覚書

イラストレーター進士遙のブログです。
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impossible theatre

2006-04-19 19:13:56 | 作品・学校
いきたいいきたい、とずっと思ってた展覧会に最終日だった17日にやっと行って来ました。
impossible theatre と銘打ったポーランド人舞台監督Tadeusz Kantorの作品の紹介・展示。
下のリンクがいつまで有効かは分からないけど↓、
http://www.barbican.org.uk/artgallery/event-detail.asp?ID=3886
海に向かって指揮者が指揮棒を振っている写真( The Sea Concerto )に一目ぼれした。

展示の中にあった彼の実験的フィルム、the singing lesson かすばらしくよかったのでちょっと説明を。

ピアノの音をバックに一生懸命に腕を振る男が前に。
それを見て口を大きく開ける10代の子達。
ありえないほど調子っぱずれな声。

なんだなんだと見ていたら、歌っている彼らの耳には補聴器が。
ああ!きこえないんだ。

教室でのシーンが終わり、画面は大きな礼拝堂に移る。
客は居ないが、彼らはパイプオルガンの前に立って
プロのソプラノシンガーを真ん中に、弦楽団をわきに、
大声でバッハを歌う。
ソプラノ、アルト、テナー、バスに分かれて、指揮者の口を読みつつ、
楽譜の文字を読みつつ、歌う。

いいなとおもったのが、話をするときは相手をしっかり見るって事。
そうじゃないと話が出来ない。
合唱が終わったときにみんな中高生だから、わぁわぁ騒いで
空気には言葉の洪水なんだけど、耳には何も伝わってこない。
そのギャップが面白かった。

自分が歌うときに音があるから振動なんて意識しないけど、
耳の聞こえない彼らは歌うと、ものすごい量の振動を感じるのかな。
自分の中から来る振動と、20人で歌う振動と。
音をもっとモロに感じれるのかな。

最後に当たり前なんだけど、はっとしたことは、
笑い声は万国万人共通だってこと。
すげえなあ。