パレード 12

上辺だけの付き合い
それくらいが丁度いい

都内の2LDKマンションに暮らす
男女四人の若者達
映画会社勤務の伊原直輝
イラストレーターの相馬未来
フリーターの大河内琴美
大学生の杉本良介

それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも
‘本当の自分’を装うことで
優しく怠惰に続く共同生活
そこに男娼の小窪サトルが加わり
同じ町では
連続暴行事件が起こり始める
そして彼らの日常に
小さな波紋が拡がり始める



林遣都くんが
サトル役で出演しているので見てみました

拙者には
絶対出来ないっ～か
絶対やりたくないルームシェア（笑）
身内ですら嫌なのに
他人と共同生活するなんて…
その上
一部屋を二人でシェアしての4人暮らし…
プラス男娼サトルの乱入
ありえん



でも
ルームシェアって
イマドキのライフスタイルなんでしょ？

共同スペース以外に
二部屋しかないのに次から次へと
人が部屋から出てくるは
玄関から入ってくるは…
訳解らん

彼らの他愛のない会話とか
行動が淡々と映像で流れ
時折
個々の日々が多少クローズアップされる感じです

何なの
この妙な若者たち
何なの
この2LDKの空気感



親密な友達なのかと思いきや
サトルに
‘薄っぺらな関係’と
一刀両断
瞬時にその関係を見破られるのであります

何をしたいの？
何を伝えたいの？
何なの何ナノ
背中がコソバユイ感じ
薄ら寒い感じ

リアル感がなさそうで
実は
物凄くリアルな色彩を放っている
引き込まれた



‘希薄’でありながら‘濃厚そうな’彼らの関係
繋がっているようで実は繋がっていなさそう
ルームシェアしているようで
実は
それぞれが透明人間みたいな存在
日々の生活・人生を
ことなかれ主義・日和見主義で過ごしていた4人の若者
そんな彼らの空間に
風穴を開けるように現れたサトル

サトルの登場により
4人の微妙なバランスが崩壊するかと思いきや
何なのあの落ち…
あれが現実なのかも…



最終的に
5人が集う2LDKは
今の日本社会の縮図を描いていると感じた
見ている最中感じた
背中のコソバユイ感じやら
薄ら寒い感じは
その辺りからだろう

総てが真実であり嘘
総てが現実であり虚空

この世界

怖い

実は恐ろしい


　　　　　　　　　

行定勲監督が表現する
映像美しさ色彩美は
この作品でも堪能できますが
描いた世界は
これまでの監督作品とは
明らかに異質です

小窪サトル…林遣都
伊原直輝…藤原竜也
相馬未来…香里奈
大河内琴美…貫地谷しほり
杉本良介…小出恵介

良かった～

原作読んでみます