特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その2・ マイケルソン・モーレーの実験とローレンツ短縮

2022-10-15 02:34:17 | 日記

さて話しを続けましょう。

腕の長さがCであるマイケルソン・モーレーの干渉計を考えます。

腕はX軸とY軸方向にのびています。

干渉計は静止系に対してX軸方向に0.8Cで移動している。

その時にY軸方向に原点からでた光は干渉計に立っている観測者からみれば1秒でY端にある鏡に到達し合計2秒で原点まで戻ってくる事を確認します。

同様にしてX軸方向に原点からでた光は1秒でX端にある鏡に到達し合計2秒で原点まで戻ってくる。

干渉計に立つ観測者にとっては「それは当たり前の事」であります。

それで問題はこれを静止系から見た時にはどう見えるか、ということですね。



さてY軸方向に飛んだ光の状況を絵にかくとX軸方向に0.8C、でY軸方向の腕の長さがCだから光の光路は直角三角形の斜辺となり、その斜辺の長さをLとすれば

L=sqrt(C^2+(0.8C)^2)

となります。

そうすると光路長は2Lですから、光の走行時間Sは

S=2L/C

=2*sqrt(C^2+(0.8C)^2)/C

=2.56125(秒)



さて次はX軸方向です。この計算は前のページにあったように光が進行方向に進む時(原点を出た光がX端の鏡に向かう時)は走行時間はC/(C-0.8C),鏡に反射して原点に戻る時はC/(C+0.8C)となります。

C/(C-0.8C)=5

C/(C+0.8C)=0.555・・・・

従って合計で5.555・・・(秒)



それで、このままでは原点を出てX軸とY軸に分かれて進んだ光は同時に原点に戻っては来ません。

つまり「実際には確認されなかった干渉縞が現れる事」になります。

それでこれでは実験結果を説明できませんから、ローレンツ短縮の導入となります。



それで0.8Cに対応するローレンツ短縮は

sqrt(1-0.8^2)=0.6

ですから、X軸方向の光の走行時間は行きが

0.6C/(C-0.8C)=3

戻りが

0.6C/(C+0.8C)=0.333・・・

となり合計で3.333・・・(秒)となります。



さてそれで、残念な事にはこの数値では

3.333・・・(秒)≠2.56125(秒) であり

上記計算のY軸に飛んだ光の走行時間と合わないのです。



まあそういう訳でこれがマイケルソン・モーレー干渉計の計算で当方が迷い込んだパズルとなります。

さてそれで、それでは上記の議論のどこに誤りがあったのでしょうか?

時間がある方はどうぞトライしてみて下さい。

 

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