本の紹介
「ふくしま原発 作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」 東京新聞記者 片山夏子著
福島第一原発事故から8年目、私は喉頭がんだと診断された。家計にがんの人間はいない。それこそ「まさか自分が」だった。のどのポリープから出血。それを胃いっぱいに飲み込んで吐血し、その後の検査でがんとわかった。自分でも驚くほどうろたえ、落ち込んだ。
「僕らより先に、何がんになっているんですか」。今も現場で被ばくと闘っている作業員たちはそう言いながら、心底心配してくれた。
みんなに心配をかけたが、今はすっかり元気になった。それにしても病名を告げるなんてプライベートなこと。でも彼らに告げることが自然なほど、ある意味深く付き合ってきたのだと思う。最も長い作業員で9年の付き合いになるが、よく取材に応じ続けてくれたと思う。それぞれの福島第一での作業や日々の生活、家族の話を深く聞くうちに、いつしか取材者としてではなく、人と人との付き合いになっていった。
「ふくしま原発 作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」 東京新聞記者 片山夏子著
福島第一原発事故から8年目、私は喉頭がんだと診断された。家計にがんの人間はいない。それこそ「まさか自分が」だった。のどのポリープから出血。それを胃いっぱいに飲み込んで吐血し、その後の検査でがんとわかった。自分でも驚くほどうろたえ、落ち込んだ。
「僕らより先に、何がんになっているんですか」。今も現場で被ばくと闘っている作業員たちはそう言いながら、心底心配してくれた。
みんなに心配をかけたが、今はすっかり元気になった。それにしても病名を告げるなんてプライベートなこと。でも彼らに告げることが自然なほど、ある意味深く付き合ってきたのだと思う。最も長い作業員で9年の付き合いになるが、よく取材に応じ続けてくれたと思う。それぞれの福島第一での作業や日々の生活、家族の話を深く聞くうちに、いつしか取材者としてではなく、人と人との付き合いになっていった。