時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙16 ~蛍火ノ宿~45

2010-03-28 | 読書
夕涼みの日々が続く
江戸深川六間堀・金兵衛長屋
相も変わらぬ浪人暮らしの坂崎磐音だが
今津屋吉右衛門の亡き愛妻・お艶の三回忌法要を前に
小田原脇本陣・小清水屋の次女であり
吉右衛門の新しい伴侶となるお佐紀が
江戸にやって来参ります
しかし
お佐紀の表情が暗い…
鎌倉の地から出奔した姉のお香奈と大塚左門が
江戸で住まうようになったは良いが
何やら厄介事に巻き込まれたらしく
金銭を無心してたと言う

祝言後
今津屋にまで迷惑が及ぶのは困ると
お佐紀の心労を気遣う坂崎磐音は
思いあぐねた末
お艶様も許してくれるだろうと
三回忌法要を欠席
単身
お香奈と大塚左門の元へ向います

と同時に
吉原の白鶴に身請け話が…

最後の最後まで
坂崎磐根音ってお人は…


落籍出来るのは目出度いさ
それも
その相手は
お武家さんではなく商人
奥州山形藩内・紅花商人・前田屋内蔵助
推定年齢38歳

女嫌いを通してきた仕事一筋の内蔵助が
初めて惚れたのが白鶴大夫らしい
この内蔵助とやらは
商人としての腕だけでなく
絵も描けば和歌も詠む才の持ち主
人格人柄も申し分ないとのこと

武家の娘として
苦難の道を選ばざるを得なかった奈緒にとって
武家に身請けされるのは
絶対避けたかったのではないだろうか
何気にこの内蔵助とやらが
磐音に似ているらしい…
そこが最大の要因だったりして…

ですが
辛いです
相思相愛だった二人が
こうも無残に別々の道を歩まねばならないとは…
最後の最後まで
奈緒を守りきった磐音の男気…


障子を隔て
決して互いに姿をあらわさなかった二人ですが
吉原から千住大橋へと
余りにも
短かい道中でしたが
それでも
磐音と奈緒が共に手を携え歩けて良かった

奈緒の手を内蔵助に手渡し
「末永く幸せにお暮らしくだされ」
と踵をかえして立ち去る磐音に

「磐音様、おこんさんを大切にしてあげて下さいませ!」
と奈緒の声が響く

影から自分を見守っていてくれる人がいる
恐らく磐音と解っていたのでしょう
そして
おこんさんのことも…

この別れの場面
泣ける…

ところで
色濃いに疎い磐音ですが
吉右衛門&お佐紀の祝言を前に
その仲人探しにも一役かっております
疎いくせに…
次巻『紅椿ノ谷』では
やはり祝言がメインなのか?


明けても暮れても
『居眠り磐音 江戸双紙』
近頃は頻繁に
時代劇の夢を見ます
夢の中で
髷姿のお武家さんが戦ってます



この記事についてブログを書く
« エンジェルの滝 | トップ | Endless SHOCK 8 »
最新の画像もっと見る

読書」カテゴリの最新記事