快適な団地生活を求めるブログ人

府中日鋼団地での快適な団地生活を続ける為の、ノウハウあれこれ。

耐震診断調査について、管理組合からのあきれた回答

2014-09-15 23:06:22 | 建替え関連の情報

 最近、緊急課題である「議決権行使書の事前確認」の対応

に忙しくて遅れましたが、先に提出した、「耐震診断調査に

対する追加作業実施依頼の件」の質問状に対する回答が

8/28付けで来ておりましたので報告します。

 正確を期す為に、以下に内容の全文を公開します。

『・平成20年の耐震診断ではラーメン構造でNGが出たので

壁式構造の2次診断は中止したものと考えられます。

・当団地に11棟あるラーメン構造の3LDKにおいて耐震強

度不足の判定が出ていることは壁式構造の2次診断の結果

に係わらず、日鋼団地全体としては耐震強度不足と受けと

めます。

 又、実施計画案に掲載した写真にあるように、3LDK住戸

内の中間大梁において、梁底がはつられ下端の鉄筋が露出

している事象を確認している多数の住戸があるという事実が

あります。

 この事象は20年の耐震診断には盛り込まれておらず、当

団地の施工に不安を抱かざるを得ないものです。これは団

地全体702世帯すべてにかかる不安事項であり、全世帯

が一緒に取り組まねばならない課題です。

・よって現理事会としては、組合員が建替えの可否を判断す

るうえで、平成20年の調査は必要十分な結果であると認識

しています。つまり、壁式構造である3DKで更に2次診断を

実施したとしてもラーメン構造である3LDKの診断結果が変

わらなければ、当団地が抱える課題の根本的な解決にはな

らないため、3DKの二次診断を追加で行う必要はないと現

理事会は判断しています。

・もし壁式構造の二次診断結果で、一次診断結果がクリアさ

れれば、長期修繕計画案上の耐震費用を軽減できる余地が

あると言えるが、それは費用の精度の問題であると考えま

す。

・費用の精度の問題に踏み込むとすれば、二次診断のこと

だけでなく、全棟の耐震診断、補強方法、その他諸々のこと

について踏み込むことになります。

・これは、長期修繕計画案の継続的見直しの課題であると

認識しています。』

いかがでしょうか?何とあきれた回答と思われませんか?

少し長くなりますが、これに反論を加えたいと思いますので、

お時間のある方は暫くお付き合い願います。

国土交通省の発行している「マンションの建替えか修繕か

を判断するためのマニュアル(平成22年7月改訂)」のI-1.

マンションの老朽度の判定 (1)耐震性の中にある、「●耐

震診断について」によれば、「耐震診断は建物の規模や構

造形式に応じて適切な診断手法としますが、原則として第2

次診断以上とします。」とあります。

又、同、「マンション耐震化マニュアル(平成26年7月再改

訂)」の2.2.4耐震診断の(2)予備調査の項を見ますと、

「⑤診断レベルの設定」において、以下の様に記載されてお

ります。

「第1次診断法は極めて簡易な診断法であるため、耐震

性能があると判定するための構造耐震判定指標Isoの値が

2次診断法・第3次診断法よりも高く設定されている。

したがって、壁式構造を除き、第1次診断法で耐震性能が

あると評価される例は少なく、第2次診断法または第3次診

断法により耐震性能の評価を行うことが一般的である。」

  この為、構造耐震指標:Is値は、第1次診断法では0.8

以上、第2次診断法では0.6以上を「安全」としています。

 今回の診断結果報告に疑問を持たれ、この点を指摘して

下さった、耐震診断に詳しい知人の方によれば、構造図面を

閲覧した限り、当団地の構造には特殊なものは無く、実際に

2次診断をすれば、充分基準をクリアしている筈であると

の事でした。

 前にも述べました様に、第1次診断法は図面だけで判定出

来、数十万円で出来る、あくまで簡易的な診断方法であり、

管理組合はこれに、約670万円支払ったと云う事になり、

とても正当な商取引とは考えられません。どう見ても、「第2

次診断は行われたが、結果は出さなかった。」としか考えら

れません。皆さんはどう思われますか?

 しかも、32棟の内の11棟あるラーメン構造の3LDKに僅

かの耐震不足がある事を理由に、「安全と思われる」21棟

の分も耐震不足としてしまう余りの乱暴な論理にあきれてし

まいました。

 更に、その3LDKについても、簡易な補強で充分基準を

クリア出来る方法があるそうですが、これの検討については

全く無視となっています。

更に、更に、「実施計画案」に掲載された梁の露出につい

て、この回答書でも引用されておりますが、これに詳しい私

達のメンバーが、シテイコンサルタンツを問詰めて、「中間大

梁」は「中間小梁」の間違いである事を認めさせ、写真は、施

工時のものではなく、後からの工事によるもので有ることも

認めさせ、今後はこの様な説明はしない事を約束させまし

た。

 この事から、シテイコンサルタンツの作った、住民の不安を

煽るためのデタラメを、管理組合がノーチェックで広報してい

る現状が明確になったと云えます。

 そもそも、構造耐震指標:Is値については、0.3以下の建

物は危険が高い建物として規定しており、広報はされており

ませんが、公共の建物はこれ以下の建物は補強工事をして

いる様で、これ以上の建物まではとても手が回らない状況の

様です。

 従って、一般住宅では、さらにその下の数値と思われます

ので、この耐震診断結果の数値をもって耐震不足で住めな

いとしたら、途方もない数の建物が住めなくなってしまうと思

われます。

 この事は、以前にも報告しましたが、「日鋼団地を守る会」

のメンバーが、都のまちづくり推進課の耐震相談室にて、こ

の耐震診断結果を見せて、意見を伺ったところ、耐震性には

全く問題はなく、これで「建替えの根拠」とするのはおかしい

との話を伺い、先の話にピタリと合致しています。

少し長くなりましたが、お解かり戴けましたでしょうか。

建替えの最大の根拠の一つである耐震問題をこの様な

屁理屈とも云える対応で蓋をしようとしている管理組合に対

し強い憤りを覚えます。

こんな管理組合とシテイコンサルタンツを信頼して、建替

え決議が成立してしまったら、この先、どんな結果が待ち受

けているやら、心配極まりないですよね?