家具の学校

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上級特派員便り 2012年2月25日

2012年03月02日 | Weblog
上級特派員便り

2012年2月25日 @伊勢原校   雨のち曇り 

前回に続いてキャビネット(ナイトテーブル)の塗装。前回は木地調整、着色、目止めの工程を終えて、今回はそこからの続きです。
目止めの次はウレタンのサンディングシーラーのスプレー塗布。1~1.5時間の自然乾燥ののち、サンドペーパー(#360)で研磨。ウレタン塗布で光った面が出来ますが、光っている部分がなくなるように研磨します。研磨は、次工程のカラークリアの塗面が密着するための工程。結構しっかり研磨します。
スプレーは、両面塗装する物(ナイトテーブルでは扉2枚と棚板)を先に塗装します。これ原則。これらを乾燥させている間にキャビネット本体や引き出し前板を塗装します。キャビネット本体は内部も軽くウレタンを塗布しますが、裏板を張って箱状の閉塞した本体にスプレーをすると、霧状のウレタンがもうもうと立ち上がり、まったく周りは見えなくなるほど。噴霧でむせ返る・・・ちょっと大変。
天板は少々厚めに塗布。
サンディングシーラー(ウレタン)を乾燥させて研磨のあと、タッチアップペイントでタッチアップ。木地処理で、隙間を埋めたパテや木工ボンドが残っている部分は着色できないため、タッチアップで着色します。面相筆で、タッチアップの周りの色に近い色を調合して描いていきますが、これが何とも難しい。色合わせが難しい。塗装作業の中で一番難しいかも知れません。我々は(筆者だけかもしれませんが)タッチアップは色を重ねるほどに周りの色と離れていきます。美術的センスが問われるような気がします。
ウレタン塗装のあとにタッチアップするのはわけがある。色合わせが旨く行かないときに、ウレタン塗装の上ではいくらでも消して修正できるから。
本日の作業工程はカラークリアまで終える予定でしたが、時間切れで次回になりました。カラークリアの掛け方の見本を習って時間となりました。


写真1: 着色直後のキャビネット

写真2: サンディングシーラー(ウレタン)塗布後、自然乾燥

写真3: ウレタン塗料を固めたもの。完成品の打痕などの修理に、これで埋めるときれいに仕上がる
  
写真4: タッチアップのお道具セット



『お道具拝見コーナー』 その15(三枝氏投稿)
今回は 塗装作業に必須のアイテム、生地調整から塗面研磨まで広く使われるKOVAX、ファインカットペーパー(サンド ペーパー)の紹介です。

サンドペーパーなんて何処のメーカでも変わらない様に思っている読者も多いのではないかと思いますが、研磨力、耐摩耗性、折り曲げ強さ、紙のしなやかさ、スクラッチ傷の付き難さ等々、評価の結果、メーカによる差が案外と大きく、色々試した結果ダニエル社では、KOVAXの物が一番使い易いと言う結論になったのだそうです。  
塗装の現場では、#120、#180、#360の三つの番手が多く使われる様です。
サイズは228×280で100枚セットとなっており、ネットで購入した場合概算で4300円程度と言う所でしょうか。 
このペーパ1枚を4分割または16分割して小割りで使えば、それ程無駄にもならず、更に一度使った物でも、捨てずに塗装後の塗面研磨に使うと有効に経済的に使えると思います。使い方にも依りますが それくらい耐久性が有ると思います。
ダニエル家具の滑らかで深い艶の有る塗装の仕上がりには、こう言う道具達が支えているのかも知れませんね(Shining Apple!)。

写真5: KOVAXサンドペーパー


文責・編集  堀江
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