家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

2011年11月12日上級特派員便り

2011年11月16日 | Weblog
上級特派員便り

2011年11月12日 @伊勢原校   晴れ

今週も引き続きキャビネットの製作。
作業前に、佐宗先生の秘蔵砥石、シャプトンのガラス砥石の紹介があった。中砥に当たる♯1000、仕上げ相当の♯8000、それにそれらの中間に当たる♯3000の3種がセットになっている。中砥のあとに♯8000ではなかなか中砥の痕が取りきれないので、中間の♯3000があると非常に効率の良い研ぎが出来るとのこと。また、シャプトン砥石は、研ぎの途中で名倉砥石の使用がほとんど不要とのこと。名倉砥石とは、仕上げ砥の面を修正する専用砥石。
キャビネット本体の組み立てに先立ち、地板の押し縁を取り、先週組み立てた側板を電動サンダーにて表面仕上げ、棚板用ダボ穴に埋め込み金具を埋め込み、引き出し用すり桟をタッカーにて取り付ける、とまあこんな工程。
本体組み立て前の行程にもそれぞれ細かな要領がある。
例えば、押縁を止めていた釘の釘穴痕に水を垂らしておくと釘穴の痕が消えるとか、タッカーで打つ時のステープルの打ち出し方向やら電動サンダの掛け方とか。

さあいよいよ本体組み立て。
毎度のことながら、ほぞ穴にボンドを入れると緊張する。皆無言で組み立てに集中。筆者も実習生、作業が忙しい時は写真どころではなくなる。
組みあげた後に、効きの部分をハタガネで絞める。ほぞがきっちりとほぞ穴に入って胴付きが密着した後、ボンドが効く前に歪みがないか定盤で確認し、適宜歪みを修正し、再びハタガネで絞める。組み上げまでおよそ10分。10分の勝負だ。

皆それぞれに自分の本体組み立てに夢中になり、何とか組み上げてホッとしたところで一息。おやつの時間。
本日の佐宗おやつは、ビターチョコレートケーキ・アーモンド入り。甘さ控えめで大人のお味。アーモンドの香りが口に広がって鼻腔をくすぐる。
おやつ談義についつい夢中になって、おやつ時間が長くなってしまいました。

次回は台輪組み立てと扉の仕上げです。時間があれば引き出し製作も?

余談:過日購入した原色インテリア木材ブックと言う本に、「サクラ」の項目の文章中にダニエルの名前がありました(p73)。一流の証し?(写真5)

写真1: シャプトン ガラス砥石

写真2: 引き出し用すり桟のタッカー打ち

写真3: 本体組み立て完了
  
写真4: 本日のおやつ ビターチョコレートケーキ・アーモンド入り

写真5: インテリア木材ブック p73

『お道具拝見コーナー』その6(三枝氏投稿)
今回は 佐宗先生、正野先生 ご愛用のショックレスハンマーの紹介です。
ショックレス ウレタンハンマー (写真参照)
 型番 E-050(頭部径50φ)   須佐製作所(新潟 三条)
道具販売の新潟・平出商店からの購入とのことですが、ホームセンターでも類似の物を販売しています。大きさにも依りますが、¥4000内外でしょう。
ハンマーの頭部分が ウレタン樹脂による特殊成型で、中に鉄粉が封入してあり、振るとマラカスの様な音がします。
打撃時の衝撃と打撃音を吸収し、まさに無反動のハンマーです。 中の鉄粉がその反動を抑える役目をしているわけです。 グリップは特殊なソフトグリップで、柄はパイプ一体成型ハンドルで滑らず、安全に作業できる様に工夫されています。
打撃時に材に傷が付き難いので、当て木を使う必要がなく、且つ、打撃音も小さく廻りの迷惑にもならない、なかなかの優れ物です。
従って 椅子の足の曲線部分で、当て木が使えない場合も構わず叩ける、なかなか便利な道具です。
色々廻りを見回すと、矢張りプロは、思いも掛けない便利な道具が有るものだと感心し、大変勉強になります。    
写真の黒ハンマーは佐宗先生の愛用品、茶ハンマーは正野先生の愛用品です。 

写真6: 佐宗ハンマー

写真7: 正野ハンマー

文責・編集  堀江


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