落下する花 - 月読 - 15

<落下する花>
月読（つくよみ）
それは
人が亡くなると現れる‘月導（つきしるべ）’に込められた
死者の最期の思いを読み取る特殊能力者だ
投身自殺した
女子大生の月導に残されていた殺人の告白
それは
若者たちの錯綜する思いが招いた悲劇だった

太田忠司氏の
「月読シリーズ」？「朔夜一心シリーズ」？第2弾
表題作「落下する花」他
「溶けない氷」「般若の涙」「そこにない手」が収録された
短編集でございます

「そこにない手」では
『月読』に登場した河井寿充刑事が
再び登場
事件に関係した結浜西高校の生徒たちは
今回の短編集には登場しないまでも
それぞれの人生を歩んでいるような感じでした

何故
‘月導’と言う現象が現れるのか
‘月読’の存在その意義とは

依然
解明されていない
不可思議な現象と存在
物語全体を包み込む
独特な世界観そして空気感
殺人・自殺色々な事件が起こります
人の愚かさ優しさを感じつつ
今回も
一貫して
穏やかな時が流れています