手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

吉田 璋也について

2010-04-24 09:10:09 | Weblog
鳥取市政120年を記念して、鳥取市人物誌きらめく120人
という本が出版されました。

244pに、吉田璋也の「民芸 美による社会改革」という題で
書かれています。

鳥取の人であれば、殆ど知らない人はいないと思いますが、
この方の残された業績は、今思うと偉大なものであったと
つくづく感じます。

吉田璋也は、大正デモクラシーの時代学生でした。うら若き
熱血あふれる青年だったのです。

白樺の運動に共鳴したとありますが、当時の白樺には後に
有名になる方々がひしめき合っていました。

白樺の会員柳宗悦との出会いが、彼の生涯を決定付けるのです。

交友が幅広くて、河合寛次郎、志賀直哉、大原総一郎
(大原美術館を創設)濱田庄司他多数。

現在 鳥取駅前の「鳥取民芸美術館」に行けば、その面影を
しのぶことができます。

昭和7年「たくみ工芸店」が鳥取市に開店。昭和8年東京銀座
に東京支店を開店、日本民芸館、日本民芸協会と並び、全国に
広がる民芸運動の一翼をになうことになります。

吉田璋也は、鳥取の民芸を指導し自らプロデュースして、
優れたデザインの新作民芸を作り出して行きました。

また、鳥取砂丘の天然記念物指定、鳥取城跡史跡指定、
湖山池の自然景観遺跡の保護、仁風閣の保存運動はじめ、
優れた自然や歴史の文化的遺産の保護及び発掘をしてい
きました。

吉田璋也には、明治人の気骨に満ちた武士道的精神が、
培われていたのでしょう。

今の鳥取に、2代目吉田璋也が現われることを切に願うもの
です。