鏡海亭 Kagami-Tei ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石? | ||||
孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン) |
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生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。
第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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「虚海」の深海底に隠された秘密に挑む――第54・55話、AIによる名場面画像集
連載小説『アルフェリオン』の名場面をAIのオボロさん(*)に画像化してもらう企画、本日は「ハルスの邂逅」編の第二回目です。
(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。
早速、前回からの第54話「御子の力」の続きです。
不安定な「片割れのアーカイブ」であるがゆえに、この世に長年とどまることはできず、ついに消滅してゆくエレオノーア。しかし、彼女をこの世につなぎとめたいというルキアンが無意識に発動した、闇の御子の支配結界「無限闇」の力によって、エレオノーアの魂は蝶の姿となって、ルキアンの結界内にかろうじて存在を保ちます。
ルキアンが想像したものを創造し、結界内で実体化することができる「無限闇」の力は、エレオノーアをぎりぎりのところで助けます。しかし、エレオノーアを結界内に取り込んだ時……アーカイブの御子である彼女が本来そこに還るさだめであった広大な「ディセマの海」を同時に結界内に留め置き、維持しなければならないという絶望的な結果となります。
代々のアーカイブの御子の集めたほぼ無尽蔵のデータとアーカイブの御子自身の心とを保管する、現実と幻の狭間にある「ディセマの海」、あるいは「虚海ディセマ」。これを長時間にわたって実体化させ、維持しておくことは、ルキアンの御子の力をもってしても困難でした。彼の魔力が尽き、「虚海ディセマ」を結界内に実体化させておくことができなくなったとき、エレオノーアは今度こそ本当に消滅します。
ルキアンの視界が闇に落ちた。周囲の暗さのためではなく、彼自身がもう目を開けていられなくなったのだ。気を抜くと一瞬で意識を失いそうな中、ルキアンはうわ言のようにつぶやいた。
「誰か、力を、貸して、ください……。助けて……」
死にゆく二人に、天からの迎えの光か。にわかに暖かく眩い光にすべてが包まれる。
だが、それと同時に、光の向こうで力強い声が聞こえた。
――そうだ、諦めるな。君が最後まで諦めなかったから、私が間に合った。
ルキアンの背後で光が門のようなかたちを取り、その中から、白い衣の上に真っ赤なケープをまとった女性が、ふわりと舞い降りた。
大地の御子、アマリアさん登場! ルキアンの結界内に思念体を送ってきました。
「遅れてすまない。独りで、よく頑張ったな。この状況でも、そして今までも……。たった一人になっても戦い続けることができる者は、真の勇者だ。誰にでもできることではない」
「私はアマリア・ラ・セレスティル。《地の御子》、つまり君の友となる者だ。人は《紅の魔女》と呼ぶ。私が来た限り、もう君たちに、これ以上の悲しい涙は一滴たりとも流させはしない……。闇の御子よ、結界を上書きする。魔力を開放するから、気を付けて伏せていろ。大切なその子を吹き飛ばされないように」
アマリアが、地のパラディーヴァ・フォリオムの力を借りつつ、ルキアンに代わって「ディセマの海」の実体化を支えていてくれることに。その間に、ルキアンは「虚海ディセマ」からエレオノーアの身体を取り戻しに行きます。
「それに、ここが僕の支配結界の中で、今は魔法力も十分にあるのだから、だったら……」
彼は蝶のエレオノーアを掌の上に乗せ、じっと見つめた。
――君の姿は、はっきりと覚えている。
まさに、いま目の前にいる蝶のように、
森の小道をひらひらと舞うように歩き、
ルキアンを導くエレオノーアの姿。
振り返って、
いっぱいの笑みを浮かべる銀髪の少女。
自分の胸、心臓の上に掌を置き、
その上にルキアンの手を取って重ねる彼女の姿。
隣に座って、目に涙を浮かべながら、
これまでのことを語るエレオノーア。
ルキアンの前に立ち、
剣を構え、山賊たちと対峙する勇敢な後ろ姿。
純白のドレスを身に着け、
僅かに顔を赤らめながら
その姿をルキアンに披露するエレオノーア。
いま幸せであるということを
何度も何度も口にして、
突然に号泣し
ルキアンの胸に伏したエレオノーア。
《ヴァイゼスティアー》の白い花を差し出し、
いつになく真剣な目で
ルキアンを見つめるエレオノーア。
「まずは君の姿を呼び戻す。これから何が起こるか分からないあの《海》で、君が身を守り、一緒に戦えるように」
ルキアンが念じると、掌の上の蝶は激しく光を放ち、輝く霧のようになって背後に流れた。それは次第に人のかたちを取り、その細部がやがてルキアンのよく知るものとなって、彼の前にたたずんだ。
エレオノーアに一時的に実体を与えたルキアン。彼女は戦乙女ワルキューレのような姿に。いきなりルキアンに抱きつき、彼を押し倒してしまうエレオノーア。
「もしもまた、さっきみたいに消えて、今度こそ私が消え去ってしまって……おにいさんと二度と会えなくなったら、手遅れですから。いつそうなるか分かりませんし、いますぐにでも、こうして想いをぶつけておかなくては、と。本当に、本当に心残りだったんですよ? このまま死んじゃうのかなって。でも今のは一方的だったですね。嫌でしたか? おにいさん」
色々と事情があって、いまさらながら恥じらうエレオノーア(苦笑)。
覚悟を決め、「虚海ディセマ」の深海底の奥底に向かうルキアンとエレオノーア。
ここは幻の世界なので、何でもできます! 「妄想王」ルキアンの本領発揮です。
幻想的な、ファンタジー物らしい場面(!?)が続きます。
深海のそのまた深奥、ルキアンたちは海底に眠る謎の神殿に到達します。
最後まで一緒だと誓った二人。しかし、巨大な漆黒の扉が二人を引き裂きます。この中にはエレオノーアしか入れません。自身の身体を取り返すために、単身で扉の中に吸い込まれてゆくエレオノーア……。
彼女の前には、黒いローブをまとった3体の謎の存在が現れ、「試練」を課します。
「僕らが何をしたの? 僕は、ただ、その日まで遊んだり、ご飯を食べたりしていただけなのに、ママと引き離されて、何も分からないまま、《受肉(インストール)》された《聖体》に適合できず、体がバラバラになって死んだんだよ。おねえちゃんだけ、なんで生きてるの?」
「ねぇ、知ってるよね。《ロード》が実行されるときには、町や村がひとつ、まるごと生贄にされるんだ。おねえちゃんが生まれたせいで、どれだけ多くの人が犠牲になったと思っているの?」
「そんなに沢山の、罪の無い命を踏み台にして生まれて、どうして平気で生きていられるのかな。何も感じないの? おねえちゃんには、人間の血が流れていないの? 生まれてきて本当にすみませんでしたと、床に頭を擦りつけてみろよ。そして消えてしまえ!!」
エレオノーアは必死に抵抗します。
「私を生み出すために犠牲にされた人たちに対しては、お詫びの言葉をどんなに尽くしても、決して足りることはないと思います。でも、それでも……」
「それでも、何といわれようと私は生きて、おにいさんと一緒に《御子》としての使命を必ず果たします。たとえ、血だまりの中から創り出されたのだとしても、どんなに忌まわしい存在でも、それでも生まれてきた御子が世界を救わなければ……生贄にされた人たちは、ただ意味もなく命を奪われたことになってしまう。私は嫌です、そんなこと!」
しかし……。謎の存在たちから、エレオノーアは「弱点」を突かれます。
「違う。それはあなたが決めることではない。そうやって図太く生き延びて、犠牲になった多くの魂をいつまで冒涜し続けたら気が済むの?」
「そういうこと、言ってもどうせ無駄かしら。生贄にされた人たちの命や御子の使命なんて、建前で挙げているだけで、あなたにはどうでもいいことなのでしょう? 本当はただ、愛しい《おにいさん》と一緒にいたい……あなたが考えていることは、結局、そればかり。もっと本音のところでは、《おにいさん》に抱かれたくて、いつも妄想に溺れている気持ちの悪い女。それがいかにも理想に殉じるという顔をして、この、嘘つき、けだもの!」
「あんたは御子であるよりも先に、女としての自分の欲望にばかり忠実に動いている。普段は少年みたいな格好をして、何も知らない純朴そうな顔をして、とんでもない子だよ。あんた、ルキアンに言ったね。《日が暮れると、もっと寂しくなってきて。おにいさんのことが、どうしようもなく気になって……》」
そりゃ、「ヒロイン」にも欲望はあるでしょうから、仕方がないよね……と思いつつも衝撃的なシーンが。
「《ベッドに入っても眠れなくて、とてもとても切なくなって、おにいさんのことを想うと身体が熱くなって、そして……そして私は……》。そして、それからどうしたの?」
「どうって、それは……」
そこで言葉が終わったまま、エレオノーアはしばらく彫像のように動かなくなった。
彼女自身からの答えが返ってこないことを確認し、《それ》が手をゆっくり上げると、壁に掛けられた大きな鏡の表面が次第に渦を巻いて何かの形を取り始める。
まもなく、魔法の鏡に浮かぶ絵姿がはっきりとして、そこに何が現れるのかを理解せざるを得なくなると、エレオノーアは平静を失い、拒否の言葉を繰り返した。
「い、いや、いやです……。見たくないです、見せたくないです、やめてください」
「お願いです、お願いですから。これ以上は、もう……許して、ほしいです」
だが懇願の言葉は無視され、鏡の中のエレオノーアは、布団を首まで深めに掛け直すと、思い詰めた表情で目を閉じた。ベッドに身を横たえたまま、やがて彼女は幾度も《おにいさん》と口にし、切なげな表情で身悶えを繰り返す。その尊い名が唇からこぼれるたびに、それに呼応して吐息は荒くなり、銀の髪は乱れ、紅潮した頬だけでなく、耳から、首筋から、体中が次第に薄紅色に染まっていく。
「おにいさん。早く会いたいです、わたしのおにいさん……」
上気した顔のエレオノーアが、絞り出すように、うめくように、恍惚としてつぶやく。
その姿は、それ自体としては決して恥じるべきものでもなく、美しかったにせよ、この場においてはエレオノーアの敗北を暗示していた。
気が動転して頭の中が空っぽになったまま、エレオノーアは精一杯の勇気を振り絞り、途切れ途切れの言葉で言い返した。
「た、たとえ、はじめは妄想でも……ひ、人を……人を愛しく思って、切なくて、辛くて……それで……その、どうしようもない、気持ちを、何とかしたくて……その、それの、何が……悪いの、ですか」
率直な気持ちをぶつけるエレオノーア。そんなエレオノ―アと同じ顔をもつ存在が、彼女を罵ります。
「ねぇ、あなたが欲望を実感しているその体は、もともと、私の体を《器》にしたものだってことを、忘れていないでしょうね。他人の体を勝手に乗っ取って、さも人間であるような顔をしている化け物。これ以上、私を汚さないで! その体も魂も、何一つ、あなたのものなんて無い!!」
両手で顔を押さえてすすり泣きながら、とうとう、エレオノーアの心は真っ二つに折れてしまった。
――はい……。あなたの言う通り、私なんか、最初からどこにもいなかったのです。この体となった《聖体》も《器》も、どちらも私ではありません。そう考えている私の心さえ、この私自身だって……《聖体》が人間を演じている結果、仮に生じただけの、虚ろな現象に過ぎないのかもしれません。
エレオノーアは、うわごとのように繰り返した。
「私は《消えてしまった》のではなく、どこにもいなかったのですね。そうです、いないのです」
彼女の周囲の床の色が、白い紙に絵の具の染みが広がるように、徐々に真っ黒に変わり始めた。煉瓦の床が溶け出し、泥沼と同様の様相になる。その中から、死霊を思わせる枯れ枝のような細い腕が何本も伸びてきた。それらはエレオノーアの手や足、体中に取りついて、彼女を底無しの暗闇に引きずり込んでゆく。
――それでも、もう一度だけ会いたかったです。おにいさん……。
エレオノーアは、《試練》を超えられなかった。
そして《ディセマの海》に、永遠に沈む。
えぇぇぇ!? 「消える消える詐欺」(?)と言われてきたエレオノーアも、今度こそ本当に、この世界から完全に消滅してしまうのか。続きは次回にご期待ください。
本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
次回もお待ちしております。
ではまた!
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