時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

剣客商売十六(長編)~浮沈~58

2014-12-28 | 読書
深川十万坪
暗夜襲撃
浪人・伊丹又十郎
霜夜の雨

霞の剣

小兵衛は今も時折
二十六年前
門弟滝久蔵の仇討ちに立会った際の
相手方の助太刀
山崎勘介との死闘を思い出す
生きていれば
名ある剣客になっていたろうに


そんなある日
蕎麦屋で見かけた
崩れた風体の浪人は
敵討ちを成就し
名をあげたはずの滝だった
そして
その直後
奇しくも小兵衛は
清廉に生きる
山崎の遺児
山崎勘之助に出遇う
老境の小兵衛が
人生の浮沈に深く思いを馳せる



遂に
最終巻
読み終えてしまいました
ブログにアップしたのは
本日ですが
読み終えたのは
実は
今月の十日前後

久しぶりに
一気に
読みふけった
全十六巻
早かった~~
これ以上
剣客商売の世界に生きる
搭乗人物達の未来を
垣間見る事が
出来ないのかと思うと
寂しくて仕方ない

父の仇を打ち
故郷でつつがなく
暮らしていると思われた
門弟滝の
見る影もなく落ちぶれ
その上
悪事に加担しているらしい

そんな滝を
小兵衛は
苦渋な面持ちで見つます
肩や
助太刀とは言え
父を成敗してしまった
敵・小兵衛に対し
潔い態度で
対峙する
山崎勘之助

根岸流手裏剣の達人
杉原秀と
深川の州崎弁天社の脇で
辻売りの鰻屋をやっている
又六とねんごろになり

十代将軍
徳川家治は
遂に病没
田沼意次の権勢も
此処に終止符が打たれます

かつて
小兵衛が世話になった恩人
鮫ヶ橋表町に住む
金貸し・平松多四郎が
罠にはまり
斬首
その原因が
門弟滝久蔵…
多四郎の一子・伊太郎の
助太刀として
滝の前にはだかるのか!?

様々に絡み合った
人間模様が入り乱れた展開を
秋山小兵衛が
どう治めるのか
何処に
どう落とすのか
いや~
お見事でした
秋山小兵衛の
剣客として
人としてのぶれる事のない
生き様が
集約された至極の一冊でした

栄枯盛衰
秋山小兵衛の人生に
寄り添えて
幸せでした

小兵衛が
最後に見せた
無外流・居合のうち 霞の一手
大治郎は
父の大きさを
今更ながら見せつけられます

秋山小兵衛の生き様は
大治郎
そして小太郎と
脈々と
継承されていく訳ですが
それが
もう読めない!
それも
寂しい

剣客ロス!?
いえいえ
目の前には
年末年始に向け
読もうと
買い求めた文庫が
山積みです

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