re:苦 投稿者:nothing
投稿日: 8月 1日(日)00時12分25秒
【苦】 艸部 5画 総画数 8画
■解字
会意兼形声。
古は、かたい頭骨を描いた象形文字で、かたくかわいた、の意を含む。苦は「艸+音符古」で、口がこわばってつばが出ない感じがする、つまり、にがい味のする植物のこと。
■音
【呉音】ク 【漢音】コ
■訓
くるしい, くるしむ, くるしめる, にがい, にがる, くるしみ, はなはだ
■意味
(1)にがい(にがし)。不快な味がして口がこわばる感じである。
▽甘・苦・辛・酸・鹹(カン)の五味の一つ。漢方薬の黄蓮(オウレン)や、野草の荼(ト)(のげし)の味はその代表。甘(あまい)に対する。「苦味」
「良薬苦於口=良薬は口に苦し」〔孔子家語・六本〕
「忠言逆耳利於行,毒藥苦口利於病」〔史記・留侯世家〕
(2)くるしみ。くるしい(くるし)。不快だったり痛かったりして、つらい。また、そのつらさ。「辛苦」「同甘共苦(ドウカンキョウク)(甘苦をともにする)」
(3)はなはだ。程度が激しくてひどい。しつこく。しきりに。「苦寒(ひどくさむい)」「苦求(しつこく求める)」「苦留(むりにひきとめる)」
(4)くるしむ。くるしめる(くるしむ)。痛みを感じたり困ったりして、つらいと思う。また、ひどいめにあわせる。「刻苦」
「必先苦其心志=必ず先づ其の心志を苦しむ」〔孟子・告下〕
(5)形がいびつであるさま。ごつごつしているさま。《類義語》⇒固。「苦悪」
■単語家族
枯(かわいたさま)・涸(コ)(かわいたさま)・固(こわばったさま)などと同系。
史記--留侯世家第二十五