家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

ブログ19  7期生初級のブログ(平成22年度)

2011年09月06日 | Weblog
平成22年9月4日 
 後期初めての授業は、「手ぐすねを引いて待っていた」吉田先生の張りの基礎から。ひと月ぶりのダニエルエプロンを付けて、いざ工房へ。
先ずは、椅子のクッションの素材から学ぶ。棕櫚、馬の毛、芝草、竹、稲わら、海藻など、様々な材料を手にしながら分かりやすい説明に聞き入る。生ゴムから作るラバーフォームは昭和33年頃から出始めたウレタンに価格的に取って代わられたことを初めて知る。
馬の毛を触ったのは初めてだ。思ったよりもごわごわしておらず、いつまでも触っていたい心地よさを感じる。適度な弾力が心地よい。馬の毛を麻に絡みつかせたシート状のものも見せていただいた。これはポーランドから輸入しているもので、ヨーロッパではこういった昔からの自然素材を伝統的に使い続けているという。欧米は椅子の生活の国だからこそ価格的にも折りあうのだが、日本では椅子のニーズが少ないことと、化学素材との価格競争には太刀打ちできないので広がらないということだ。
次はスプリングと布についてだ。日本と外国のスプリングでは残念ながら鋼材の質において日本製は劣るそうだ。皮、モケット、ゴブラン織りなどの布の耐久性なども教えていただく。
素材全てのことに共通しているのが、その国の文化や伝統と、時代に合わせた暮らしぶりとの葛藤のようなものが垣間見えることだ。家具を飾り物として見ているだけでは分からない事柄が多いことに驚いた。
午後は実習で、道具箱の釘箱の皮の蓋と竹製のへらを作る。道具箱は出来上がりと思っていたが、まだまだやることがあった。へらは椅子の仕上げの際に使うようだ。へらを作るにあたって、久々鉋が登場。すっかり扱い方を忘れている。鉋で竹を薄く削いだあとは、先を丸くするためにカッタ―が登場。子どもの頃からナイフで鉛筆を削るのが嫌いで、いまだにカッタ―使いが下手くそだ。
どこにいっても、いくつになっても苦手にしていたものに悩まされるなあと、工房のミシンに目が行く。ミシンも嫌いで、確か中学校1年生のスカート作りは知り合いのおばちゃんにミシンを掛けてもらって夏休みの課題として提出した。当然、先生には見抜かれていたはずだ。それでも2年生の夏の課題の枕カバーを縫い、それに刺繍をするのは全て自分でやり、かつ、我ながらいい出来だった。提出すると、先生が疑いの目でじろっと見て、刺繍は自分でやったのかと質問(その時の課題は刺繍)、いや、尋問されたような記憶がある。人は成長するんです、と今なら言えるが、あの頃はおどおどして「自分でやりました」が精いっぱい。ああ、ここでもミシンの授業日が迫ってくる!