時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

孤高のメス 外科医当麻鉄彦 第1巻 15

2010-01-25 | 読書
当麻鉄彦は
大学病院を飛び出したアウトサイダーの医師
国内外で腕を磨き
一流の外科医となった彼は
琵琶湖のほとりの民間病院で
難手術に挑み患者達の命を救っていく
折しも
大量吐血して瀕死の状態となった
「エホバの証人」の少女が担ぎ込まれる
信条により両親は輸血を拒否
一滴の輸血も許されない状況で
果たして手術は成功するのか!?


海堂尊氏の医医学ミステリーは
基本的に
高度な医療技術を持った真っ当な医師が
真摯に医療現場の現状に憂い
思考錯誤&苦慮しつつも
権力に立ち向かい
正義を貫こうとする
前向きな人物が幅を利かせており
読んでいても気持ちが前向きになれるのですが

ハハハ…
大鐘稔彦氏の描く
医療現場は
別の意味で惨憺たる状況です
瀕死の医療現場
派閥争いに固執し
私利私欲の手段として
医師業務をこなしている
腹の立つ医者がわんさか登場しております
医師免許剥奪しろ~
みたいな…
ムカつきながら読みました

患者をないがしろにし
体裁を繕うことだけに固執する
しょ~もない医師達
読んでいて
はらわた煮えくり返りますね~
こんな医者
本当にいるんでしょうか
いるんでしょうね~
きっと…
いや
いるんです!

因みに
以前
勤務していた職場の
小生の知っている医師たちは
少なくとも
現場では
真剣に患者さんと向き合ってました

常に最先端技術を追い求め
専門分野を極めるのか
総合的な医学的知識&技術を会得し
地域医療に取り組むか
このスタンスの違いが
医師として
後の人生を大きく影響することになる

ん~
興味深いです

医学部で6年勉強して
それから2年という臨床研修期間で
内科・外科・産婦人科・小児科をはじめ
全科をまわるのは無理だろうて…
本当に
表面をサラっと撫でた感じで終るだけのような気がする

ゆくゆくは
地域医療の道に進みたいと
あらゆる科で
研修をした人物の特集をテレビで見た記憶がある

内科・外科・小児科・婦人科・神経科・麻酔科等々
網羅するにも10年がかり…
当然の事ながら
周囲の目は冷たい
同期は出世していくし
研修時には
年下の若者が多くなる
それでも
地域医療を志すためには
長期にわたる
臨床現場での研修が不可欠なのです
と彼は言い切った

医療の道というものは
本来
最も崇高な道であって欲しい
医師や看護師には
医学の発展の影で
犠牲になった動物たち
治験に参加してくれた方々
献体として身を捧げて下さった方そしてご家族
その命の重さを忘れず
常に真摯な態度でいて欲しい

また
そうした精神状態で
現場のスタッフが
患者と向き合えるよう
バックアップ体制を整えなければならない

営利目的に走る医療は
必ず破綻することを
忘れてはいけないと思うのであります

って
本の感想になってないじゃん…

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