家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

上級特派員便り、2011年11月26日

2011年12月02日 | Weblog
上級特派員便り

2011年11月26日 @伊勢原校   晴れ

今週も引き続きキャビネットの製作。
キャビネット製作も終盤になりました。いったい完成までいくつの工程があるのか?数えきれないほどの作業工程を経てここまで来ました。
今週は、組み上げたキャビネットの、正面、上面、底面の目違いを手カンナで削り、各面を面一(つらいち)にします。とは言っても、組んだ立体の箱をカンナ掛けをするのは、思った通りか、思った以上か、ともかく難しい。特に順目と逆目が交互に現れる帆立柱の鉋掛けは、研ぎ澄まされた鉋身と逆目に負けない裏金調整など、鉋の総合技術を要する技術。まだまだ腕がついて行かない。
木端面の鉋掛けは、少々水を付けると掛けやすいそうだ。しかし水をつけすぎると鉋台が微妙に膨れて台調整が崩れてしまうと言う。
鉋掛けの後は#180サンド掛けて仕上げ。鉋刃を傷めるので、いったんサンドを掛けたらその後の鉋掛けは避ける。
エアタッカーを使って台輪の補強。エアタッカーは強力で便利な工具だ。釘、10mm、4mmステープルと、箇所により使い分ける。
引き出しの下がり止めを付け、天板固定用の駒止めをし、台輪を取り付け、そして扉の寸法取りをして今週の作業を終えた。
伊勢原での木工作業はあと2回となる。残り少ない。
キャビネットは、色々な、数多い工程を含んでいて実に良い教材と思う。

本日の佐宗おやつは名前がない。富士山溶岩プレートを薪ストーブにかけて焼いたナンに、お手製リンゴジャムとフィラデルフィアクリームチーズを挟んだスイーツ。ナンといえばカレーであるが、これは食べたことの無い組み合わせ。意外においしい。
先生のスイーツは、子供さん達にも毎週の楽しみなのだそうな。

写真1: 目違いを手カンナで修正

写真2: 引き出し 下がり止め板をタッカー止め

写真3: 天板の取り付け
  
写真4: 組みあがり 残りは引き出しと扉


『お道具拝見コーナー』その8(三枝氏投稿)

今回は 佐宗先生の作業椅子の紹介です。
これは道具とは 言わないかも知れませんが、細かい集中力を要する作業から作品が生まれる時に使われる椅子なので、道具の一種とみなす事が出来るだろう。
作業机の脇に置いて、ちょっと尻を乗せる程度に使う為、座面は高目に作ってある。 形は豆型で、四本脚として安定感を出し、貫を入れて強度を出している。
座面を若干掘り込み、後ろ側に尻当てをつけて、尻が後に滑らない様に配慮されている。 この後ろ側の尻当てを、不要と佐宗先生は言う。

確かに無い方が、どの方向からも尻が乗せられて便利かも知れない。立ち作業の多い作業現場で有っても、机に向かう細かい組立作業や、事務作業も有るから、こう言う椅子が有ると便利なのだろう。
そういえば、木工機械の廻りには椅子は無いが、作業机の廻りには色々な椅子が置いて有るようだ。
 
自分の工房が出来たら こんな椅子が有ると便利だろうと思い、紹介した。
自分の欲しい物を、自分で考えて、自分で作る、それが物作りの原点ではないだろうか。そこにもの作りの楽しさが有るのではないだろうか。

写真5: 佐宗先生の作業椅子

文責・編集  堀江
コメント
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