時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

千里眼の復讐

2008-09-15 | 読書


久しぶりに
本のコメント
書いてみようかと…

松岡圭祐氏の
千里眼クラシックシリーズ第4弾
「千里眼の復讐」
今回も
水野美紀さんをイメージしながら拝読

「千里眼 運命の暗示」で
中国13億人を一斉に操り日本侵攻に向かわせる
メフィスト・コンサルティングの集団マインドコントロールを阻止
日中開戦を回避した岬美由紀だったが
散々暴れまくったものですから
すんなり帰国できるはずもなく
南京国際戦争監獄に収監されてます

刑期は200年…

そんな美由紀に
提示された恩赦の条件は
香港・大埔で発生している謎の連続失踪事件解決

大埔心和身體的護養所を訪れた美由紀が見たものは
脳梁切断手術を施された人々と
無残に朽ち果てた死体の山だった

しばしば護養所に往診に訪れていた
女医・邸新玲(テイーシンリン)の診療所に踏み込み
そこで見たものは
東京湾観音事件の主犯・友里佐知子の写真…

国外逃亡を図る友里佐知子を
香港国際空港
ブリティッシュ・エアウェイズ機内に追い詰めた美由紀だったが
自爆の道を選び
なんの痕跡も残さず
この世から
自らの存在を抹消した友里佐知子

誰しもが
友里佐知子の死を確信していた
そう…
岬美由紀を除いては!

友里佐知子は死んではいない!
新たな陰謀を察知し
東京に戻った美由紀を
トンネル崩落事故が襲う

「恒星天球教がお送りするイリミネーションの儀式
 ここ山手トンネル避難通路にて、間もなく開始されます」
恒星天球教最高統括幹部・鬼芭阿諛子(きばあゆこ)の声が響いた

次々と送り込まれる
殺戮者イリミネーターと
生死をかけた
二千百十八人と壮絶な死闘が始まる

そして
岬美由紀は
イリミネーションの儀式に隠された
友里佐知子の真の目的を突き止める


クラシックシリーズなので
新作シリーズの年代から
若干過去に遡ってます

「千里眼 シンガポール・フレイヤーズ」では
ノン=クオリアと言う
謎の組織が新たに登場し

メフィスト・コンサルティング
ノン=クオリア
と言う
とんでもない組織との戦いを前に
友里佐知子が立ちはだかるとはね~
そっか そっか~
因縁の対決がまだ残っていたんだったね~

そうそう
今回も
希少金属
‘ゼフテロシウム’を巡り
メフィスト・コンサルティングが
しっかり絡んできてます

臨床心理士として
平常勤務の出来る日が訪れるのは
いつのことやら…

「千里眼の復讐」は
これまでの作品と違って
一般人が
脳梁切断手術を受けたイリミネーターと
生死をかけた死闘
‘殺し合い’を繰り広げます
美由紀自身も
躊躇なく殺戮を実行します

そう言う意味では
グロテスク度が強い
斧とかチェーンソーが出てくるので
スプラッター度も高い作品になってます

ズバ抜けた身体能力が
更に
極限を超えパワーアップ
今まで以上の超人さを発揮する
岬美由紀なのでありました

14歳の少年・日向涼平との
28歳岬美由紀の
恋話もあったりします

事件集結後
独り訪れた
横浜の山手トンネル

この場面は
己こそが
真の千里眼であると過信したがゆえ
致命的なミスを犯した友里佐知子
その彼女の総体能力を
岬美由紀が超えた
と思える場面と言えるかも!?


美由紀の携帯が鳴る

電話の向うから聞こえる
蒲生の緊迫した声


「友里が現れた きみの言ったとおりだな やっぱり死んでいなかったんだ」

そうだろう
きょうはあの忌まわしい事件の日から四十九日目
友里は宣言どおりに姿を見せた

四十九日
酔狂ではない
あの女のやることには
必ず意味がある
わたしは
その謎をも解いている

すべての兵隊を失い
いまや単独の存在となった凶悪犯・友里佐知子
もう誰も殺させやしない
あの女のためにひとりの命も失わせやしない
そして
わたしが
友里の暴狂の人生に終止符をうつ

どれだけ運命に弄ばれようとも
挫けない
いまのわたしには
友里の心が読める
宿命の戦いに
わたしはすべてを捧げる

                 『千里眼の復讐』より抜粋



今月25日には
最新作「千里眼 優しい悪魔」(上・下)が発売されます

美由紀vsダビデ 最後の対決

こちらも楽しみです



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