時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

螺鈿迷宮 9・10

2010-01-17 | 読書
幼い頃
両親を事故で無くし
その事故で受け取った
遺産をすり減らしながら
東城大学医学部の学生として
ぼ~と生存している男がひとり

いる

彼の名は‘天馬大吉’
ついたあだ名は
‘アンラッキー・トルネード’

医学部在籍6年目にして
今だ3回生の段階で足踏み状態
雀荘に入り浸る堕落した日々を送っておりましたが
ひょんなことから
百万という借金を背負い込み
その返済目的のため
ついでに
幼馴染の別宮葉子に強制された
取材も兼ね
碧翠院桜宮病院にボランティアとして
潜入する羽目になった

ハズだったのに
何故か
入院患者として長居することになる

光あるところに影あり
寄り添うように共存してきた
東城大医学部と桜宮病院が
袂をかけたとき
その悲劇は始まった…



『ジェネラル・ルージュの凱旋』
『ナイチンゲールの沈黙』で
ジェネラル・ルージュこと速水晃一が君臨する
東城大学医学部付属病院救命救急センターで
不気味な逸材?として異彩を放った姫宮が
満を持しての登場です

求める理想
目指す頂点が同じでも
見る方向によって
そのアプローチの方法によって
互いに相容れない
存在となってしまうという

より良い医療を求め
試行錯誤を繰り返す過程において
生じる歪み

考えちゃいますね~

生あるものは
必ずその終末を迎える
人の死を前にして
医療はどうあるべきなのか

医療とは
生きる者にも
その人生終えた者にも
等しく平等に対峙すべきなのではないのか!?

人はどう生き
どう死ぬべきなのか

切実な問題ですよ

一見
何の関係もない
人畜無害な天馬大吉が
実は
碧翠院桜宮病院の闇
いや
今回の発端となった事件と
深く繋がっていたという
展開にびっくり!

天馬大吉が
実は
‘アンラッキー・トルネード’どころじゃい
‘ラッキー・トルネード’だったという落ちもいい!
更に
この事件を通し
天馬大吉自身が自分と向き合い
己の進むべき道を見定め
こうありたいと思う人間像を
抱くことが出来たのが嬉しい

一件落着と思えたが

『詰めが甘いのよ…』
と謎の言葉を残し
町を出るすみれ
いや‘レディ・リリィ’こと
桜宮小百合の存在が
なんともまぁ~
怖いと言うか楽しみと言うか…

七転び八起き!
ただでは起きない友里佐知子とだぶる…


そうそう
田口公平先生は
最後の方に
チョイと登場します
不定愁訴外来責任者として
良い仕事してまっせ~

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