時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

獣の奏者I I 王獣編

2009-09-21 | 読書
王獣保護場で
傷ついた王獣の仔・リランに出会ったエリンは
リランを救いたい一心で
献身的に治療にあたり
その成り行きで
王獣を操る術〈操者ノ技〉を見つけてしまう
四年の月日が流れたある日
エリンは霧の民から

‘決して人に馴れない獣 
  決して人に馴らしてはいけない獣’

その王獣を操ることは
大いなる災いを招く

と警告を受ける
警告を甘く考えていたエリンだが
やがてその理由を身をもって知ることとなる
王国の命運を賭けた争いに巻き込まれていく中
エリンは
真王の護衛士の一人・イアルと心を通わせていく


過去の封印された出来事が明らかとなり
人として
医術師として
新たなる岐路に立たたされたエリン

先代が犯した過ちを
再び繰り返すのか
はたまた
失敗から学んだ事を活かし
闘蛇と王獣
そして人が共存出来る
より良き未来を創造出来るのか

闘蛇の攻撃を前に
死を覚悟したエリン元へ
解りあう事などないと思われた
王獣・リランが舞い降り
そして
エリンと共に
再び天空へ羽ばたいて終わる‘王獣編’

読み応えありました!
通常ですと
主人公・エリンとリランは
唯一理解しあえる存在設定になりがちですが
この作品は違います!

心を通い合わせようと
常に試み
繰り返す努力を続けたエリンの思いが
ラストでホンの一瞬だけ報われます

それは
‘わずかな接点’そして‘不確かな光’

エリンの置かれた立場は
いよいよもって
過酷なモノとなりそうです

ドキドキ