時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

Sweet Rain 死神の精度

2008-09-16 | 映画


死神が現れるのは
人が不慮の死を迎える7日前
観察期間の後
「実行」か「見送り」かを判断するのが任務
楽しみは
CDショップ‘ミュージック’を聴く事



今日の「ターゲット」は
27歳の一恵
家族を亡くし
恋人にも先立たれた薄幸の女性



しかし
ひょんなことから
音楽プロデューサーが彼女の声に惚れ込み
歌手にならないかとスカウトされる
一恵の将来を期待し
死神は死を「見送り」にする

そして
死神は
今日もまた
新たな「ターゲット」元へいく為に
人間界への扉を開けるのであった



「死神の精度」は
伊坂幸太郎氏による
死神を取り巻く6つの人生の物語

映画化にあたり
「死神の精度」の主人公・藤木一恵
「死神と藤田」からは中年のやくざ藤田
「死神対老女」では70歳の老女となった藤木一恵が再び登場する
オムニバス形式のストーリー構成となっている



死神
人間界での人間名は‘千葉’
調査部員として人間の世界に派遣されると
「ターゲット」である人間を
7日間にわたり観察し
死の判定をするのが任務

「実行」判定が下されると8日目に
「ターゲット」は現世を離れ
「見送り」判定が下されると
「ターゲット」は天寿を全うするシステム

ちなみに「見送り」は極々希



‘千葉’は
人間界で言う‘雨男’らしく
仕事で人間界へ赴くと必ず雨が降る
故に
青空と言うものを見た事がない

調査部員は他にも結構沢山存在しており
一様に皆
ミュージックをこよなく愛している
なので
CDショップに行けば
必ずと言っていいほど同業者の死神と出会う



常に人間界にいる訳ではないので
若干言語理解に難あり
特に
‘ナンパ’と‘難破’
‘醜い’と‘見にくい’
と言うような同音異義語に弱い

また
死神が素手で人間に触れると
人間は気絶し
寿命も一年間
縮まってしまう特性を持つ



前もって情報を
インプットしていなかったとは言え
想像していた展開と大分違っていた

金城武さんが
主演である条件を呈示され
伊坂幸太郎氏が映画化を了承しただけあって
死神役の‘千葉’を
金城武さんは好演していると思う


だからと言って
金城武さんが
この作品の出演をOKしたのか…疑問

「傷だらけの男たち(傷城)」
「レッドクリフ(赤壁)」と
硬派なキャラターが続いたから?



最後の「ターゲット」として
70歳になった藤木一恵と
再び‘千葉’が再会するのだが

見事な程
若かりし頃の
藤木一恵のキャラクターが欠落している

歌手となり
その後
結婚し子供も授かるが
やっぱり生まれ持った宿命から逃れることは叶わず
夫に先立たれる

自分が愛さなけれは死ぬことはない

そう確信した彼女は
あえて子供の育児放棄を決意
美容師の資格を取り
独りで生きてきたらしい

それにしても
富司純子演ずるかずえは
ちゃきちゃきの江戸っ子風になっており

違和感…



それに
藤木一恵の判定からやくざ藤田
そして老女となった藤木一恵の判定にいたるまでの
時の流れが唐突

人間界に向かう扉のシーンで
年月の経過を表現したつもりなんだろうけど微妙…

どのエピソードも
中途半端で
全体的に締まりのない
だらだらと状況説明しているだけに
留まっている的な印象だけが残った





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