時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

紅雲町珈琲屋こよみシリーズ6~花ひいらぎの街角~

2020-05-22 | 読書
「小蔵屋」を営む
杉浦草のもとに
旧友・田中初之輔から小包が届く
中身は
かつて彼が書いた小説に
絵を添えた巻物
草は
その小説を
活版印刷の本にしようとして
制作を依頼した印刷会社の
個人データ流出事件に巻き込まてしまう
更に
周囲の人々の‘過去’を辿ることに…
草さんの想いと行動が
心に染みる一冊
シリーズ第6弾



今回は
小蔵屋と取引する
運送屋であり
全シリーズを通し
登場している
寺田さんの父上が
登場しました
紅雲町の隣の市で
40年前から
和風フレンチレストラン
「ポンヌフアン」を営む
バクサンこと
寺田博三です!
草さんの
珈琲の師匠でもあり
元旦那・村岡透善とも懇意

元旦那・村岡透善は
戦後まもなく
芸術家集団「天」を率い
物心両面から支援した
清本旅館(洋館ホテル)のオーナー清本高哉と
才能ある若い芸術家を集めた
高透芸術村を
作ろうとしていたそうです
(結果的には資金難等々で頓挫しております)
バクサンは
そのメンバーのひとり
小説家を目指していたようです
(才能もあったようですが家庭の事情で現在に至っております)
そして
もう一人が田中初之輔さん
彼もまた…

突然
初之輔さんから
自身の思い入れのある作品
『香良須川』絵巻の
上下巻が
草さん(下巻)
バクサン(上巻)の元に
送られてきたのです
今頃何故?
二人は
初之輔さんの意図を
あれやこれや考えます
因みに
σ(^_^;)は
単に
初之輔さんが重い病で
形見分け?
と思ってしまいました

これを切っ掛けに
数十年ぶりに
三人は再開!
初之輔さんしては
絵巻をどうしても
処分できず
当時の思いを知っていくれている
草さんとバクサンに
『香良須川』絵巻を
持っていて貰いたかったみたいです
良い作品なのに
このまま埋もれてしまうのは
余りにも残念と
草さんとバクサンは
絵巻を自費出版することにします
その過程で
地方大手のアルファ印刷工業と
下請けの萬來印刷の
個人データ流出事件に
巻き込まぅったわけです!

そして
情報流出事件には
縁故就職
家族内の確執等々
他者が介入しにくい
事情がからんでおり
草さんも
分かっちゃいるが
どう切り込むべきか
スルーしようと
思いながら
結果的に
巻き込まれ
ついでに?
小蔵屋の店員
久実ちゃんこと
森野久実のお見合い騒動も勃発!

色んな事が
白黒はっきりできれば
苦労はしないんだけど
どうしても出来てしまう
白でも黒でもない
灰色の領域を
折り合いをつけながら
どこかしらに
落としどころをみつけ
生きていくのが
人間なんです

うんうん

さりとて
結論がでたらかって
真実が分かったからって
気持ちが
晴れるわけでもない

今回
唯一救われたのは
半世紀以上の時を経て
『香良須川』絵巻が
私版化されたって
事ですかね
萬來印刷の職人
小林晴秋さんによる
和紙に
活版刷りされた
風情ある
素敵な仕上がりみたいです
初之輔さんも
それはそれは喜んでくれて…

「ポンヌフアン」で
『香良須川』出版の
お祝いをかねて
三人で会う日から
遡ること幾日前
初之輔さん経由で
茶封筒がが届いていました
中には
草さん宛ての
古い手紙の束が
届いていました
差出人は
元旦那
村岡透善

どうなる次回!?

そうそう
久実ちゃんのお見合い話は
なしになりました!

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