新聞が消える日

2024-08-30 | 文化 思索 社会
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 新聞が消える日
 筆者は三つの新聞を購読している。最近はどの新聞も書店の危機に関する記事が多い。だが、なぜ新聞自身の危機についてはあまり報じないのか、不思議でならない。
 国土交通省は鉄道の混雑率の目安から「新聞」を削除するそうだ。列車内で新聞を広げて読む人が少なくなったからだ。新聞や雑誌の販売部数を調査する日本ABC協会という機関がある。同協会が発表した2024年上半期のレポートによると、全国紙と地方紙の全紙が前年同期比でマイナス。なかでも全国紙の落ち込みは大きい。毎日新聞と産経新聞は9月末で富山県内の配送を休止する。すでに夕刊をやめた新聞も多い。
 部数減少は昨日今日始まったわけではない。日本新聞協会のデータによると全新聞を合わせた発行部数はこの20年でほぼ半減している。同じような減少幅がこれからも続けば、あと10年から20年ぐらいでこの国から新聞が消滅してしまう。
 フェイクニュースがあふれる現代、新聞の重要性は増している。毎日、三つの新聞とネットの各ニュースサイトを渡り歩きながらそう痛感する。新聞がなくなるとマズいことになる。新聞を残すためにどうすればいいか。私たち読者も必死で考えなければいけない。(輪転機)
 2024.08.30
 中日新聞夕刊

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し

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