尖閣「日本は世界一の消極平和主義の国だったが、他国並みの中道地点へ向かうようになった」米メディア

2012-09-26 | 国際

「右傾化」→「普通の国家並み」 米メディア、尖閣対立で日本側対応分析
産経ニュース2012.9.26 11:29【ワシントン=古森義久】
 米国メディアが日中の尖閣諸島をめぐる対立での日本側の対応の分析を頻繁に報じるようになった。中国への強固な態度を集団的自衛権の解禁や憲法改正への動きと結びつけ「右傾化」と単純に決めつける向きが一部にある一方、日本がついに他の国家並みになってきたとする見方が多い点で、解釈は客観的になったともいえそうだ。
 尖閣問題を機とする日本の変化については、ワシントン・ポスト(21日付)の「日本が右寄りのシフト」という見出しの東京発の長文記事が目立った。「(日本が)中国のために外交、軍事のスタンスが強硬にも」という副見出しをつけ、野田首相をタカ派と呼び中国への強い態度を「右寄り」と評しつつも、「日本はこれまで世界一の消極平和主義の国だったのがやっと(他国並みの)中道地点へと向かうようになったのだ」と強調した。
 さらに、日本の憲法や集団的自衛権の禁止が世界でも異端であることを説明し「これまでは中国との対決や摩擦を避ける一方だったが、日本国民はその方法ではうまくいかないことがわかったのだ」とも論じた。
 同紙は22日付でも「アジアの好戦的愛国主義者たち=中国と日本の政治家はナショナリズムに迎合する」という見出しの一見、日本の動きにも批判的にみえる論文を載せた。だが内容はほとんどが中国政治指導層への非難で、「日本の政治家も中国の暴徒扇動には温和な対応をみせたが、なお政治的な計算は忘れなかった」とする程度だった。
 AP通信は24日、東京発の「日本の次期政権ではナショナリズムが高まり、中国との緊迫が強まる」という見出しで、自民党総裁候補の安倍晋三氏や石破茂氏が対中姿勢を強くしていることをやや批判的に伝え、日中関係がさらに悪化する見通しを強調。しかし、同時に「日本国民全体が特に民族主義的になっているわけではない」と付記した。
 ニューヨーク・タイムズ(23日付)は「中日両国のナショナリストたちがこの領土紛争を利用している」という見出しをつけた。しかし内容は、中国側が官民で民族主義を高め日本糾弾を強めているのに対し、日本側は「第二次大戦以来の平和主義傾向のため対決を避ける様子だったが、中国側の激しい野望がそれを変えてしまった」とし、日本の対中姿勢も自衛上、やむをえずとの見方を示した。
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『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』日高義樹著《ハドソン研究所首席研究員》2012年07月25日1刷発行 PHP研究所
p1~
   まえがき
  日本の人々が、半世紀以上にわたって広島と長崎で毎年、「二度と原爆の過ちは犯しません」と、祈りを捧げている間に世界では、核兵器を持つ国が増えつづけている。アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国に加えて、イスラエル、パキスタン、インドの3ヵ国がすでに核兵器を持ち、北朝鮮とイランが核兵器保有国家の仲間入りをしようとしている。
  日本周辺の国々では核兵器だけでなく、原子力発電所も大幅に増設されようとしている。中国は原子力発電所を100近く建設する計画をすでに作り上げた。韓国、台湾、ベトナムも原子力発電所を増設しようとしているが、「核兵器をつくることも考えている」とアメリカの専門家は見ている。
  このように核をめぐる世界情勢が大きく変わっているなかで日本だけは、平和憲法を維持し核兵器を持たないと決め、民主党政権は原子力発電もやめようとしている。
  核兵器を含めて武力を持たず平和主義を標榜する日本の姿勢は、第2次大戦後、アメリカの強大な力のもとでアジアが安定していた時代には、世界の国々から認められてきた。だがアメリカがこれまでの絶対的な力を失い、中国をはじめ各国が核兵器を保有し、独自の軍事力をもちはじめるや、日本だけが大きな流れのなかに取り残された孤島になっている。
  ハドソン研究所で日本の平和憲法9条が話題になったときに、ワシントン代表だったトーマス・デュースターバーグ博士が「日本の平和憲法はどういう規定になっているか」と私に尋ねた。
 「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
  私がこう憲法9条を読み上げると、全員が顔を見合わせて黙ってしまった。一息おいてデュースターバーグ博士が、こういった。
 「おやおや、それでは日本は国家ではないということだ」
  これは非公式な場の会話だが、客観的に見ればこれこそ日本が、戦後の半世紀以上にわたって自らとってきた立場なのである。
 このところ日本に帰ると、若い人々が口々に「理由のはっきりしない閉塞感に苛立っている」と私に言う。私には彼らの苛立ちが、日本が他の国々とあまりに違っているので、日本が果たして国家なのか確信が持てないことから来ているように思われる。世界的な経済学者が集まる会議でも、日本が取り上げられることはめったにない。日本は世界の国々から無視されることが多くなっている。
 日本はなぜこのような国になってしまったのか。なぜ世界から孤立しているのか。このような状況から抜け出すためには、どうするべきか
p2
2~
 1930年代の日本は、満州で戦いを続ける一方で、1941年12月8日、真珠湾を攻撃して乾坤一擲の勝負をアメリカに挑んだが、このころアメリカでルーズベルト大統領をはじめ専門家たちが原爆をつくるために全力を挙げていることには、考えも及ばなかった。日本が現在に至るも世界の動向には疎く、日本の外で起きていることに注意しないまま、自分勝手な行動を取ることが多いが、こうした国民性は第2次大戦以前から変わっていない。

p243~
  日米安保条約のもとで、アメリカがどう考えているかということに関わりなく、アジアの人々は、日本がアメリカの一部であり、日本の国土や船舶を攻撃することは、アメリカを攻撃することだと考えてきたのである。
  日本では国際主義がもてはやされ、国際社会では民主的で人道的な関わり合いが大切で、そうした関係が基本的に優先されると思ってきた。だがこうした考え方が通ってきたのは、アメリカの核兵器による抑止力が国際社会に存在していたからである。そのなかでは日本はアメリカの優等生として受け入れられてきた。
  日本は、国際社会における国家の関係は好き嫌いではなく、損か得かが基本になっていることを理解しなければならない。国際社会における国家は、国家における個人ではない。国際社会というのは、それぞれの国家が利益を守り、あるいは利益を求めて常に混乱しているのである。国家は、世界という利益競合体のなかにおける存在単位なのである。当然のことながら、好き嫌いといった感情が入る余地はない。
  日本人は感情的であるとよく言われるが、世界を感情的に捉えて、国家を理解しようとするのは間違っている。日本人が世界で最も好かれているという思い込みは、世界という実質的な利害共同体のなかで、日本がアメリカのもとで特別な存在だったからに過ぎないことを忘れているからだと私は思う。
 p244~
  いずれにしてもアメリカの力が大きく後退し、アメリカの抑止力がなくなれば、日本は世界の国々と対等な立場で向き合わなければならなくなる。対立し、殴り合ってでも、自らの利益を守らなくてはならなくなる。そうしたときに、好きか嫌いかという感情論は入る余地がないはずだ。(略)
 アメリカの核兵器に打ちのめされ、そのあとアメリカの力に頼り、国の安全のすべてを任せてきた日本人は、これから国際社会における地位を、自らの力で守ることを真剣に考えなければならない。
 P261~
  私がこの本で提示しようとしたのは、核爆弾という兵器を日本に落としたアメリカの指導者が、日本を滅ぼし、日本に勝つという明確な意図を持って行動したことである。無慈悲で冷酷な行動であったが、日米の戦争がなければ起きないことであった。
  原爆を投下された日本は、そうした現実をすべて置き去りにして、惨劇を忘れるために現実離れした「二度と原爆の過ちは犯しません」という祈りに集中するすることによって、生きつづけようとした。国民が一つになって祈ることによって、歴史に前例のない悲惨な状態から立ち上がったのは、日本民族の英知であった。
  だがいまわれわれにとって必要なのは、原爆投下という行為を祈りによってやめさせることはできない、という国際社会の現実を見つめることである。すでに見てきたように、世界では同じことが繰り返されようとしている。
  我々に必要なのは、祈りではない。知恵を出し合って、日本と日本民族を守るために何をしなければならないかを考えることである。それにはまず、現実と向かい合う必要がある。「原爆を日本に投下する」という過ちを、二度と繰り返させないために、日本の人々は知恵を出し合う時に来ている。
 p263~
あとがきに代えて--日本は何をすべきか
  アメリカは核兵器で日本帝国を滅ぼし、そのあと日本を助けたが、いまやアメリカ帝国自身が衰退しつつある。歴史と世界は常に変わる。日本では、昨日の敵は今日の友と言うが、その逆もありうる。いま日本の人々が行うべきは、国を自分の力で守るという、当たり前のことである。そのためには、まず日本周辺の中国や北朝鮮をはじめとする非人道的な国家や、日本に恨みを持つ韓国などを含めて、常に日本という国家が狙われていることを自覚し、日本を守る力を持たなければならない。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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中国初の空母「ワリヤーグ」が「遼寧」と命名され、就役 「海軍大国」内外へアピール 2012-09-25 | 国際/中国/アジア 

      

中国の空母「ワリヤーグ」、海軍に配備 国防省発表、日本を威嚇?
産経ニュース2012.9.25 14:35
25日、中国遼寧省・大連港に停泊する中国初の空母「ワリヤーグ」(共同)
 中国国防省は25日、ウクライナから購入し、中国遼寧省大連で改修した中国初の空母「ワリヤーグ」が正式に海軍部隊に配備されたと発表した。艦名は「遼寧」で、就役したとみられる。どの部隊に配属されたかは不明。
 遼寧は科学研究・試験と訓練用と位置付けられ、実戦での戦闘能力はないとされる。だか、この時期に配備を正式発表することで、沖縄県・尖閣諸島を国有化した日本を威嚇する政治的な意図もありそうだ。中国は空母保有国として遠洋戦力の増強を図る構えだ。
 艦載機を使った訓練などに乗り出すほか、上海の造船所での2隻の国産空母建造に使うデータ収集を本格化させる。
 関係者によると、大連に停泊している遼寧の艦上で25日午前、海軍関係者のほか、国家指導者が出席する式典が開かれた。胡錦濤国家主席や温家宝首相が出席したとの情報もある。(共同)
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中国初の空母「遼寧」就役 海軍大国内外へアピール
産経ニュース2012.9.25 19:23
 【北京=矢板明夫】中国がウクライナから購入し、改修と試験航行を重ねた中国初の空母、「ワリヤーグ」が25日、「遼寧」と命名され、正式に就役した。胡錦濤国家主席と温家宝首相が同日、就役式典に参加し、艦内を視察した。10月1日の建国記念日(国慶節)と、10月中にも開かれる5年に1度の共産党大会の前に、同空母を就役させたのは、中国が海軍大国の仲間入りを内外にアピールし、国威を発揚させたい狙いがあるとみられる。
 中国国営新華社通信によると、就役式は同日午前10時(日本時間同11時)に開始。中央軍事委員会主席を兼務している胡主席が同空母の艦員に軍旗と、「遼寧」と書かれた命名証書を手渡した。温首相は国務院(政府)などを代表して、「(遼寧の就役は)全軍、全党、全国人民を鼓舞し、中国の国防力と総合国力を増強したものだ」との内容の祝電を読み上げた。軍人ではない温首相がこのような軍の行事に出席することは珍しく、中国政府が同空母を重要視していることがうかがえる。
「遼寧」は就役後、訓練用空母として使用されると伝えられているが、中国軍事科学学会常務理事の羅援少将は25日、中国メディアに対し、「中国海軍の作戦体制の空白を埋める意味があり、必要な時は実戦にも使える」と語った。
 また、同空母は当初、南海艦隊の海南島基地に配置される予定とされていたが、最近になって、北海艦隊の青島港に配置される可能性も浮上した。
 名前は、同空母が改修のために2002年から係留されていた大連港がある遼寧省から取った。これまでに「北京」「毛沢東」「台湾」などさまざまな案が浮上し、一部軍関係者は中国が領有権を主張する沖縄・尖閣諸島の中国名「釣魚島」を強く主張していた。
 中国海軍の潜水艦は古代王朝の名前「漢」「晋」「宋」などで命名されているのに対し、今後、次々と就役するとみられる空母は省や直轄市の名前で命名されるとみられる。上海で建造中の国産空母は、「上海」や「広東」などと命名されるのではないかという推測も上がっている。
 「遼寧」の就役を受け、中国は北東アジアで唯一の空母保有国となった。中国軍が最近進めている外洋拡張路線を背景に、日本などの周辺国に対し軍事圧力として利用する可能性もある。
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