特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その2・ドリフトしながら円運動する場合の時間の遅れ

2022-08-27 12:11:38 | 日記

さて扱う問題は「0.9994Cで円運動していて、ドリフト速度が0.001Cの場合」です。

数字を見て分かる様に0.9994C+0.001C=1.004C>Cで、光速を超えますのでこのままでは時間遅れの積分ができません。

それで相対論的な速度の合成が必要になります。(注1)

そうしてX軸方向に0.001Cでドリフトしている、としますので円運動のX軸成分は勿論Y軸成分に対しても相対論的な速度の合成が必要になります。

そのやり方については

X軸方向については「ドリフトしながら単振動する場合の時間の遅れ・相対論」: https://archive.is/5nTue http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=3923#post_id27594 で

Y軸方向については「その2・ドリフトしながら単振動する場合の時間の遅れ・相対論」 : https://archive.is/fagNu http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=27677 :で扱いました。

その扱いを今回は円運動に対して適用します。

そうすると積分は

sqrt(1- (((0.9994*cos x+0.001)/((1+0.9994*(cos x)*0.001)))^2+(sqrt(1-0.001^2)*((0.9994*sin x)/((1+0.9994*(cos x)*0.001))))^2))をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-+%28%28%280.9994*cos+x%2B0.001%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%5E2%EF%BC%8B%28sqrt%281-0.001%5E2%29*%28%280.9994*sin+x%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%29%5E2%29%29%E3%82%92%EF%BD%98%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えは0.217623

但し例によって桁落ちしています。・・・計算①

注3:うまく計算してくれない時は注3参照の事



それで積分対象関数を見てみますと

sqrt(1- (((0.9994*cos x+0.001)/((1+0.9994*(cos x)*0.001)))^2+(sqrt(1-0.001^2)*((0.9994*sin x)/((1+0.9994*(cos x)*0.001))))^2))  ・・・①式

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-+%28%28%280.9994*cos+x%2B0.001%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%5E2%EF%BC%8B%28sqrt%281-0.001%5E2%29*%28%280.9994*sin+x%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%29%5E2%29%29

マイナスの部分がなく全てプラスですので時間遅れの積分ができました。・・・計算②



ちなみにドリフトがない0.9994Cの円運動での時間の遅れはこうなります。

sqrt(1- 0.9994^2)をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-+0.9994%5E2%29%E3%82%92%EF%BD%98%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えは0.217623 でこの桁数の範囲ではドリフトありの場合と差が見えません。・・・計算③

ちなみにこの答えも桁落ちしていて桁落ち回避では

桁落ち回避結果:0.217623272870553・・・計算④

となります。(2π*sqrt(1- 0.9994^2)を計算した結果)



そういうわけで例によって「桁落ち回避計算」をする必要があります。

単振動での桁落ち回避手順を見習って、ドリフトがない場合との差分を取る。まずはこれですね。やってみましょう。

sqrt(1-0.9994^2)-sqrt(1- (((0.9994*cos x+0.001)/((1+0.9994*(cos x)*0.001)))^2+(sqrt(1-0.001^2)*((0.9994*sin x)/((1+0.9994*(cos x)*0.001))))^2))をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-0.9994%5E2%29-sqrt%281-+%28%28%280.9994*cos+x%2B0.001%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%5E2%EF%BC%8B%28sqrt%281-0.001%5E2%29*%28%280.9994*sin+x%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%29%5E2%29%29%E3%82%92%EF%BD%98%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えはゼロ

桁落ちした状況が改善されず

0.217623ー0.217623=0

とウルフラムは言います。



それで、こういう時はウルフラムに入れる式を前もって簡約しておくのが良いのです。

①式のsqrt(1-0.001^2)の部分、二乗がかかってますのでsqrtは外せます。

そのようにした式をウルフラムにいれます。

sqrt(1- (((0.9994*cos x+0.001)/((1+0.9994*(cos x)*0.001)))^2+(1-0.001^2)*(((0.9994*sin x)/((1+0.9994*(cos x)*0.001))))^2))

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-+%28%28%280.9994*cos+x%2B0.001%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%5E2%EF%BC%8B%281-0.001%5E2%29*%28%28%280.9994*sin+x%29%2F%28%281%2B0.9994*%28cos+x%29*0.001%29%29%29%29%5E2%29%29

その結果「xを実数と仮定した場合の別の形」に簡約された式が出てきます。・・・②式



この式を使ってドリフトなしの場合との差分を取ります。

sqrt(1-0.9994^2)-sqrt(2.27374*10^(-13)*cos(x)+1201.08)/(cos(x)+1000.6)をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=sqrt%281-0.9994%5E2%29-sqrt%282.27374*10%5E%28-13%29*cos%28x%29%2B1201.08%29%2F%28cos%28x%29%2B1000.6%29%E3%82%92%EF%BD%98%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えは -1.08693*10^(-7)

=-0.000000108693

ドリフトしていない場合の方が積分値が小さい=時間の進み方がより遅い、という事になります。(注2)



それでドリフトしていない時の計算結果はこうでした。

桁落ち回避結果:0.217623272870553・・・

この数字に上記の差分の数字、マイナスをとったものを足しこめば求める数値=ドリフトがある場合の円運動での時間の遅れとなります。

従ってドリフトがある場合の円運動での時間の遅れは

桁落ち回避結果:0.217623381563・・・

有効数字12ケタありますので当面これでよさそうです。


注1:もちろん、足し合わせた速度が光速を超えていなくても合成速度が大きく、相対論的な合成則を適用するのが妥当な場合は合成則を使うべきでありましょう。

注2:そうしてこの結果は直感的な判断とは真逆のものになっています。

加えて前のページで計算した「相対論的な加算式を考慮しない場合の結果」とも異なっています。

前ページの結論では「ドリフトしたほうが時間がより遅れる」と言うものでした。

そうであれば今回の結論は「相対論的な加算式を考慮した事による結果である」と言えます。

注3:ウルフラムのトップページに移動
https://ja.wolframalpha.com/

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sqrt(1- (((0.9994*cos x+0.001)/((1+0.9994*(cos x)*0.001)))^2+(sqrt(1-0.001^2)*((0.9994*sin x)/((1+0.9994*(cos x)*0.001))))^2))をxが0から2πまでの範囲で積分

一回でうまく行かなくても、何回か行う。

それでもダメなときはしばらく時間を空けるとうまく行く。


PS:相対論の事など 記事一覧


https://archive.fo/Uzr98