家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

ブログその8 (7期生の生徒さん)

2011年06月09日 | Weblog
5月29日  木が切れずに息切れる
 今日は欠席が3人。一人でも欠けると、頼りないというか淋しいものだ。道具箱の製作を午前と午後の5時間行う。この5時間の効果は翌日から体中に現れた。上半身、特に肩周りと腕の筋肉痛が辛い。痛いというよりはダルイのほうが当たっているかもしれない。普段使っていない部位であり、かつ、不必要な力を加えたのだから当然でもある。力を伝える効率が悪い体の使いかたを感じる。関節を固めてしまい、力を半減して伝えているような感じさえする。
 今日のメインイベントは釘入れの箱づくり。今まで教わった道具類を使いこなす機会ともいえる。図面の寸法通りに木をカットしていくのだが、まず、図面の読み方で戸惑う。次いで、縦引きの鋸を使うのだが、「木は切れずに息が切れる」状態。これは内藤先生に言われて、「そうなんです」状態。力がストレートに鋸の先に伝わっていない感じがする。引いても引いても鋸は進まない。あげくの果てに、図面寸法よりも2ミリ小さく切ってしまうアクシデントも。アクシデントというよりは当然の仕業か。「どうやったら真っすぐ切れるんですか?」と思わずお聞きすると、「最初が肝心。スタートする時で決まります」。これは今週の肝だ。
 初めての道具も使った。その一つにボール盤がある。今までは錐で穴を開けてから釘を打ち込んだが、今日は厚みのある板にネジ釘を打ち込む。そのためにボール盤でしっかりと穴を開けるのだが、電動工具なので事故の起きないように注意を受ける。いざ、機械の前に立って注意をしながらやったつもりだったが、左手側にあるスイッチを右手で押す際に、機械の側に肘が入ってしまい、気を付けてと言われた。一つのことに気が向くと、他のことが疎かになる。
 左手側にあるスイッチは、しっかりと押しこまないと動かないようになっている。偶然に軽く触っても作動しないようにとの配慮だと思うが、水道栓と同じだと思った。昔は水道レバーを下に押すと水が出、上に上げると止水だったが、昨今のものは、その逆で、万が一レバーを下げてしまっても水は出ないようになっている。道具には万全の注意が施されている。それをどう使うかは人間の問題ということか。
 さて、今日は全身整形を受けた私、ではなく、私の作品。家具の病院・外科部長の天野先生に道具箱の目違いの全てを削っていただいた。なんでこんなにガタガタになってるの?と自分でも思ってしまう。少しずつの寸法違いが重なり重なりのなれの果てなのだろう。「大目に見る」のもいいかげんにしないと、こうなるという証明物だ。ダニエルのベンケーシー・Dr・AMANOがいらして良かった!
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上級特派員便り6月4日

2011年06月08日 | Weblog
上級特派員便り

2011年6月4日 @伊勢原校  晴れ時々曇り

前回に続き家具製作技能士(木工手加工)試験の課題の練習。本日は、正野講師の指導です。
A部材とC部材の接合、“両面留型包5枚蟻組接ぎ”の練習からですが、この接手は名前も難しいばかりでなく、出題の中で加工が最も難しい接手です。

全体時間の中で、1時間半ほどで終了しなければならないのですが、なんとも筆者は罫書きを2度も失敗し、結局4時間以上かかりました。早い人、遅い人、早くも差がついてしまいました。早い人は次の接ぎ、“5枚組接ぎ”に取り掛かっていました。
時間短縮には、ノコギリ技と切れるノミですが、正確な罫書きが必須です。分かっていてもなかなかうまくいかんのですよ。

それにしても、かがんだ作業が多く、床に置いた作業台での作業は腰が痛くなってかないません。試験と同じに合わせた練習なので仕方ありません。膝も床につけての作業なので膝も痛くなります。
今週は筆者も一生懸命練習しました。それで、記事も写真も少なめです。勘弁!


堀江 記

写真1:今週の課題、“両面留型包5枚蟻組接ぎ”(Sさん作品)

写真2: 作業に使う道具類一式と腰が痛くなる作業台
 
写真3: 練習に明け暮れて・・・

写真4: 丁寧な正野講師の指導


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6月4日の授業

2011年06月04日 | Weblog
初級は、1日実技で道具箱の製作



疲れました。

中級は、スツールの製作

ここまで出来ました

関野講師の説明を聞きながら


専攻科は、遅れてますがここまで出来ました。


どの部分かな
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ブログその7 (7期生)

2011年06月02日 | Weblog
5月22日 体力も集中力も
 今日は授業に出かける前の気分を書いてみる。
先週から道具箱の製作に入ったせいか、不安がいっそう体の中で暴れる。上手にやろうと思うからか。遅れずに着いていけるかしらと思うからか。やっていることを理解できるだろうかと考え込むからか。集中力が持たないからか。
 ものづくりというのは、今まで経験してきたことと思考の回路というか、行動パターンが違うような気がする。自分がすぐに馴染んでいけないから、そう思い込みたいのかもしれない。あるいは、これからの進行を創造すらできない恐怖感が大きすぎる故かもしれない。だが、周回遅れでも前に進むことが目標だから、さあ、行ってきまぁす!

 午前の授業は象嵌。面白かった。寄木細工は箱根の土産といった程度しか知らなかったが、手間ひまかかっている工程が見えてくると唸ってしまい、見る目が確かに変わる。象嵌には4種類があることを教えてもらった。そこで疑問が湧く。そもそも象嵌って?辞書を引いてくればよかったなと休憩時間に考えていたら、授業再開すぐに先生が「象嵌とは形を嵌め込むこと」と教えてくださった。実物と作る工程と言葉の意味を知る、これが揃うと頭の整理は遥かにラクになる。
 これまで私が住んでいた世界では、最初に言葉の定義、次にその現象に至る(至った)過程、最後に未来への影響などの説明があるのが普通だった。しかし、今回のものづくりの世界は、実物を先に見て、それを作る道具や過程の説明があり、どちらかというと最後に「だから、これは○○と言います」といった順序が多いような気がする。
 午後は道具箱の2回目。図面と実物と先生の模範実技をしっかり頭に焼き付ける。だが、自らの手を動かすために作業台に戻った途端、焼き付け過ぎたのか、消失している。周囲の人や先生に何度も聞き、通りがかりの仲間に手助けをしてもらって、ちょっとずつ前へ進む。目の前で進んでいく自分の作業が自分のものとは思えない感覚に何度も陥る。ほんとに私がやっているのか。私自身が行えているのか、と。不思議な感覚だ。
ピカソは創作に入ると、「体力は部屋の外に置いてあるから疲れない」と言ったそうだが、慣れないことに精を出す土曜日の私の集中力は一度に2時間が限度のようだ。午後の実技後半30分は、頭も体も「動きたくない」と、だはんをこきだした。だはんこくは北海道弁で、「だだをこねる」の意。「家具の学校に行きたくない」と、だはんこく自分を作らないようにしよう。

だはんこき へんしんさせる ダニエルは
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上級特派員5月28日

2011年06月01日 | Weblog
上級特派員便り

2011年5月28日 @伊勢原校  雨

前回、2級家具製作技能士(木工手加工)試験の課題を最初から最後まで佐宗講師がお手本を披露していただきました。
今回は、いよいよ自身で練習開始。課題挑戦が始まりました。
課題は、
原寸図の作成
腰型定規(ジグ)の作製
製品の製作
1.部材の板幅、板厚を製作図通りに削る
2.A部材とB部材の“5枚組接ぎ”
3.A部材とC部材の“両面留形包み5枚蟻組接ぎ”
4.B部材とD部材の“両面腰欠き木ねじ締め”
5.C部材とD部材の“通し2枚ほぞ接ぎ”
6.4mm面取り
これらの作業を皆、床に置かれた作業台で行います。制限時間は5時間半。床に置かれた作業台での作業、これが体力を意外に消耗させます。腰も痛くなります。

まず原寸図面の作成、そして腰型定規(ジグ)の作製。本番ではこの2作業を30分程度で完成させるのが適当なペース配分、と講師はアドバイスする。
二丁鎌毛引きの調整に手間取ったり、ジグ製作のノコギリの斜め切りに手間取ったり、ジグが完成したときはランチタイム間近。初めてとは言え、ちいと時間の掛かりすぎですワイ。
午後は4本の部材の厚みと幅を0.5mm削り落とす作業から。0.5mmなんて簡単に削れる、そう思いませんか?筆者もそう思っていました。実際やってみるとこれがなかなかに大変。
小雨の降る肌寒い日でしたが、床の作業台で鉋を掛け続けると、暑くて汗がしたたります。おまけに腰も痛くなって・・・。
実戦でのポイントは、当然ながら鉋をよく仕込んでおくこと、荒削りのできる中仕上げ用と仕上げ用の平鉋を2本用意することです。最初は中仕上げ用でザクザク削ると時間が稼げます。
そしていよいよ接ぎ加工です。比較的簡単な“通し2枚ほぞ接ぎ”から。
二丁鎌毛引きで罫書き線を入れる。材の繊維に沿った罫書き線がよく見えません。腰も痛くなるは、眼も霞んでくるは、この試験で試されるのは技量だけでないことが段々分かってくる。体力と眼力。
ほぞとほぞ穴をノミで調整して何とか叩きいれる。ほぞはのこぎりを使って罫書き線近くまで引く、と言うか引こうとするが、なかなかそれも難しい。ぎりぎりまで引けばノミでの修正が少なくて済むが、やりすぎると接合が隙間だらけのがたがたになる。
あ~~~あ、見るとやるとで大違い。練習初日は我が実力を知るため・・・・よ~く分かりました。
次週はもっと難しい継ぎ手加工です
今日は3時のおやつに佐宗講師じきじきに焼いて持ってきてくれたフルーツケーキをご馳走になりました。美味しかったです。


堀江 記

写真1: 一心不乱に原寸図の作成作業

写真2: 原寸図作成に使う、大曲、定規、自在定規。下に見える台が作業台
 
写真3: 加工材の厚みを鉋で削る

写真4: “通し2枚ほぞ接ぎ”加工作業
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