中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

ネット戦略の世界で、価値を失くすもの、価値が強まるもの!

2012-03-16 18:29:24 | ビジネス
ふと道を歩きながら、パソコン教室の看板を見ました。同時に手元のi-Phoneを見つめて、そのうちなくなるものの一つにパソコンがあるなあ~とおぼろげに思いました。当然、ビジネス需要も含めて、打ち込み、入力、管理のツールとしてなくなるわけではないとは思いますが、少なくとも一般人が習ってまで利用するものではなくなるだろうと。最近は名刺にファックス番号を書くのも無意味だなと思いますし、街角の公衆電話も風前の灯です。

考えてみれば、インターネットの普及により、限りなくタダに近づいたのが情報の値段であり、YouTubeなどの出現で、歌手や映画の著作権もくそもなくなりかねない状況。表面上は、世界のあらゆる情報が、掌の上の端末で瞬時に無料で手に入ってしまう。便利になった分、情報提供の価値で収入を得ていた人の多くは消えゆく運命になりつつあります。私に関係するところでは、英会話(中国語も含む)の自主学習のための通信教育などは、何万円も出さなくても、無料から高くても800円くらいでアプリとして手に入り、いずれは、そのアプリを提供する独占的な企業のビジネスモデルに組み込まれ、限りなくタダになるのではないかと思います。

もちろん、中学までの義務教育も含めて、素地のある英語の自主学習と比べて、中国語の初心者の独学は、発音・声調において、個人差が大きくなる危険性はあります。が、正しい音が身に付いたならば、自分で単語量を増やし、日本にいながらでもヒアリングを強化することは、適切なアプリをチョイスできれば実現します。ネット、スマートフォン、テレビ電話などの普及で、こと語学教育サービスにおいては、ただ講師やテキストを提供するだけではお金にならない時代がくると言うことです。

私は講師の方に次のように話します。「貴方がリアルでレッスンをしてお金がもらえる価値は、まずは初心者の発音・声調の習得において、コツを伝授し、より短期間で独学の準備を完成させること。もう一つは、学習経験者、特に中上級者の方が自主学習をする上で、壁にぶち当たった時に適切に指導してあげることです。」と・・・企業研修において、リアルの講師はなぜ必要か、逆に言えば、その価値が提供できないなら、報酬をもらうことなどできなくなるわけです。実践を積むなら、中国現地の放りこめばいいかと言うと、必ずしもそうではなないですが、日本国内で、リアルの講師がやるべきことは限定されていくでしょう。

アメリカ、特にユダヤ人が描く世界戦略に、私ごときは何一つ逆らえないわけですから、この先、何が価値を亡くし、何が生き残るのか?長年続いた英会話教室の崩壊、ネットラーニング、教材の無料化、このような激流の中で、本当に価値のある「人材」を発掘し、学ぶ「技術」を提供していく時代がやって来たわけです。語学学習市場は、ほんの一例。同じようにドラスティックにビジネスモデルが変化する事例をこの先いくつも見届けていくことになるのでしょう。