml
ニュートリノ
https://archive.fo/ree8w
ニュートリノ「超光速」を撤回、装置に不備 名大など
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08013_Y2A600C1000000/
セルンなどによるニュートリノ速度測定は「地球上で行われた初の長距離での光速の片道飛行速度測定」と言うようにも見れます。
そうしてまた、この実験によって「片道測定でも光は光速で走る」と測定されました。
この結果は「地上ではエーテルの風は観測できない」と言い換えても良いものです。
(エーテルがあった場合は上りと下りで光の速度に差が生じます。
それでトータルの飛行時間が延びるのですが、それをローレンツ短縮による飛行距離の短縮がカバーする、という話がローレンツさんの言い分でした。
しかしながら、片道測定ではその様なローレンツ短縮だけでは、光速度が一定になる理由が説明できません。
エーテルの存在を仮定しながらなおかつ地球上でのこの結果を説明するにはエーテル引っ張られ仮説をとるしかないでしょう。)
光速測定の歴史
http://www.keirinkan.com/kori/kori_physics/kori_physics_1_kaitei/contents/ph-1/4-bu/4-3-1.htm
「レーザーによる光速測定」
https://web.tohoku.ac.jp/sspp/yoshizawa/kousoku.htm
レファレンス事例詳細
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000025120
追記:ちなみにここでの議論は「検討の始まり」であって、「最終結果ではなく途中の段階である」という事にご注意ねがいます。