緑ヶ丘・第二幼稚園 最新かがやき日記

緑ヶ丘・第二幼稚園のかがやく子ども達の成長を見守り、親も教師も園長も子どもに負けず共に成長する日々を綴った日記です。

ジョエル先生をお迎えして「子育て講演会」

2010年01月19日 19時01分24秒 | 研修会・セミナー

平成22年1月19日(火)

朝方は濃霧の中で、視界が遮られ、車の走行もノロノロでした。

霜も激しく真っ白で1℃でしたが、日中はグングン気温が上がり17℃

昨日同様に春のようなポカポカ陽気になりました。

9時に、今日の『子育て講演会』の世話役のお母様方がホールに集合。

歌を指導してくださる青山(韓)先生も駆けつけてくださり美声をご披露。

9時半にJR黒崎駅にジョエル先生をお迎えに。

9時40分には全ての準備が整い受付開始。

     司会進行 (坂本英子)

10時~開会のことば(大串かおり)

     母の会会長あいさつ(君原典子)

     幼稚園母の会の歌『愛の花輪』(青山紅音・ピアノ伴奏眞崎)

     園長あいさつ・講師紹介

10時15分~講演『違いを尊重し、共に生きる』

           ~心の教育 愛と思いやりと命の大切さ~

         講師:ジョエル・アソグバ先生

11時半~質疑応答・交流ティータイム

11:50~代表謝辞(加藤みき)

      閉会のことば(大串かおり)

12時終了

       受付(上原・大塚・安楽)

       接待=お茶(嶋立・濱岡・平田・山根)

       記録(山本)

       ベビーシッター(藤井・水摩)

愛の人 ジョエル先生はダンディーなスーツ姿で、

胸ポケットにはさりげなくお洒落なポケットチーフ。

がっしりとしたスポーツマン体型41歳。アフリカ系カナダ人。日本に来て15年。

福岡県筑後市西牟田在住。家族は、愛妻れいこさんと、3人の子どもたち。

絵本作家・イラストレーター、人権・同和問題講師、

また外国語(英語・仏語)教師として多忙な毎日ですが、

毎朝5時に起床

まずあいさつが大事というお話しからスタート。

以下、お話しを要約しお伝えします。

雨の日も風の日も「愛は、あいさつから。」

「おはようございます」「れいこさん、お元気ですか?」

私は、朝一番に愛するれいこさんにあいさつします。

皆さん、夫婦でちゃんとあいさつしていますか?

その次は、子どもたちにあいさつです。

今、世界中、色々な問題が起こっている。家庭がバラバラ、近所も疎遠でバラバラ、

すると国もバラバラ、ひいては世界中がバラバラになり、大変なことになる。

家族であいさつしない。猫背で下向いて歩く日本の子どもたち。

近所の人に会っても恥ずかしそうにうつむいて、

あるいはそっぽを向いてすれ違う。(悲しそうなジョエル)

これは、親がモデルです。親のするとおりに子どもは真似します。

家庭は人生最初の学校ですから、親がよいお手本にならねば。

特に朝が大事です。朝のスタートが明るく爽やかに、笑顔であいさつし、

機嫌良くよいスタートが出来るように

母親も父親も余裕を持って早起きしましょう。 

 「ありがとうございます」「すみません」「ごめんなさい」

「しつれいしました」「おつかれさま」など日本語にはとても美しい言葉があり

ますから まず、家族でこのような言葉を交わしあいましょう。

 

さて、自分と日本との出会いは16歳の時でした。

800年前に書かれた一冊の本 鴨長明(かものちょうめい)著

『方丈記』を読んだのです。その本は英訳版の日本の鎌倉時代の随筆でした。

「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れ(やけイ)てことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る。又知らず、かりのやどり、誰が爲に心を惱まし、何によりてか目をよろこばしむる。そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。およそ物の心を知れりしよりこのかた、四十あまりの春秋をおくれる間に、世のふしぎを見ることやゝたびたびになりぬ。…後略」

この素晴らしい言葉に感動。

「これは、すごい。力がある。普遍性がある。」

まず、父親にこの言葉をプレゼント。

「行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。

よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。…」

次には母親にプレゼント。そして友人にもプレゼント。

カナダは、教育の国。「三つ子の魂百まで」といった心の教育の国。

子どもに普遍的な価値観を教えることに力を入れている。

そのやり方は、自分の意見を出す力をのばすため、会話しながら

少しずつ自分が気づいたことを話し合う。

テレビを消して、会話を大事にし、

物だけでなく言葉のプレゼントをする

いいものは必ず友人にもプレゼントする。

ストーリーのプレゼントは、最初は三人に。

その友だちが、また他の友だちにプレゼント。

次第に広がり20人に増えた。そこで一緒にそのテーマを議論。

その仲間の一人はユダヤ系カナダ人だった。

涙を流しながら、彼は爺ちゃんの話をした。

じいちゃんは、ドイツ生まれのユダヤ系カナダ人。

なぜ、ドイツからカナダへ行かなくてはならなくなったのか?

ある日、爺ちゃんが小学生の時に、

ヒットラーが首相になり、ユダヤ人の迫害・虐殺が始まったのです。

ある夜、曾爺ちゃんと曾ばあちゃんが、爺ちゃんの部屋に入ってきて

突然「今夜は逃げろ!」と言った。

でも、爺ちゃんは子どもだったから訳が分からず逃げたくはなかった。

「どこへ逃げるの?」「学校はどうするの?」と聞いたのだった。

「命だけは大切だから逃げよ。」「カナダはユダヤ人を多数受け容れている。」

それが、最後のお別れになった。

爺ちゃんの人生は、

「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。…」

生まれた国ドイツは、自分の国と思っていたのにそうではなくなった。

「あなたは、ドイツ人じゃない。」と言われ、家族がバラバラになった。

ドイツは、自分の生まれた国だけど、街は全部 全然様子が変わってしまった。

人間も生まれてから、目に見えないが ドンドン変わり成長してゆく。

0歳、生まれたときは、心が真っ白。自分のいろは?

自分の色は3歳くらいまでは自分ではまだわからない。

3歳過ぎてだんだん染まってくるのです。

先生や友だちや絵本にも出会い少しずつ変わっていくのです。

真っ白な紙(心)に色々な絵を描くのです。

その時期から、暴力をふるわない普遍的な価値観を教え込まなくてはと思う。

「ユダヤ人と遊んではダメ!」なんて言わずに子どもの心にきれいな虹をかけたい。

その時、鴨長明さん、ありがとう!一度は日本に行ってみたいな~

と言う気になったのです。

昔の良いところを守り、悪いところは修正する。

そして、と、思いやりと、命の大切さ この3つの価値観を

三つ子の魂に入れることが大事。

カナダのオタワで生まれて、こうして16歳で日本に興味を持ち、

23歳でバンクーバーで愛妻れいこさんと出会って恋に落ちたのです。

日本人れいこさんは、その時

1年間のワーキングホリデイビザでバンクーバーに来ていたそうです。

ここには、日系人が多く見かけられ留学生も多かった。

1年間のワーキングホリデイが終わって、日本(熊本)にれいこさんは帰国。

電話でれいこさんのお母様と話をしようと試みた。

だが、日本語でしかしゃべらないので、自分の英語が通じない。

日本に一緒に来て、最初は、れいこさんだけと話が通じた。

生活習慣や文化がカナダとは全然違い、とても不安だった。

でも、誰かが動かなくては、変化しなくては、チェンジ!

と決意して、愛があるから、家族をつくりましょう。結婚しましょう。…と、前進。

確かに、文化や食生活に慣れるのも、毎日の生活の大事な要素です。

言葉も覚えられるのか心配でした。しかし、やればきっと出来る。

一歩を踏み出すのには大きな不安。左に恐怖心もあるが、右には希望がある。

言葉がわからないと、なかなかうまくいかない。

でも、一生懸命勇気を出してやれば、きっと出来る。

そこで、結婚して、一ヶ月間は、妻の実家にお邪魔しました。

新居のアパートが見つかるまで。

朝ご飯には、びっくりしました。

出された物は、全部感謝して食べる。そう躾られて育ったから全部食べた。

臭いネバネバ納豆も、勇気を出して食べた。

臭いは嫌でしたが、味はそんなに悪くはないと、気づきました。

毎朝、ご飯に納豆。一ヶ月経つと慣れて自分の味になりました。

全ては、頭と心を柔らかくしたらうまくいくのです。

よく日本のお母さんは嘆く。「うちの子は食べ物の好き嫌いが多い」と。

でも、食わず嫌いも多い。

頑張ってたべようとすると少しずつ慣れて食べられるのに。

確かに最初は、子どもは苦い物や辛い物はきらいです。

でも、私も、大人になったらコーヒーも好きになりました。

その後、アパートは、羽犬塚駅の近くに見つかりました。

そこに英会話・フランス語会話の教室を開きました。

そして、愛するカレンの誕生を迎えました。

と、同時に、全ての勉強が始まりました。

必ず二人で妊婦の受診にも行きました。

カナダでもお父さんがお風呂に入れる役目です。

熊本のお母さんは、心配しましたが、

二人で協力していくから大丈夫だと伝えました。

2時間陣痛があり、いよいよ産室に入りました。

そして4時間後にカレンちゃんが生まれました。

感謝の気持ちでいっぱいでした。れいこさん、有難う。

かれんちゃん、有難う。

れいこさんのお父さん、有難う。れいこさんのお母さん、有難う。

そして、人は皆つながっているから、

世界中のお父さんお母さんに「有難う」を言いました。

 

と、思いやりと、命の大切さ この3つの価値観を

七転び八起きしながら植え付けるように 子育てしないとダメ。

父親になったその日から自分は生まれかわったのです。

ジョージ君の生まれたときも、エリカちゃんの生まれた時も同じ気持ちだった。

子どもと共に過ごし、共に泣き、共に笑う。

世界中には貧しい国がある。コンゴなど戦争状態の国もある。

東南アジアも貧しい国が多い。

このようなニュースも子どもと一緒に耳を傾けて話題にして考えて欲しい。

子どもは、色々な色を好む。はっきりした原色の方が赤ちゃんの頃にはよい。

そして、お母さんの話よりも、お父さんの話を子どもは注意深くよく聴くものです。

だから、絵本を通じて、子どもたちに大事なことを伝えたいと思いました。

我が子だけでなく、隣の家の子どもも、一緒に育てるのです。

自分の子どもだけに価値観を入れるのではなく、周りの子ども全員に。

子育ては、一人だけでは出来無いのです。

あなたの隣の子どもも一緒に育てるのです。子育てには使命感が必要です。

金子みすずさんの「みんなちがって、みんないい」です。

「変な人は、一人もいないよ。」

日本のイジメは、グループを作って一人をいじめる。

一民族一国家という考えに洗脳されてると、ヒットラーのナチスドイツと同じ。

少数のユダヤ系の人を差別し、迫害し、消してしまおうとし、

ご存知のように大虐殺。罪もない人々が命を落とし大変なことになりましたよ。

朝鮮民族や琉球民族や中国人も昔から日本には多数入ってきて

大陸の文化を伝えています。

その子孫は、もう今は、この国日本の言葉しかわからないのです。

幼稚園・小学校の時から民族は違っても国民性は一つと、教えなくてはです。

また、肌の色が浅黒いから、指差して「外人だ!」と言われる。

「いや、外国人じゃないですよ。日本人ですよ。」と私は答える。

「汚い!」と言われたら、「汚くないですよ!」と言ってきました。

ある日、長男のジョージ君が公演で遊んでいたら友達から

「バイキンだ!」「うんこだ!」と言われました。

彼は、「コラ!」と怒って、空手を習っていたから、殴ろうとしていた。

そこで、私は、「ジョージ君、殴ったらダメよ!」

「そんな時には、やさしく教えましょう。」

一緒に友達に教えました。言葉でその言葉はよくないと説明するのです。

人間は怒りで動くと何もうまく解決しない。

「佳きことは、カタツムリの速度で動く」(マハトマ・ガンジー)

非暴力で、平和的にやるのが肝心です。子育てもそうです。

教えるのは、時間がかかります。

人権問題。この差別をなくすには、キング牧師もそうですが、決して

殺されるまで暴力をふるわず

言わなくてはならないことをはっきり言い続けていたのです。

"I have a dream!…"(私には夢がある。白人も黒人も平等。)

暗殺されたその時、オバマ大統領は、1歳だったのです。

黒人の大統領が登場するには500年位かかると言われていたが

予想より早く実現しました。

とにかく、一人でイジメを我慢し悩まないで、お父さん・お母さんに相談し、

先生に打ち明けて相談し、されて嫌なことは「しないで!」

「そんなこと言わないで」と、繰り返し言いましょう。

そして、お父さん・お母さんは、もっと子どもとコミュニケーションを。

口に出して言葉で言いましょう。仲直りの握手をしましょう。

何でも話し合って解決するのです。

  私は、小さい時から絵を描くことが大好きでした。

学校で、意見を言い、発表するのも好きでした。

自分の近所の子ども達にも、メッセージを絵本で伝えたいのでした。

それは、日本では足りない価値感です。多様性を認める価値感です。

今年、NHK大河ドラマで坂本龍馬を主人公にして『龍馬伝』がはじまりました。

土佐では、上士・下士の差別がありました。

上士は下士を犬猫呼ばわりし、人間扱いしていませんでした。

下士出身の龍馬は、素晴らしい人でした。

それまで、誰もが我慢していたのですが、仕方ないことと諦めたりせずに、

その理不尽さに、敢然と立ち向かって時代を切り開いて行こうとしました。

ここで、皆様によく考えて欲しいのです。

日本は、これからは、多民族多文化国家の意識を持たなくてはなりません。

日本は、以前から、一民族一国家の国ではありませんでしたが、

単一民族の国だという人がいます。

それならば、アイヌ民族や沖縄の琉球王国の人々は?

カナダとは違う背景があり、その中で、差別的な意識が強くはびこっているのです。

だから、無意識の内に差別的なことを平気で言ったり、

人を傷つけることをしたり、仲間外しやイジメが起こるのです。

思いやり命の大切さ この3つの価値観を三つ子の魂に入れることが大事。

日本人は言わない。なぜかな?その場ではっきり言えばよいのに。

口に出して言い、友達と話し合って解決する。

夫婦もそうです。夫婦も言わないと相手の考えがよく分からない。

誰かに言われたことは、耳が痛くても最後まで聴く事です。

誰かが言わないと気づかないこともあります。自分の考えを相手に伝える。

上手く伝えるには、日頃からテレビを消して、色々な話をしましょう。

絆をしっかりするためには、

親子の会話や夫婦の会話を大事にするとよいのです。

お茶を飲みながら和やかに。学校の問題も同じことです。

カレンの入学の半年前に、学校に挨拶に行きました。

本当は、絵本の読み聞かせに行きたかったのです。

ところが、… 以下は次回に続く。

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