時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

紅雲町珈琲屋こよみ1~萩を揺らす雨~22 

2015-06-11 | 読書
観音さまが見下ろす街で
コーヒー豆と
和食器の店
「小蔵屋」を営む
気丈なおばあさん
杉浦草

人々を温かく
見守り続ける彼女は
無料の
コーヒーを目当てに訪れる
常連たちとの会話がきっかけで
街で起きた
小さな事件の存在に気づく



先月放送された
NHK特集ドラマ
紅雲町珈琲屋こよみ の原作です

「小蔵屋」の女亭主
バリスタ杉浦草さんは
男物の
黒いコウモリ傘を
晴雨兼用の傘と杖代わりに
日頃から愛用し
空き缶や
ゴミを拾いながら
河原の祠と
丘陵の観音
三つ辻の地蔵に
手を合わせるのが日課
古き良き時代の
凛とした
粋なご婦人です

若い頃
熱烈な恋愛の末に
家族の反対を押し切り
山形の旧家に嫁いだものの
29歳で離婚
息子・良一をもうけますが
嫁ぎ先で
育児をさせて貰えず
なんと
屋敷の離れに隔離させられ…
しかも
一方的に
離縁を切り出された
その時すでに
後妻も決まっていた
と言うから
酷い話ですわ~

まだあります!
嫁ぎ先に
良一を
取り上げられただけでなく
3歳の時に
その良一が
用水路で溺れて亡くなります

実家に戻り
両親と家業を手伝うも
両親亡き後
65歳の時に
古い民家から古材を譲り受け
「小蔵屋」を
新装開店しました
現在76歳

今でも
事あるごとに
良一を思い出しては
何故あの時
引き取らなかったのか
引き取っていたら
死なせずにすんだろうに…
と後悔の念と
罪の意識に苛まれています

人生の
酸いも甘いも経験した
草さんの
生きる姿勢に価値観に
ほっこりしたり
感傷的になったり
元気づけられたり…

連日
殺伐とした
事件が報道され
心が荒んできそうな
σ(^_^;)でしが
一時
そんな現実からの逃避に
もってこいの
作品でした

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