アシリアペ    「アシリアペ」とはアイヌ語で「新しい火」。住所は茨城県常陸太田市大中町3486-2

営業日等:土日の10:00~17:00 臨時営業もあり。天然酵母パンやオーガニックの食材などを取り扱う。

「82年生まれ、キム・ジョン」

2019-10-19 12:25:57 | 本棚


おすすめの1冊です。この問題は日本社会にも通じています。

「82年生まれ、キム・ジョン」 チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳
ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジョン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児・・・・彼女(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、彼女が人生で出会う困難、差別が浮かびあがる。(伊東順子解説)


アジアの純情

2019-10-10 11:00:01 | 映画評


「アジアの純真」(2009年作品) 片嶋一貴監督 ○

 2002年、拉致問題の影響で朝鮮人への風当たりが強くなっていた頃、日本人の暴力の犠牲になった少女の復讐劇に、傍観するだけで救えなかった少年がその罪のために同調していく物語です。
 気弱な高校生(笠井しげ)はカツアゲされそうになっているところを少女(韓英恵)の機転で救われます。次にその少女と出会ったとき彼女は朝鮮の民族服を着ていて、彼が声をかけるのをためらっていると男二人から難癖をつけられます。不当な暴力を見て見ぬ振りをして通り過ぎる人々。その結果少女は誰にも助けられず、ナイフで刺されてしまいます。呆然とする少年ですが、葬儀の後死んだはずの少女と瓜二つの妹とばったり出会います。そして、少女の復讐計画に少年も巻き込まれていくのでした。
 暴力には暴力でしか解決できないのでしょうか。2009年の当時よりも朝鮮人だけでなく韓国人への差別発言や嫌がらせが横行する今、一人でも多くの人が見て考えるきっかけとなってほしい作品です。
 なお、この作品は茨城県那珂市にある「あまや座」という小さいけれど主張のある映画館で脚本を書いた井上淳一さんのトークショーとともに特別上映されました。映画だけでなく、井上さんの生き字引のような映画製作裏話が大変面白かったです。仕事の都合で土日のイベントには参加できませんが、休館日に特別開催されスタッフの方は休日返上で対応してくれ、おかげさまでとても充実していました。ほぼ満席でそれも良かったですね。
 タバコは、なし。無煙です。


将軍の子

2019-10-07 09:39:57 | 本棚
ブックコーナーから新入荷本の紹介

「将軍の子」 佐藤巖太郎著
生まれた直後養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。養母となった武田信玄の娘、見性院。人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主・保科正光。そして、陰日向に見守ってきた老中、土井利勝———。江戸城の外で育った「将軍の子」はいかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。その来歴を爽やかに描き出す、傑作連作短編集。

ワンコイン・シネマ・トーク参加記

2019-10-07 09:36:59 | 日々の出来事


アジア太平洋資料センター(PARC)自由学校 特別オープン講座

ワンコイン・シネマ・トーク参加記

9月30日 パルク会議室にて

市民調査がつなぐ日本とアジアーエビ研究のその後
上映作品「奪われたエビ」
講師:内海愛子(恵泉学園名誉教授)、福家洋介(大東文化大学准教授)

エビの前にバナナをめぐる日系多国籍企業についてのフィールドワークをまとめたのが「バナナと日本人」(鶴見良行著・岩波新書)。そして、そのときに同時に見えてきたものに「エビ」があった。そこでまとめたものが「エビと日本人」(村井吉敬著・岩波新書)。
どちらも読んでいたので多少の知識があったのでより関心が持てた。
バナナもエビも70年代になり価格が安くなり、高級食材から日常の食材になった。その裏側には一体何が起きていたのか。エビの養殖をしていたのは、どこも旧日本軍の占領地だったということ。そして、砂糖の暴落により、砂糖の栽培からエビの養殖に変わっていった。
問題として、マングローブ林の崩壊やトロール漁船の乱獲による資源の枯渇がある。
その反省として、環境へ配慮したエコシュリンプが登場した。
参加しての感想として、自分のお金で疑問に思ったことを調査する真面目な人々がこの社会に存在することに勇気をもらった。
バナナはフェアトレードのバランゴンバナナを時々食べているけど、エビは進んで食べることはない。これからもエビを食べることはないだろう。