中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

アンケートに頼るのは、不安の裏返し。

2012-03-15 08:22:42 | ビジネス
いきなり理想論をぶちあげましたが、本来現場が見えていればアンケートなど不要です。

ある旅館の経営者が、うちはお部屋・食事・風呂・サービス、あらゆる角度からアンケートをとって、経営、現場に反映させてます!と豪語していました。確かに俗人的、企業と言うより家業とも言える旅館経営においては、当たり前のように思えますが、革新的でもありました。

が、アンケートが出た時点で、すでに終わった話であり、確率論からすればマイナスポイントが少なければ会社としては「よかった」となりますが、そのマイナスをつけた人は、あきらかにお金をどぶに捨てたことになります。B2Cのビジネスでは、ある意味仕方のないことだと思いますし、食事や景観などは、その人の趣味、感性によりますから、まずいかうまいか、川のせせらぎが煩いか心地よいか、個人でまったく違ってきます。

ただ、私どもが手がける、中国語の企業研修。これは一人一人のビジネスマンが、実際に中国に行って活躍できるスキルを提供するわけですから、たまたまうまくいきませんでした!ではすまされません。また、受講生は個人ではなく、あくまで法人の構成員なので、9人が○でも1人が×なら、×しか目立ちません。実際、企業の研修管理部門の立場になると、社内のクレームは一大事です。9人の○を見てくれ!とセールスマンなら押し切るでしょうが、私どもは受講生一人一人にとってのコンサルタントですから、そう言うわけにもいきません。

それゆえに、弊社の中国人の研修責任者(=責任講師)は、必ず現場に赴いて、一人一人、あるいは全体の進捗や構成を常に考えています。優秀な講師に担当させるのはもちろんですが、講師まかせでは、全体の仕上がりがイメージできません。結果としてのアンケートをいただきますが、そこに書かれていることは、ほとんど彼女がすでに感じていることだったりします。もちろん、思い違いや読み違いで、びっくりするような角度からマイナス意見がくることもありますが、現場を知る努力をすれば不安も減る、アンケートに頼ることも本来ないはずです。

そんな責任者がいながら、私も現場に足を運びます。もちろん語学の細かいことではないのですが、場の空気や、今後の流れの変化みたいなものは、中国現地に赴くのと同様に、授業の現場にも漂っているからです。社長が現場に出ているようでは、後進が育ってない!との指摘もいただきますが、大企業になったとしても、経営の流れは、定点観測でもいいので、現場を知らないとよめないと私は思います。事件は会議室でも検討すべきですが、現場を知る努力は、立場立場で違うものの、必ず必要なことだと思います。いつか「アンケートは不要です」みたいなセリフが言えたら・・ま、毎日不安との戦いですが。

電車を停める前に、止めるべき日本の崩壊!

2012-03-11 21:40:32 | 政治
1年前の3月11日と同じ時刻、都内の電車を一斉に止めて黙祷を捧げたとのニュースを見ました。確かに東北でリスクを負って生みだした電力の消費地としての責任を感じたのであれば意味があるでしょう。また、別のニュースでは、福島で原発事故に対する抗議活動をした団体に対して、この日くらいは鎮魂せよ!との批判のコメントが踊りました。大地震、津波で亡くなられた多くの方の遺族、知人にとっては心がちぎれそうな映像が今日もひっきりなしに流れていましたし、救助、捜索にあたった自衛隊の方々も含めて、実際に現地に赴いた方々にとっては、忘れられない記憶です。辛いながらも共有して、新しい街づくりをしていこう!これは当然の思いです。

が、私も含めて、実際には直接関係のない人が1億人以上はいる中で、テレビ局の流す綺麗事の復興ムードや絆と言った一体感を、どこまで現実的に受け止められる人がいるでしょうか?命の尊さで言えば、熊野川の大雨でお亡くなりになった方も、落雷で命を落とした一人の方でも、数の問題ではなく、同じ悲しみです。運よく、直接の被害がなかった人間のするべきことは、一緒になって感傷に浸るのではなく、人災と言える原発事故において、補償に直結する責任の所在をはっきりさせる努力です。さらにデータを知りながら嘘の避難地域を設定したせいで、この先、どれだけ増えるかわからない新たな被害者の実態を把握すること、そして最も関心を持つべきは、ダダ漏れになった放射線物質の行方、収束とはほど遠い4号機のその後など、1年と言う区切りとは関係なく、本来は、政府もマスコミも国民も、現実の把握と今後の対策に一丸となるべきです。

よく日本のマスコミが指摘するように、中国では、政府の隠匿やねつ造、民間での偽物に至るまで、いくらでも批判されるような出来事は起こっています。が、それを批判する日本において、これほどまでに、何食わぬ顔で、事実を隠し、被害を隠匿し、責任者不在にし、これ幸いと増税の理由にする・・・クーデターがおきないのが不思議です。韓国・北朝鮮にはあまり興味がなかったので、スルーしていましたが、日本の在日への多額の生活補償、さらに震災の日に、日本沈没などとお祝いムードを醸し出した韓国と言う国との付き合い方もあらためて考えさせられました。震災直後の上海で私が見た韓国のニュースは、なぜか竹島の領土問題に関することでした。すべてのデータを握っていたアメリカの支援よりも、本来は真っ先に、それも巨額の義捐金を提供した台湾にこそ感謝すべきです。もちろん中台間の問題はありますが、その中国とて、震災直後には純粋なお見舞いの言葉を私の周りの中国人からもらいました。アメリカに管理され、中国に圧倒され、韓国に寝とられる・・・日本の自主独立なくしては復興後の未来など描けません。民主党がだめなのではなく、菅政権が誕生を機に民主党が売国奴に乗っ取られたことを理解すべきです。(中国人、在日と総称で呼んでは、心優しい個人に失礼ですが)

さすがに、マスコミの洗脳も見抜ける人が増えてきたとは思いますが、日本が独立してこそ真の復興が始まります。私の生活に損にはなれど、得にもならないコメントですが、日本に崩壊はすでに始まっています。


差別化なんて必要ない!当たり前が難しい!

2012-03-11 08:57:41 | 中国語
最近は、英語はもとより、中国語の需要が高まっていて、昔からの研修会社に加えて、英会話学校、語学系出版社、さらにはIT企業やグローバル人材コンサルタントを名乗る会社までが、中国語の企業研修のセールスに精を出し、クライアント先にも多い時は一日五社も売り込みがくるようです。

当然、忙しい人事の担当者からすると迷惑なわけですが、とりあえず、その会社の強みは何ですか?とは聞きたくなります。そこで問題になるのは、本来、中国語学習の基本は変わらないのに、変なノウハウやメソッドを編み出したり、Web活用で魔法の如く上達するような猫だましを強調するケースです。

さらには、その担当者は、中国でビジネスをした経験はおろか、行ったこともない場合もあり、中国を主戦場とする大手企業の社員に語学と言う武器を授けなければいけない仕事だとすれば論外です。

さらに、異文化理解が大事だからと、昔取った杵柄的に古い話をしていたり、担当の講師が中国人だからと彼らに異文化を語らせる、それは、その人が知る偏ったほんの一部の中国でしかありません。客観的なエリア分析、市場感、文革も含めた世代分析をせずに中国人など語れません。

たかが四つの声調さえ、まともに教えられないのが現状なのに、聞き流すだの、文型で覚えるだの、商談の中国語だの、頼むから基本的なことをないがしろにしないでください。

私も企業から差別化は何ですか?と聞かれ、三つぐらいは説明しますが、あまりに当たり前のことで、差別化でも何でもありません。一つ目は、中国語教育能力検定による講師品質の客観化と向上に取り組んでいること。二つ目は、社長の私はもちろん、研修の責任者が年の1/3を割いて、中国の現場を体感していること。三つ目は、営業、管理、役員、若手営業マン、さらにミッションに応じた中国語スキルを提供していること、自己紹介だけでも、社長、役員には十分なスキルになります。

どれも当たり前のことですが、特に講師の採用、教育は一筋縄には行きません。いつでもどこでも頼まれたら講師を派遣できる時点で嘘になります。考えてみたら優秀で暇な人は少ないからです。ゆえに、今年に入って研修需要は多いのですが、まずは目の前の仕事に集中したいと考えています。

大手企業と比べるとスタッフは少ない漢和塾ですが、熱意と行動力と感性の高い数人がいれば十分ですし、講師の大量生産もあり得ません。当たり前のことができない悔しさもありますが、だからこそ、中国や日本国内を飛び回り、受講生の現場を知りたいと思います。臥薪嘗胆、さて、何を舐めますか?

わずか1時間でも理解いただける中国語学習のツボ!

2012-03-06 16:02:24 | 中国語
巷には、すぐにマスター中国語や、○○時間速習中国語など、魔法のようなキャッチが踊ります。英語に次ぐ、いや、世界情勢的には英語と張り合うくらい中国語の重要性が高まるのはいいことですが、紛いなりにも義務教育で学んだ経験のある英語と違い、新たな言語をマスターするには手間と時間と努力が必要です。

されど、忙しいビジネスマンにとって、習うより慣れろ的な環境はむつかしいわけで、冒頭のようなキャッチーなアプローチに魅かれがちです。ただ、ここで問題になるのが、中国語と言う言語の成り立ちも理解せず、乱暴な意見としては、子供のように耳から!だとか、文法は英語に似ている!と言った考え方です。幼児の英語教育が盛んですが、ビジネスマンの脳は幼児とは違います。何でもかんでも記憶できるほど柔軟ではありませんが、逆に様々な経験から体型立ててアプローチや整理する力があります。

むつかしいと呼ばれる発音ですが、とどのつまりは声調と呼ばれるわずか四つのアクセントを意識することで、七割型通じるようにもなるのです。残りの三割は、英語、ローマ字の発音にないイレギュラーな発音ですが、声調を固めてから解決しても遅くはないと言えます。

私は講師の資格試験の合格ラインにまだ届かないので、自らレッスンは担当できませんが、初めて習う方の最初の一時間を頂戴しています。オリエンテーションと言うよりは、本来学力の高い大企業のビジネスマンの方に、今から学ぶ言語の特性を理解いただいています。声調言語であることを意識さえしてもらえば、ローマ字読みに近い発音記号の単語なら、一時間後に自分で発声することができるからです。ネイティブの真似を千回するより、体系立てた説明で一瞬にしてほぼ通じる中国語が完成します。あとは補正すればいいだけです。常々、講師には、「発音が難しいと受講生に言われたら講師失格」と言っていますが、目の前の受講生は講師の方々より少なくとも学力は高い場合が多いわけで、何が重要かを最初に理解いただくことが重要です。

中国語の語順も重要なファクターですが、英語を基本にするよりは、新しい言語として、基本的な組み立てを理解すればいいだけのこと。もちろん文法は奥が深いですが、シンプルなことから整理するのがプロの講師です。

先日、漢和塾で赴任前研修を御一緒した駐在員の方が、語彙力はまだ豊富でもないのですが、「発音が綺麗!と中国人社員に言われます。」とおっしゃってました。これは最高の褒め言葉です。発音における小さな自信は、その後のビジネスにおける中国語学習で貴重な存在になります。さらに、またしつこいですが、声調が、発音の良しあしの9割を決めると言っても過言ではないと思います。お金をもらったらプロの講師です。アルバイトであれ何であれ、受講生の学習のコツやツボを適切に指導いただきたいものです。

中国語のレッスン単価は、費用対効果で判断すべき!

2012-03-04 20:03:23 | 中国語
私が利用しているブログには、「マンツーマン550円の中国語」や、「できるまで無料の中国語」などの広告が差し込まれますが、細かい条件は別にして、対面レッスンでこの料金で仕事を引き受ける先生?、あるいは提供する経営者が存在することには感心します。ま、私が嫌味を言わなくても、実際にこのような仕事を受ける中国人の方が、優秀な先生である確率は、万に1人とは言えませんが、100人に1人いればかなりラッキーだと言えます。550円は極端でも、昨今は「企業研修を承ります」と強烈なアポ取り電話をかけている業者でも、中国語の企業向け講師派遣の価格が5,000円を切り、4,000円台に突入しているようで、これは弊社が提供する中国語研修価格9,000円(税別)の半分以下になります。

もちろん、中国語上級者で、環境から遠のき、「話し相手が欲しい」と言ったニーズなら教えるスキルがなくても、せめて普通話が話せればOKでしょう。ただ、その普通話さえ中国人の1割程度しか正確に話せないのが実情で、先日、講師経験者にも関わらず、あり得ない発音を堂々と普通話です!と主張する中国人もいました。

私どもで2006年から実施している中国語講師の実力試験「中国語教育能力検定」は、一般、弊社面接試験も含めて1,000人近いサンプルがありますが、最低ラインを7割に設定して合格者は50人程度しかいません。中国語のピンインについては、平均正答率が55%。中国人だからと言って、中国語を教えるレベルにほぼないわけです。さらに本来学力も高い大企業の社員に、体系立て文法を指導できるレベルとなると、さらに厳しくなります。

逆に言えば、大手語学学校で、かなりいい値段をとっているレッスンでも、実際にその価値があるかは疑わしく、極論ですが、1時間6,000円、つまり1分100円として、その先生が1分教えてくれる度に、受講生から100円ずつもらってみればどうでしょう?創業当初から検定試験や研修を繰り返してきて7年、結論としては、優秀な中国語講師は希少だと言うことです。学問的知識以外にもコミュニケーション能力まで要求されるわけですから、そんなに優秀な人が不定期な講師の仕事ができる確率はなく、社会ですでに忙しく活躍していると考えるべきでしょう。

もちろん研修単価は講師の時給ではありませんが、斡旋料でもないのです。講師の採用、教育は当たり前として、本社の責任者が客観的、あるいは時には直接、企業の受講生とつながり、学習方法のアドバイス、さらには語学以外の情報提供をどこまでできるか?企業(人事部)⇔受講生⇔講師⇔研修会社の四位一体となって初めてレッスンの価値は決まります。ま、「レッスン」と便宜上言ってますが、企業研修は、語学の指導であり、学習方法のアドバイスであり、現地についての情報提供であり、最終的には、企業人が現地でパフォーマンスを発揮できるようにするコンサルトであるべきです。理想を大きく語りましたが、現実は厳しい・・・精進します。