覚書

イラストレーター進士遙のブログです。
随時更新。お仕事も随時ウエルカム。

出会ってしまった。

2006-12-18 21:17:29 | 作品・学校
クラスはもうおわっていたけれど用事があったので学校に行ったら、
出会ってしまいました、うちの講師の素敵な絵本に!
学校のブックセールで格安だったので即購入。

絵本って媒体を超楽しんでる一冊だと思う。

デジカメが夏から壊れてて、ケータイのカメラで初挑戦(笑)
いつの時代の人なんだ私は。。。画像荒くて失礼。↓

とりあえずこれが表紙。「hot jazz special」すでにかわいいねえ。本人もかわいいんだよ。
mail it のプロジェクトのときにノッってくれた講師ジョニーの絵本。
何がいいってこの絵本、
じゃん!

カバーの裏にもめちゃめちゃ落書きしてあって、それがかわいいのだー!!
レコードとトランペットの絵が描いてあるのは絵本本体。それもいいでしょ?
で、そのカバーを開くと、、、

A2サイズのポスターになる!!!このでかいサイズってのはインパクト強いよ!!
(写真が同じ大きさだからわかりづらいけど。。。)
小さいものもいいけど、でっかいものってのはそれだけでわくわくする。
つまり、予想外の大きさ、予想外の小ささって言うのはどきどきする大切な要素だと思うんだ。
中身はこんなの。↓

ジャンゴ・ラインハルト↑はマヌーシュスウィング第一人者。ジプシーのギタリストで、
私の大好きな映画swing(邦題僕のスウィング。すんげぇ素敵なフランス映画。)は彼の没後50周年を
記念して作られたそう。この映画の中で演じてるチャボロシュミットはジャンゴの忠実な一番弟子で、
もー、いいよ!かっこいいよ!是非見てね!って映画の話をしてるんじゃなかった。

アームストロング↑。ちなみにこういうかんじのフォントを使ってる
イラストレーターってすんごく多いんだけどさ、ある意味はやりでもあるんだけど、
大元はジョニーだと思ってる。うん。すげーよ、この人。


「イラストレーションっていうのは、自分の好きな世界、自分の興味あることを
相手に伝える、紹介する、
そして相手を巻き込んでしまう、っていうすごいモノなんだよ。それだけじゃなくて、
伝えるときにその自分の情熱、わくわくしてる気持ちも一緒に届けられるんだから!」
うちの元学部長が言ってた言葉だけど、本当にそういうもんが作れるといいなって思う。
いろんなことも、もっともっと勉強してかなきゃね。

ってか、
さーて、、、いいかげんに卒論に手をつけ始めましょ。
終わるように祈っててくれ。

映画その他。

2006-12-17 01:19:46 | 映画
最近見た映画、思うところが多々あり。

まず、
「薔薇の葬列」
知ってる人、ほとんどいないだろうな。上海で買ってきた日本の映画。69年作成。
主演ピーター。私は知らなかったけど、どうも有名な、男でも女でもない人らしいね。
むむ。その、彼のデビュー作。若干17歳。すでに性別超えてる。
69年だから変にいきがってて、でもいきがってても69年だからマリファナとか、
(ヒッピーならぬ)フーテンとか、学生運動とか、クラブもがんばってロンドンとかのまねしてて、
でもそれが逆に超日本っぽくって。そのいきがってる映画自体も69年だから許せる、みたいな。
とにかく不思議な映画だった。出来としては超B級なわけだけど。
ちなみに69年、NY郊外でウッドストックフェスティバルがひらかれてるわけで。憧れだったんだろーなー。
今は情報どこでも入るけど、あのころの日本人はは何とか情報探し出して、研究してたわけだし。
そして70年に大阪万博だろ??そりゃあみんないくさ!
たのしかっただろうな、おうおうおう。なんだか、話がすでにハチャメチャになってきた。次。

「From Hell」
mail itのプロジェクトのとき講師から薦められたのをついに!見ましたよ。
ふふふ。ジョニーデップの出てる切り裂きジャックの話。
なかなかグロいものの、昔のロンドンが出てくるところがとっても楽しかった!!
舞台は下町貧困層がでてくるホワイトチャペル地区。
今も残ってる教会とか、通ったことのある通りとかに娼婦たちが客引きやってたり、こじきがいたり、
ぼろぼろで、じとじとしていて、霧がかった道を通る馬車とか、ほんとぞくぞくする。
そのほか、え、ココ精神病院あったの?とか、びっくりすることも多々。
さらにジョニーのダメ男の似合うこと!
ちなみにいまはホワイトチャペル地区、若手のアーティストをサポートするギャラリーがたくさん。
最近全然遊びに行ってない。良くない。栄養不足だ。

「パッチギ!」
学校が終わった次の日、ハウスメイトと昔の映画館みたいに3本続けて見た内の最初の映画。
舞台は60年代後半の京都。朝鮮高校の高校生と、日本の高校生のケンカからはじまって、
もう、もう。映画として非常に完成度が高かったと思う。
一つ一つ、大きなテーマにも、小さなテーマにも超本気で、
最後がちゃんとハッピーエンドなのも悪くない。キャストはすっげえ良かった。
帰国船の話が出てきたり、転々としている家族がいたり、焼肉屋があって、
葬式があって。家を壊して。川があって、隔たれていて。
むうう、うまくいえないけど、もう一回見たい。

「GO」
その続きでみたのがGOでした。こんどは現代の在日コリアンの話。
「GO」も「パッチギ!」も話題になってたみたいだけど、見たのははじめて。
面白かったし、窪塚君はやっぱし演技うまい。
でもさー、なぜにラストがああなる?!?!
柴咲コウよ!なんでしゃべるとかっこよくないんだ?!?!
で、なんでラストのセリフ、あれでいいの?!?!

は、ともかくとして、思うところ、って言うのは、
血、の話。うまくいえるかどうかわかんないけど。
一つ目。あたしは日本にいないから、そういうある意味、特別じゃなくても、
特別になるその血、の話は、ふしぎであったり、その日本の学校とかでの感覚、ってのはわかんないけど、、、
ああ、でもみんなわかんねぇよな。
在日じゃない子は在日の子の感覚はわからんし、
血を意識する子は、血を意識しない子の感覚はわからんし、
日本の学校におらんかった私はいた子の感覚はわからんし、
そうなれば一人ひとりお互いわからんし。ただ、そのわからん、わかる、の常識が、
偏ってるときに問題が起きるんだろうな。
二つ目。血、を意識するってのはあったかなかったか、っていったら、自分のに関してはなかっただろうな、っておもった。
高校のときなんかはどこの国のひと、っていう定義は非常に難しかったし、
言葉がみんないろいろしゃべれて、むしろ両親日本人で超損だ、とか本気で思った。
でもさ、いきなり、実はあなたはモンゴル人の血が入ってます、とか、
2分の1中国の血です、とか言われたらびっくりすんだろうな。
まえ、そんなことがあった子が「うん、びっくりしたけど、何も変わんないし、どう反応していいかわかんない、」
みたいなことを言ってたけど、要はびっくりすんだとおもう。
何も変わらんけど、じゃあぜーんぶ一緒だぜ、でもないし、
むしろ一人ずつ違うんですけど、みたいな。びっくりして、っていうのは
じぶんがこうだろ?って常識、というか、定義として思ってたことが、
実は違ってましたってことで、びっくりするんだ。
どう、違うって言うのは自分の中でいろいろ定義づけしていくんだろうけど。

逆に、だから、わたしがいちいち「上海で育ったにほんじんです」とか
言うのって、こういうとこからきてるんだろうな。
初対面の人に「韓国いって、上海に行って、いまここにいます」みたいなことを
わざわざ説明すんだぜ。変な感じ。
何が違う、とか別にいえないんだけど。でも説明しちゃう。

↑の場合は血じゃないけど、それでもやっぱり、
これがユダヤ人だったらユダヤの血を彼らはやっぱりすっげえ感じてるわけだし、
うむ、うむ、話がでかくなってきた上に収集つかなくなってきた。
そんなことがぐるぐる頭を駆け巡った2本の映画でした。

って、そうだ、それで勢いついて、3本目の映画みちゃったんだ、えーと、
「タイヨウのうた」
適当に軽くてよかった。女の子のかわいいかんじも、男の子のアホなかんじも。
むー、まあ、軽くてよかった、勢いついちゃって寝れなくなるところでしたもん。


そんな感じ。
みんな結局どっかの馬の骨。
国籍は天にあり!

おわった!1 mail it!

2006-12-09 03:20:07 | 作品・学校
おひさしぶりです。

学期末、でした。なかなか、ハードだった。。。

で、まず、mail it!のはなし。

最初のアイデア↓"measure me"

アフリカとかのドンブリ勘定的なマイナーな尺度を
あえて目盛にしてしまおう!という矛盾に満ちた企画。ウフ。
くるくる巻かれた巻尺がケースに入って送られてくるというもの。

が、
なんか、うまいことその尺度が見つかんなくって。

再びリサーチ。↓
 

うーむ、やっぱりプロモーションするってったら
自分の趣味全快にするしかないだろう!!
やっぱり、標本?フフ。↓


ということで標本セット。
ここからハウスメイト様様たちにも相談して、
育成キット+標本キット付を作ることに!!

育成キット内容・・・種 鉢 土 スコップ 
          ガラスケース(これは星の王子様がバラにかぶせるもの。必須だろ?笑)
          じょうろ 温度計
標本キット内容・・・虫眼鏡 ピン 番号札 ピンセット シリカゲル

育成キットに入っている種を鉢に植えて、水をやると花が出てきます。
その花が開くと、虫が出てきます。
で、その虫を大事に大事に育ててやります。
すると、でっかくなってかわいくなって立派になります。
そしたら、標本キットの出番です。
一番素敵な状態で標本を作ってやりましょう。

二つのキットの小さな箱が大きな箱に入っていて、
この大きな箱が標本箱になる!

わざわざ自分で育てて自分でプス!
うふふふふ!!虫だし!

で、キットの内容は全部粘土で作るからもちろん虫は出てこない。
ただ、その主役以外のものはちゃーんと用意されている。
このほかに説明書もついていて、そこには生まれてくる虫の名前やら
姿やらが描いてある、ここがワタシのイラストレーションがのるところ。

で、蝶みたいなやつやら、カブトムシもどきやら、似非トンボなるものを
考えていたものの、はた、と疑問が。
何でわざわざ花から出てこなきゃいけないんだっけ?

困った。理由が何にもねぇ。

ということで花についててもヨロシイ虫→アブラムシ。

しかしながら非常に面白くない。。。なんか害虫らしいし。
長いこと写真見てるとやっぱり気持ちいいモンじゃないしな。

で、アブラムシ、却下。

再びリサーチに戻る。カチカチ。

したらしたら!!あったあったありました!!!
これは、運命かと思ったよ!?!すげえすげえすげえ!!
オトシブミがいたじゃん!!

オトシブミというのはゾウムシの一種で、葉っぱでゆりかごを作ってその中に
卵を産む昆虫らいしのですが、そのゆりかごがすごい!

ちいさーな体で葉っぱを半分に切って、丸めて折って丸めて折ってこんな↑(わかる?)
形にした後、地面にポト。と落とすのです!!!
英語ではleaf-roller weevil(weevilはゾウムシ)でそんままですが、
日本語の「オトシブミ」は昔ラヴレターとか直接渡すのがはずかしーい手紙を
わざわざ渡す相手の前でポトっと落として渡していたらしいのですが、
その手紙のことを「オトシブミ」というんだそうで。
ああ、日本語って美しい。

で、ああ、もう、これはオトシブミのゆりかごを使うしかないじゃん!!
じゃあ、ゆりかごから出てくるオトシブミを考えなきゃ!!
と思い、描いてみた。

男爵オトシブミ。

・・・んー。。。なんだかなー、イマイチだよなー。むー。。。
と思いつつ、ビクトリアン時代の衣装の本を図書館でぱらぱらする。
この時代って職業ごとに服装が決まってたり、マジ動きにくいものかぶってたり、
すごく豪華でビラビラしてるけど、風呂はいってないからたぶん
袖とかテカテカしてるんだろうなー。なんて時代だ。ひゃあ!
で、スケッチする。

ってか、もー、いいじゃん、彼らにそのままゆりかごから出てきてもらおう!!
いいよ、キミ達虫で!!!

ということで人みたいなオトシブミがゆりかごから出てくることになった。
(ちなみに時代の違うめがねの彼女はお気に入り笑)

その日の夜もひたすらハウスメイトに知恵を乞う。
キャラクターを作る作る。
そうだそうだ、作品の名前は「from the cradle to the grave」ゆりかごから墓場まで。
サッチャー政権以前の福祉政策の呼ばれ方。
イギリスつながりだし、grave=標本箱。ってことで。

で、次の日講師Cに話してみた。Cはわりかしおとなしめの先生。
やさしいけど、個人的にはあんまりぴんとこない。
「こうこうこうで、こうするつもりなんだ!」
「んー、、おお、わかったけど、でも、このプロジェクトはimage makerとしての
君をプロモーションするためのものを作らなきゃいけないんだよ?
確かに説明書にキャラクターたちは描かれるけど、大部分は立体だろ。何で作るの?」
「紙粘土だけど。。。1週間半あるからできるよ?」
「でも5個作るのはむりだろ?むしろもっと平面に戻って
このおもちゃ?の広告とか作ってみたらどうだい?」
「ふむふむ。。。たしかに。」

で、こんなことをしてみた。

ちなみにビクトリアンな広告はこんなの。
イギリス人はこんなのに囲まれて生きていたのだなぁ。。。↓

↑コルセットの広告ではなくタバコの広告。
ちなみにジェントルマンもコルセットしていた国、イギリス。

で、次の日、学部長Gとはなす。
「こうこうこうで、すごくこれやりたいんだけど、で、
あくまでこの人たちは虫だから最後には「プス」なんだけど、
Cはこういって、確かに何十個も作るってのは非現実的だなあと思って、
とりあえず広告でも作ろうか?ってかんじ」
「確かに、プラクティカルではないね。。。爆。でもさ
これだけいろんなストーリーがあるんだから、逆に全部見せなくても
(広告で説明しなくても)いいんじゃない?キャラクターもあるんだから、
彼らを説明書じゃなくってなにかコレクションできるような。。。」
「ああ!ベースボールカードみたいなの作るってどうだろう??!」
「いいねいいね!コレクションできるものだしね、フォルダ作ってもいいし」

なので、それぞれのキャラクターのカードを作ることに。
ビクトリアン時代の、たいしたことないもののためにごてごて飾り立てる感じが
いいなーとおもって、「decolative alphabets and initials」なる本をぱらぱら。
よくこんなのみんな描いてたよな。いやー、昔の人はあっぱれだわ。
がんばって写した努力の後↓

ちなみに次の日に話した講師Jは面白がってくれて、
いろんな映画や小説を紹介してくれた。
そのうちひとつがフロムヘル。ジョニーデップが出てる素敵ーな映画。
ずーっと見過ごしていてまだ見てない。今晩みるのだー!! 楽しみ。
この人とはなんか好みが合うんじゃないか?フフ。
と勝手にわたしは思っているのだけれど、この人の作品いいんだよねー。最高。
アマゾンで彼の絵本hot jazz specialも売ってます。すげぇ。
あ、学部長もすごい人だけど絵本は作っていないのだ。

で、また再びハウスメイト様様様のお知恵を頂き!
オトシブミたちの設定を考え!
ひたすらカリカリ夜なべをし、画用紙をお茶で煮て染めて
(ふるい紙の色になるのです。)スクリーンプリントいたしました。ら、


じゃん!


やっとできましたー。万歳。
でも批評会では変に受けが良かったです。あくまで虫なので
最後はぷすっとさします。ってとこが。
ここまでかいておいてこれかよ、ってかんじですが。
どーん。。。まぁいいや、これから精進いたしましょう。。


まあともかくも、ここまで読んでいただいたので、
さらにクリスマスもちかいのでございますので、
虫がとどいても良いという特異なお方、ご一報くださいませ。
送りつけて差し上げましょう。

ではでは。あー超書いた。