甦ったネオン街のホームレス

＜５月１日（土）＞

一度しかしゃべったことはなかった。けれども、記憶のかなたにぼんやりと残っていたキャバ嬢―――。
彼女は昨年の夏、はなびちゃんを指名した際１５分ほど付いたコだった。あれ以来その店には行ったこともなく、以後何度と店長に道で会ってもはなびちゃんが元気かより、なぜかわずかな遭遇の彼女がなおも出勤しているかをたずねる怪人クンがいた。
こういうとき、たいていのお客は躊躇してしまう。怪人クンもどちらかといえばそっちだ。ご丁寧に、仁義がどうのと本指名の存在がブレーキをかける。
バカだねぇ、所詮はうたかたの遊びさ。たかだか３～４回の指名、うち同伴は１回。その程度の相手に何を遠慮してるのさ？

ときは流れて。そのはなびちゃんは、今年３月をもって夜の世界を引退。
「待ってました！」とばかり、怪人クンの血が騒いだ。半開きのままの扉をいまこそ全開にするチャンスだ。行け！
ＧＷ真っ只中、またしても街で店長とバッタリ。
「××ちゃんですか、きょうはいますよ。たまには寄ってくださいよ」
ムフフ…、言われなくてもそのつもりさ。
「ありがとうございます」
暖かな風を感じながら今宵ワンセット９０分、ココロの忘れ物をとりに行ってきたぜよ。
ノリよし、テンポよし、スタイルも。何より…。
〝オヨヨ〟の署長よ〝ネオン街のホームレス〟怪人クンは、ここに完全復活宣言する。甦った！


※「またしても怪人クンが踊らされてしまうのでは？」との声も？？？
※エロ茶のおみやげ。「伊豆の踊り子」というお菓子（写真）。これがまたうまいんです！