アシリアペ    「アシリアペ」とはアイヌ語で「新しい火」。住所は茨城県常陸太田市大中町3486-2

営業日等:土日の10:00~17:00 臨時営業もあり。天然酵母パンやオーガニックの食材などを取り扱う。

「ブレット・トレイン」映画評

2022-11-06 10:45:51 | 映画評
「キネマ旬報 11月下旬号」の読者の映画評欄に掲載されたので紹介します。


「ブレット・トレイン」

面白かった。心のなかでスキップをしながら映画館を出た。すでに原作は何度も読んでいる。伊坂幸太郎の殺し屋小説「マリアビートル」をブラピが主演で舞台は日本だけど英語の作品だという。再度読み返してから劇場へ。時間の都合で吹替版だったが結果としてこちらのほうがより楽しめたようだ。字幕を追いかける煩わしさがなく、画面に集中できる。アクションはめちゃくちゃだけれど流れは理解しているのでそのハチャメチャの中にすっぽり入り込んでしまい深いことは考えず楽しむことができた。
 もともと、伊坂のファンになったのが映画の「アヒルと鴨のコインロッカー」(中村義洋監督)を見て感動し原作を読んだことがきっかけだ。以来ほとんどの著作を読んでいる。その後国内で何作か彼の小説が映画化されたが、原作ファンとしてはいまひとつ盛り上がらなかった。だから今回もそれほど期待はしなかったが、頼りない殺し屋「天道虫」をあのブラピが演ずるということで彼を見ているだけでも十分もとは取れるだろうという程度でチケットを買った。
 元はとった上にかなりお釣りも来た。ブラピだけでなく、音楽も懐かしい昭和テイストで冒頭の「ステイン・アライブ」から「時には母のない子のように」「ヒーロー」など一緒に歌いながらレディバグを応援したらきっと楽しかっただろうな、と思う。
 コロナで行動を制限される日々が続き多くの人がなんらかの不満やストレス、いきどおりを感じていると思う。そんなときにはあれこれ考えず「ブレット・トレイン」に乗り込んで、降りるときには、ああ面白かった、生きていてよかった、明日も生きていこう、というパワーをもらおう。そういうときのために映画館はある。きっと。
 ところで、コロナが落ち着いたら「一緒に歌ってレディバグを応援しよう!」という応援上映を是非どこかの映画館で企画してください。楽しみにしています。


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