アシリアペ    「アシリアペ」とはアイヌ語で「新しい火」。住所は茨城県常陸太田市大中町3486-2

営業日等:土日の10:00~17:00 臨時営業もあり。天然酵母パンやオーガニックの食材などを取り扱う。

「ジェンダー・クライム」 天童荒太著

2024-04-21 09:50:17 | 本棚


「ジェンダー・クライム」 天童荒太著

執筆の過程で、いわゆる日の当たる側からは見えていなかった多くの虐待やハラスメントの、起きた<当時の被害>はもちろん、おきた後に続く<その後の被害>も、同様に深刻である事実を知ると同時にーーそうした被害を生む土壌というか、文化的背景が、<当時の被害>にも<その後の被害>にも、存在していることに気づかされた。
当時、ジェンダーという言葉は一般には使われていなかった。表す言葉がないと、実態を知りながらも、人や社会にうまく伝えられず、もやもやとした、やるせない違和感を、内に抱えつづけることになる。それが犯罪や犯罪に準ずる行為だと、被害者は、された行為を他者に伝えきれないまま、ただ我慢するか、本来悪くもない自分を責めてしまう恐れがある。たとえばセクシャルハラスメント=セクハラという言葉が生まれる前が、そうであった。
(謝辞より)


店長の推し本チャランケ

2024-04-19 17:39:40 | イベント情報
1, 店長の推し本チャランケ 月1回開催 第3日曜日15:00〜
次回は、4月21日午後3時から
*済州島関連の本の話もあります。

*参加者がお勧めする本を持ち寄って本の内容や関連することなどを話し合います。
「チャランケ」とは、アイヌ語で談判などと言われていますが、アシリアペの「推し本チャランケ」は、対等の関係で話しを交わす場です。
・相手の話を否定しない。
・本の内容は原則自由
・人数によっては時間に制限がかかります。
・聞くだけの参加も歓迎。
・どなたでも参加でき、参加費は無料です。

「語り継ぐ済州島四・三事件」 許榮善(ホ・ヨンソン)著

2024-04-19 17:31:56 | 本棚


「語り継ぐ済州島四・三事件」 許榮善(ホ・ヨンソン)著

四・三は二十世紀の米ソ冷戦、南北朝鮮の理念対立や葛藤がつくりだした事件です。一九四七年三月一日の三・一発砲事件が起点となり、一九四八年四月三日に蜂起が勃発して以来、七年七ヶ月間に三万人余りの犠牲をもたらした残酷な韓国現代史です。約万人の済州島の人びとが、ハルラソンで、洞窟で、オルムで、海で、渓谷で、チョントゥル飛行場で犠牲になりました。(中略)
植民地支配から解放されたとき、日本の地でつらい労働や徴用に従事していた人びとは、故郷に帰ってきました。日本の傘から解放された済州島民は、今度は巨大な米国の傘の下で生活することを余儀なくされました。そしてまもなく、地獄のような、悪夢のような四・三の狂風の中に、わけもわからず飲み込まれなければなりませんでした。出稼ぎで日本に残ったものの、いったん故郷に帰ってきたタイミングで、そうした運命に絡めとられた人もいます。四・三は、朝鮮半島の南と北、そしてその境界に立つ在日同胞らにとって、拭い去ることのできない闇となりました。(日本語改訂版の出版に寄せて)