時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

エンドゲーム -常野物語-

2009-09-10 | 読書
『あれ』と呼んでいる謎の存在と
闘い続けてきた拝島時子
『裏返さ』なければ
『裏返され』てしまう
『遠目』『つむじ足』など
特殊な能力をもつ常野一族の中で
最強といわれた父は
遠い昔に失踪した
そして今
母が倒れた
ひとり残された時子は
絶縁していた一族と接触する
親切な言葉をかける老婦人は
味方なのか?
『洗濯屋』と呼ばれる男の正体は?
          
不思議な力を持つ一族を描く
常野シリーズの第3弾です
 
           「BOOK」データベースより引用


時の流れと共に
常野の一族の有り様が
随分と変化が見受けられます
一族が細分化されたのか
実は
常野一族同等の力を持ちつつ
反目し合う別の一族が存在していたのか
とても不透明で危ういのです

一族の純粋で崇高な精神は
姿を消しております
登場人物は
それぞれが
思い思いの正義を自己主張し
互いの存在を
否定し続けます

新しい生活を始めることになった
時子と母
一見メデタシメデタシなのですが
実は
『洗濯屋』による
半永久的な『洗濯』(要は洗脳)が行われう
常に監視されながら
生きていく事になる訳です

父親が生きているにも関わらず
時子達の中では
‘失踪→死亡’と言う情報が
他者の力により
意図的にインプット(書き換え)されてしまいます

人々を
裏方として見守る
精神性の高い常野一族の末路が
こんな事で良いのでしょうか

小生が勝手に
常野一族を
聖人集団のように
思い込んでいるから
こんなに凹むのでしょうか…