人通りがめっきり少なくなった国際通りを通ってゆかるひへランチを食べに行く。
「炎環」 永井路子著
京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まるそれは、またたくうちに、関東の野をおおった。鎌倉幕府の成立、武士の台頭――その裏には彼らの死に物狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士の生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説。(解説・進藤純孝)
「神に追われて 沖縄の憑依民俗学」 谷川健一著
根間カナに突然神が乗った。宮古の根、先祖の根を掘り起こせと神は命じる。カナは狂気のごとく「ウタキ」を経巡るが、神の苛烈な試練は止まらない。地獄の苦しみに、寺も教会も病院も効果はない。理性を超えた彼方に存在する真実を突きつける戦慄の体験を記録した、民俗学の権威による異色のノンフィクション。原題「神に追われて」の初めての文庫化。