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追悼 永島慎二

2005-07-06 23:06:53 | COMIC
青年漫画の“教祖”、永島慎二さんが死去 (読売新聞) - goo ニュース

漫画家・永島慎二が亡くなったとのことです。

永島慎二の漫画を初めて読んだのは小学校3年のとき。当時手塚治虫ファンだった私は書店で雑誌「COM」を見つけ、手塚の「火の鳥」を前面にフューチャーした雑誌だったので、驚喜して買ったのでした。「COM」といえば、漫画家志望の若者が読むカルト系雑誌で、小学校低学年が読むようなものではなかったのですが、ませガキの私は精一杯背伸びして定期購読したのでした。
そこに載っていたのは石森章太郎の「JUN」だったり、永島慎二の「フーテン」だったり、いわゆる青年漫画というやつでした。それまで読んでいた「オバQ」や「おそ松くん」とは異なる漫画がそこにあり、私はその妖しい魅力に心を奪われました。
「フーテン」は「青春残酷物語」という副題を持つ文字通りの青春漫画で、主人公の漫画を描けない漫画家長暇貧治(ダンさん)をはじめとするフーテンたちが新宿で繰り広げる若い狂騒は、東京都下の片隅で田園的な少年時代を過ごした私にとって、まさにファンタジーでした。フーテンとは「通常の社会生活からはみ出して、ぶらぶらと日を送っている人」という意味で、昭和30年代というか'60年代前半の社会現象だったようです。永島氏自身もフーテン生活を送っていたということで、この作品はおそらくは彼の体験をベースに、彼の分身・ダンさんを狂言回しとして、様々な青春群像を描いたものだったのでしょう。貧しくも純粋な若者たちが色々と登場しますが、なかでも、コート氏という東大中退のフーテンがサブキャラで登場していて、私はサングラスにコート姿の渋い彼に非常にあこがれました。「いつかボクも東大に入って中退するんだ」と変な将来を夢見たりしました。
画像は、よっぴて騒いだ後、新宿の夜明けを見つめるフーテンたち(右から7人目がダンさん。左から4人目がコート氏)です。私はこのシーンが大好きで、大学時代、夜どおし新宿で飲んだ早朝、同じような風景を見て、「フーテンの新宿の朝だ!」と感動したことがありました。朝もやの中、新宿の街を、灰色の空を指して鳩が飛んでいました。

ダンさん、冥福を祈ります。

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