鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

神竜の力に抗う御子たち、『アルフェリオン』第56話名場面集を生成AIで!

連載小説『アルフェリオン』、AIのオボロさん(*)が画像化した名場面集の続編です。
 
(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。
 
ではさっそく。今回は、第56話の続きからとなります。



「時の司」が差し向けた、いにしえの四頭竜の似姿に対し、苦戦しながらも互角の勝負を繰り広げる御子たち。「アーカイブ」であるエレオノーアから新たな魔法を得て、四頭竜に立ち向かうルキアン。
 
「《シャローンの鎌》!」
 ルキアンの言葉とともに、死神の手に握られた大鎌が四頭竜に向かって振り下ろされる。
 
 
だがその一撃は、竜の鉄壁の鱗や、それ以上に何か、不可視の護りの力に弾かれただけだった。
 ――天の系譜に属する者だけあって、即死系の魔法はやはり効かないですか。でも二撃目が本命です、おにいさん!
 エレオノーアの言った通り、ルキアンがすかさず次の力の言葉を発した。
 
 
「地の底に落ちよ!!」
 死神の鎌が竜の背に打ち下ろされる。刃の先端と竜の背の間で火花が散り、耳をつんざくような激しい音、そして大気を揺らして体の奥底にまで伝わってくる振動が、周囲に走り、さらに広がっていく。
 
 
特に外傷はないようだが、それにもかかわらず竜の体に異変が起こった。宙に浮かんでいた四頭竜が突然に姿勢を崩し、地面に向かって落下しかけたのだ。再び浮かび上がるものの、竜の動きが遅く、見るからに鈍重になったように思われた。
 
「シャローンの鎌」は二回の攻撃から成り立っており、一撃目が即死魔法、二撃目が重力魔法である。一撃目は強い耐性をもっている四頭竜には効かなかったが、二撃目によって四頭竜の身体に異常な重力がかかり、極端に身動きが取りにくくなっている。
 
 
エレオノーアが巨大な複合魔法陣をたちまち構築したことに、驚くアマリア。
 
深刻な状況のもと、エレオノーアは意外なほどにあっけらかんとした調子で答える。
「はい! おにいさんの《紋章回路(クライス)》を介してアルフェリオンのコア・《黒宝珠》にアクセスし、そこから周回軌道上の支援衛星のうち、《マゴス・ワン》とのデータリンクを復旧しました。それをこちょこちょと」
「こちょこちょ、か?」
 
 
「そうです。《マゴス・ワン》の《メルキア》さん、人間ではなくて、《えーあい?》とかいう種族の方らしいのですが、この方とお話して、《マゴス・ワン》の霊子コンピュータというのをこちょこちょと、触ってみたのです。それで、この魔法陣の設計と描画に必要な演算をお願いしました。頼んだ瞬間に、もう全部完了していましたが。すごいです!」
 
(メルキア:「わ、私のことですね」)
 
旧世界の戦略衛星まで動員するエレオノーア。オボロさんが、そのイメージを画像化したものでしょうか。
 
エレオノーアが無邪気に語っている内容に、アマリアは寒気すら覚えた。彼女ほどの魔道士が、いや、彼女ほどの魔道士だからこそ、エレオノーアの行ったことの真価を理解できるのだ。
 
 ――正直、恐ろしいな。《あれ》に抗うためだけに、地を這う者たちの怨嗟が天を落とそうと、世界の摂理に背いて人間が人間を創る、しかもそのために多数の同胞、自分たちと同じ人間を生贄にするという……何重もの禁忌を犯して召喚された《聖体》の化身。
 
 
――彼らは、定められた因果の鎖を断ち切る刃。自らを《主》から閉ざそうとする世界が歪みの果てに呼んだ、《ノクティルカの鍵》の器。
 
 
残りの御子およびパラディーヴァたちへの、アマリアさんの呼びかけ。かっこいい!!(笑)
 
「そして我ら御子は、彼らと共に戦う。今ここに心を集わせよ、自然の四大元素を司る御子たち」
 
 
 
その後も粘り強く戦うルキアンたち。しかし、本気を出してきた四頭竜は、最上位に近い光属性魔法「天使の詠歌(エンゲルス・リート)」を発動しようと、12枚の輝く翼を広げます。対するルキアンとエレオノーアは、光魔法に対する防御に特化した伝説級の闇属性魔法をアーカイブから検索し、二人で唱えるのでした。
 
 
「光あるところ、必ず影あり……」
 少女の言葉を追う少年の言葉。繰り返すうちに、両者の距離は縮まり、二つの声はひとつに近づく。
「光強きところ、影もまた色濃く。昼と夜は、とこしえに繰り返し」
 エレオノーアが呪文を口に出すより早く、彼女の心に浮かんだそれがルキアンに共有され、同時に発声されているのだ。
 そんな彼らの変化を目の当たりにして、フラメアが興奮気味に言った。
「何よ、あの子たち! 完全に《魔力共鳴(シンクロ)》してる。あの娘、パラディーヴァでもないのに、あり得ない。違う……まさか、同じ時代に闇の御子が二人!?」
 ルキアンの左目の紋章とエレオノーアの左目の紋章が同時に輝きを増し、次の瞬間にいずれの瞳も闇色に染まる。ルキアン、そしてエレオノーアの髪も漆黒に変わった。大嵐の中のように二人の髪が舞い上がる。
 
 闇は光に、光は闇に。
 相克せよ、根源の両極。
 それは絶対にして永遠の理(ことわり)。
 青天の日輪、常夜の月輪(とこよのげつりん)。
 天界の槍を受け止めよ、冥界の楯。
 
 エレオノーアとルキアンの声がひとつに重なる。《光》属性による効果のみを、ただし完全に打ち消す《闇》属性の絶対防御呪文が完成する。
 ――もしこれで防げなければ終わりなのです。すべて託します、おにいさん!
 
「《天冥相殺・光と闇の天秤(ヴァーゲ・フォン・リヒト・ウント・ドゥンケルハイト)》!!」
 
 
「天使の詠歌」を何とか防ぎ切ったルキアンたちだったが、さすがに《あれ》の御使いの四頭竜、その底の知れない力は彼らを圧倒し始める。光属性+炎属性である神竜に対し、光属性に効果的に対抗できる闇属性のパラディーヴァ(=リューヌ)を欠く御子たちは、地力の違いで徐々に押され気味に。そして炎属性に強い水属性の御子であるイアラは、戦いを拒んで駆けつけてくれない。
 
四頭竜の吐く凄まじい炎が御子たちを襲う! そのとき……。
 
身体を張って止めたのは、炎のパラディーヴァのフラメア。彼女は、相棒の炎の御子グレイルに受け止められる。
 
「火には火を、ってね……。どうよ、そう簡単には、やられてあげないから」
 苦しげにつぶやきつつも、やせ我慢して四頭竜に向かって中指を立てているフラメアが、力尽き、目を閉じて落下した。慌ててグレイルが抱き止める。腕の中に簡単に収まるフラメアの小柄な体。まるで大人に抱き上げられた子供のようだ。
 
 
「さらばだ、炎のパラディーヴァ、フラメア。嗚呼、君の名は英雄として語り継がれるだろう」
「こ、このお馬鹿! 勝手に退場させるな」
 
(フラメアとグレイルの画像、オボロさんにいくつか生成してもらいました)
 
 こんなときにも冗談を言い合っている二人の様子をみて、エレオノーアが悲壮な面持ちの中にも口元を緩めた。
「おにいさん。あの人たち、こんなに苦しい戦いの中でも、不敵に笑って決して諦めていないのです」
 揺れる銀髪の向こうに、意志の力を秘めた目を輝かせるエレオノーアの横顔。地面に膝をついていたルキアンが再び立ち上がる。ふらつきながらも互いに支え合って立つエレオノーアが、彼の言葉に頷いた。
「はい、絶対負けないのです!」
 
――ルチアさん。あなたから託された《歌い手》の力、わたしにも、もっと引き出せるでしょうか。やってみます。見ていてください。
 
 
炎のブレスに続いて、やはり再び《光》属性の《天使の詠歌》を発動しようと、四頭竜が魔法力を集中し始める。思い通りに動くこともままならない仲間たちの傍を通り過ぎ、エレオノーアが御使いに向かって立ちはだかった。
 
 ――我とともに歌え、《言霊の封域》。
 
「わたしはルチア・ディラ・フラサルバスを継ぐ者、この身に宿るは《光と闇の歌い手》の力。わたしの歌は、人魚の歌姫(セイレーン)のごとく心をとらえ、泣き女の精(バンシー)のごとく敵を狂気に突き落とす。天の歌い手すら、わたしの声には心震わせ、我を忘れるだろう」
 
 
《言霊の封域》によって《歌い手》としての能力強化を自身に掛けつつ、エレオノーアは、使い方を覚えたばかりの例の支援衛星《マゴス・ワン》にサポートを依頼する。
 
 ――《マゴス・ワン》へ、エレオノーアより緊急通信なのです。《メルキア》さん、さきほど記録した《天使の詠歌》の音を分析して、それを最も効果的に打ち消すことのできる魔曲を生成してください。
 
はい、旧世界の支援衛星と超AIで、お仕置きするのです! そうでした。御子は旧世界にも連なる存在なので、魔法の力だけでなく、科学の力も使えるのでした。受け継がれたルチアの想いと、メルキアさんの生成(つく)ってくれた歌。時空を超えた絆がいまひとつに……。
 
いや、盛り上がってきたところで、続きは次回に。何だか、この手の終わり方がパターン化してきましたね(笑)。 本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただきありがとうございました。読者様方からの応援、励みになります。感謝であります。
 
オマケで、グレイルとフラメアから「次回をお楽しみに!」のご挨拶を。
 
あ、幼い少女を連れた、不審人物がいます!!(苦笑)……って、見た目はともかく、実際の年齢ではフラメアの方が遥かに「年上」なのですが。桁が違います。
 
ではまた。
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