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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

チチを撮りに

2013-04-17 | 2015以前の映画評


「チチを撮りに」 中野量太監督 ××× PPセブンスター 逆PP

 14年前に女を作って母を捨てた父親が死にかけているという連絡が入り、母親から「死んでゆく父親の写真を撮ってきてほしい」と頼まれた娘二人の奮闘を描いています。
 「写真を見てザマーミロ」と言ってやりたいという母親(渡辺真起子)や、父の見舞いに出かける娘を駅まで送ってくれた母親と別れると、ちゃっかり着替えてバカンス気分で出かける姉妹(柳亜理紗、松原菜野花)が生き生きと、そしてしんみりと描かれています。「金融業のエリートのおかあちゃん」役の渡辺はベテランの貫録が出てきました。
 タバコは大問題です。20歳の姉役の柳亜理紗が何度も喫煙(×)、14年前の場面で父親が子供のそばで喫煙(×)、母親は「タバコ・・」と言って嫌がりますが。娘と死んだ父親が同じセブンスターを吸っていたということで父娘のつながりを連想させます(×)。また、なんと4年生の息子が自分でタバコに火をつけて、お棺の中の遺体の口に持っていき周囲を泣かせるという場面まであります(PP)。この場面は早く死んでしまった原因がタバコであるにもかかわらず、うらむどころか最後に死んでまで吸わせるというのはいったいどういう神経なのでしょうか。ここだけはある意味ブラックコメディですね。
一方、「タバコが好きだったから、肺がんで死んだ」という逆PPのセリフもあります。
 いずれにせよ若い監督がタバコを多用するというのはがっかりです。社会の流れをもっと勉強してほしいものです。

舟を編む

2013-04-15 | 2015以前の映画評


「舟を編む」 石井裕也監督 □ ☆☆ PP「たばこ」の看板

 2012年本屋大賞第1位に選ばれた三浦しをん原作のベストセラー小説を映画化しました。
 真面目で言葉のオタクぶりが評価され、出版社の辞書編集部に異動した馬締(まじめ)光也(松田龍平)の仕事と恋を描いています。新しい辞書「大渡海」は見出し語24万語、編集方針は「今を生きる辞書」で、松本教授(加藤剛)を中心に10年を見据えた計画が進みます。電子辞書が売れ行きを伸ばす中、はたして「大渡海」は完成するのでしょうか。
 松田だけでなく、チームのオダギリジョー、伊佐山ひろ子がそれぞれの持ち味を生かして好演しています。辞書作りと言う地味な仕事を通して若い編集者が育っていく過程がさわやかです。上品な笑いも散りばめられたうえに、ほろりとさせる場面もあり、さすが石井監督です(☆☆)。今では電子辞書を使う生活になってしまいましたが、もう一度紙の辞書に触れてみたくなります。
 タバコは2008年の場面ではもちろんのこと、1995年の出版社の場面(営業部を含む)でもタバコは出さず、そしてかつてはタバコと縁の深かった松田龍平、オダギリジョー、小林薫が登場しますが、彼等だけでなく、主な登場人物は喫煙しませんでした(実にすばらしい!)。しかしながら、居酒屋の場面では、近くの席のエキストラの男性が初めの場面では煙を出して吸いますが、2度目の場面ではタバコは持っているだけでした。ただ、女性の客がタバコとライターを置いていました(□)。また、「たばこ」と書いた看板の前で松田とオダギリのやりとりがありました(PP)が、タバコが迷惑との表示も映したりとそれなりにタバコを意識していることがうかがえました。


「ぼっちゃん」特別論評

2013-04-14 | 喫煙映画特別論評


「ぼっちゃん」 大森立嗣監督

 秋葉原の無差別殺人事件の犯人をモデルに描いています。自分のことを「ブサイクの負け組」と周囲が思っていると思いこみ、また、その弱みに気づいた「イケメソ」(イケメンを揶揄したネット用語)から馬鹿にされるだけでなくいいように利用される主人公(水澤紳吾)の姿は、今の日本社会の学校や職場などどこにでもいそうな存在です。彼が接する大人たち、たとえばイヤミな工場長や軽い気持ちでからかう同僚も普通にいる人たちで本人たちに罪悪感は皆無です。彼は決して特別な存在ではなく、あの事件を起こすきっかけを作ったのは社会を構成する私たち一人一人のなにげない言動です。そして一見豊かと錯覚している日本経済は底辺を支える彼らから搾取することで成り立っていると気づかされます。人生で最も充実しているはずの青年たちが孤独や失業で絶望してしまう社会にいつからなってしまったのでしょう。あれこれ考えさせられる秀作です。
2005年の映画に「電車男」があります。「電車男」の主人公も「ぼっちゃん」の主人公ととてもよく似ています。女っ気なしでファッションセンスもダサくてコンプレックスの塊のような青年です。しかし、「電車男」は書き込み仲間に励まされ「高値の花」だったエルメスさんとハッピーエンドを迎えます。「ばっちゃん」だって「電車男」と比べて人間的にそれほど貧弱なやつではありません。女性に対してはある意味では紳士的だし、反社会的な性格でもありません。あまりにまわりからひどい扱いを受けているからつい自分より明らかに立場が弱いコンビニの店員に、いちゃもんをつけるくらいのやつだったのです。ただ、大きな違いは「電車男」がきちんと仕事があり実家に住んでいるという環境です。「ぼっちゃん」の仕事はいつ切られるかわからないほど不安定でその上職をなくすと住むところもなくなるという過酷な環境でした。両者の間に起きた出来事が2008年のリーマンショックです。小泉構造改革で推し進められていた規制緩和で社会的格差はどんどん広がり、リーマンショックが引き金となって大企業は内部留保がたんまりあるにもかかわらず、労働者の切り捨てを容赦なくするようになりました。その結果が「ぼっちゃん」なのです。アベノミクスのプチバブルに浮かれている人にはぜひ見てほしい作品です。
 また、主役級の3人(水澤、宇野祥平、淵上泰史)の俳優が甲乙つけ難い怪演でした。これからの活躍が楽しみです。
主役の水澤はもちろんすばらしかったのですが、水澤と似たような境遇でその上持病まで抱えてる役どころの宇野も人間の根源的な優しさをふりまいていて唯一救われる存在でした。さらにどうしょうもなくいやなイケメソを演じた淵上は冷酷な表情と人生の最初に犯した過ちから逃れられない苦悩がその冷酷な表情の陰に垣間見られるという絶妙な演技でした。助演男優賞候補になるのではないでしょうか。ただ、次回普通の人の役が回ってこないのではないかとちょっと心配です。

コドモ警察

2013-04-11 | 2015以前の映画評


「コドモ警察」 福田雄一監督 ○ 灰皿あり

 警察に敵対する組織に秘薬をかけられ大人の刑事たちが子どもになってしまった、という設定の刑事ものドラマです。子役は精一杯演技していて可愛かったし、アイディアは面白いと思いますが、内容は全然面白くなかったです。子どもだけど気持ちは大人という意外性をもっと表現してもよかったのではないでしょうか。ただ、下品になるのもまずいですしね。やっぱり子役は大人の中にいるからこそその存在価値はあるのではないでしょうか。「子どもの中に大人が一人」役の勝地涼さんお疲れ様でした。
 タバコの煙は出なかったのですが、コドモ警察のオフィスのテーブルには灰皿があり、また、悪役のたまり場にも吸殻の入った灰皿があり、灰皿がですぎでした。最近の大人の刑事ものはほとんど無煙なのに残念です。

2012年度無煙映画大賞は

2013-04-10 | 2012年度無煙映画大賞受賞作品
2012年度無煙映画大賞 
   
☆この賞は次のようなことを目的に設けられました
➀ 映画に携わる俳優及びスタッフなどすべての働く人々をタバコの能動喫煙、受動喫煙の害および残留タバコ煙の害から守ること。
➁ 映画俳優の喫煙シーンがきっかけでタバコ依存症などになった人が多いので、喫煙シーンをなくすことで当事者だけでなく観客もタバコの害から守ること。
➂ 2004年に日本も批准し、世界175以上の国や地域が批准している国際条約「タバコ規制枠組条約(FCTC)」第13条(注1)を遵守することを促します。
④ ①、②、③により、映画に関わる人々がいつまでも元気に活躍され、また映画を楽しむことができること。また、タバコのない健康な社会となることを願うものです。
☆選考に当たっては、以下のことを考慮しました。
➀ 2012年中に一般公開された日本語映画であること。ただし、原則として時代劇とアニメは除く。
➁ 作品にタバコの煙がでないこと。PP(注2)としてのタバコも登場しないこと。
➂ 誰でもが楽しめる内容であること。

無煙映画大賞作品賞   「しあわせのパン」 監督=三島有紀子  
無煙映画大賞主演女優賞 綾瀬はるか  主演作品「ひみつのアッコちゃん」「ホタルノヒカリ」                         
無煙映画大賞主演男優賞 松坂桃李  主演作品「ツナグ」「今日、恋をはじめます」
無煙映画大賞監督賞   斉藤玲子  「よだかのほし」
無煙映画大賞特別賞   「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」 
            「よみがえりのレシピ」
            「スケッチ オブ ミャーク」
無煙映画大賞特別アニメ賞 「アニメ・ジュノー」
 
<受賞理由>
「しあわせのパン」 (無煙映画大賞作品賞)
 喫煙シーンがなく、映画出演者や制作者の受動喫煙被害を防止しただけでなく、FCTC(タバコ規制枠組条約)13条を遵守しタバコの宣伝をせず、鑑賞者をタバコから守りました。
また、映画の内容も北海道を舞台に小さなパンカフェでのさまざまな人間模様を優しく丁寧に描き、おいしそうな料理で観客を包みました。主演の原田知世さんのデビュー30周年の作品が無煙でとても素晴らしいです。

綾瀬はるか (無煙映画大賞主演女優賞)
 「ひみつのアッコちゃん」で10歳の小学生を、また「ホタルノヒカリ」では仕事はできるけど家ではゴロゴロしている通称「干物女」を、それぞれ見事に演じ分けました。これからもタバコとは無縁の作品を選んで出演し、いつまでも健康で美しい肌を保ち、映画界発展のためにご活躍されることを期待いたします。なお、大河ドラマ「八重の桜」も楽しみです。

松坂桃李 (無煙映画大賞主演男優賞)
 「ツナグ」では死んだ人と再会させることができる使者ツナグの修業中の高校生を、「今日、恋をはじめます」ではわけありのイケメン高校生を、それぞれ魅力的に演じました。これからもタバコとは無縁の作品を選んで出演し、いつまでも映画界発展のためにご活躍されることを期待いたします。

斉藤玲子 (無煙映画大賞監督賞)
 「よだかのほし」は、都会で孤独な女性が故郷を訪れることで人間性を取り戻すという内容です。東北を舞台にし、宮澤賢治をイメージする静かで穏やかな作品となりました。これからもタバコとは無縁で俳優やスタッフの健康を守り映画界で活躍されることを期待いたします。

「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」 (無煙映画大賞特別賞、長谷川三郎監督)
ヒロシマの被曝者を撮影したことがきっかけで報道写真家となり、90歳の今もニッポンの嘘を撮り続ける福島菊次郎の姿は、タバコという「ニッポンの嘘」と闘う私たちに大きな勇気をあたえてくれました。

「よみがえりのレシピ」 (無煙映画大賞特別賞、渡辺智史監督)
山形県で今も残る在来作物を細々と伝える農家やその作物をイタリアンに変身させるシェフの姿を描いています。特に伝統的な焼き畑農法を映像に残したことは評価できます。

「スケッチ オブ ミャーク」 (無煙映画大賞特別賞、大西功一監督)
沖縄県宮古諸島に口承で伝わり、10年後には失われてしまうであろう「古謡」と「神歌」の世界を映像に記録し、永遠のものとした製作者の心意気は観る者を感動させます。

「アニメ・ジュノー」(無煙映画大賞特別アニメ賞、木村真一郎監督)
原爆投下後の広島で医療に尽力したスイス人医師マルセル・ジュノーの生涯を描いたアニメ映画。
ヘビースモーカーだったジュノーを描くにあたり喫煙場面はまったく入れず、マッカーサーの場面も煙の出ていないコーンパイプを持たせるだけにしました。煙を出さなくてもジュノーの功績は充分伝わる秀作となりました。

<2012年 汚れた灰皿賞(モクモク賞)> (注3)
 「ALWAYS 三丁目の夕日 64」(山崎貴監督)
 「苦役列車」(山下敦弘監督・2年連続受賞)
 「アフロ田中」(松井大悟監督)
 「愛と誠」(三池崇史監督)
 「鍵泥棒のメソッド」(内田けんじ監督)の各製作者
★以上5作品を代表して、「ALWAYS 三丁目の夕日 64」に無煙映画大賞汚れた灰皿賞を授与します。<理由>・主役の吉岡秀隆と堤真一がたえず喫煙 ・タバコパッケージのアップ ・医者が喫煙 ・近所のタバコ屋のアップ ・オリンピック記念タバコのポスター  ・残留タバコ煙の中に新生児
    
☆過去の受賞歴(作品賞) 
2011年「ツレがウツになりまして。」(佐々部清監督)
2010年「アンダンテ ~稲の旋律~」(金田敬監督)
2009年「おと なり」(熊澤尚人監督)
2008年「ハンサム★スーツ」(英 勉監督)
2007年「キサラギ」(佐藤祐市監督)
(2005年、2006年は該当作品なし)
2004年「父と暮せば」(黒木和雄監督 宮沢りえ、原田芳雄出演)
        
(注1)FCTC第13条 タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止をする。
従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段による広告・宣伝の禁止。
(注2)PP(product placement) とは、映画やテレビの番組内で、広告主の商品を使い、認知やイメージを高めようとする広告手法。広告主は、商品を製作側に提供する。CMよりも商品に対する視聴者の重要度が高いという長所がある。反対に、商品の表現について製作側から制限される場合もある。製作者側も広告主も共同のキャンペーンが張れるというメリットがある。(経済ビジネス用語辞典より)
(注3)「汚い灰皿賞」(Dirty ashtray award)は喫煙シーンの多い映画に対して授与される不名誉な賞です。

ボクたちの交換日記

2013-04-09 | 2015以前の映画評


「ボクたちの交換日記」 内村光良監督 ×××

 お笑い界を描いた鈴木おさむ原作の映画化です。高校時代からの友人、田中(伊藤淳史)と甲本(小出恵介)はお笑いコンビ「房総スイマーズ」を結成して12年になります。売れる気配はなく、30歳を前に心機一転するために甲本が「交換日記を始めよう」と勝手に始めます。初めはその気のなかった田中もいつしか本音を書くようになり、紆余曲折はあったものの、初心にかえってコンテストに挑むことにしますが・・・。
 自らもお笑い界のスター内村が内情をさらけ出し、チャンスをねらう若者たちの悩みや葛藤をストレートに表現していて好感が持てる作品です。プールで泳ぐ姿で二人の関係を「可視化」している演出はなかなかです。
 タバコは残念なことに小出恵介がたびたび喫煙(×)、同棲中の薬剤師の久美(長澤まさみ)が禁煙を勧めないのは納得できません(×)。彼女の妊娠がわかると外で喫煙しますが、残留タバコ煙の有害性もかなりあるんですよ。また、事務所の社長(佐藤二郎)も喫茶店で喫煙(×)、バーのマスターも客の前で平気で喫煙(×)します。カンニング竹山はタバコを置いていましたが喫煙はしませんでした。でもかなり受動喫煙の被害を受けましたね。もっとも喫煙していた甲本が17年後にガンに罹るということはタバコの逆PPと考えられなくもないですね。
 なお、コンテストの楽屋や飲み会など人がたくさんいるところでのタバコ露出がなかったのは評価できます。

桜、ふたたびの加奈子

2013-04-08 | 2015以前の映画評


「桜、ふたたびの加奈子」 栗村実監督 ○

 桜が満開の4月、小学校入学の日に娘の加奈子を交通事故で亡くした母容子(広末涼子)。容子はその事実を受け入れられず、自殺しようとしますが命を取り留めます。そして、知り合った高校生の正美(福田麻由子)の生んだ子が加奈子の生まれ変わりだと思い込みます。夫の信樹(稲垣吾郎)はそんな容子をいたわりながらも、「加奈子はもういないんだ。」と、いらだつこともありました。夫婦の関係も壊れかけたとき、ふたりは正美を通して別の子どもと出会うのですが・・・。
 喪失と再生がテーマです。よくあるテーマですが、ふんだんに使われる美しい桜の景色と、広末と稲垣の抑えた演技、そして、「現代のベートーベン」佐村河内守の魂に響く音楽でオリジナリティのある作品となりました。愛犬ジローもお見事な演技でしたね。また、冒頭で加奈子に住所を教える場面がラストで種明かしされ、なんともお見事な脚本です。
 タバコはなし。無煙です。職場の花見会の席でも喫煙者はなく、灰皿、自販機なども映りませんでした。

ぼっちゃん

2013-04-06 | 2015以前の映画評


「ぼっちゃん」 大森立嗣監督 × ☆☆おまけ☆

 秋葉原の無差別殺人事件の犯人をモデルに描いています。自分のことを「不細工の負け組」と周囲が思っていると思いこみ、また、その弱みに気づいた「イケメソ」(イケメンを揶揄したネット用語)から馬鹿にされるだけでなく、いいように利用される主人公(水澤紳吾)の姿は、今の日本社会の学校や職場などどこにでもいそうな存在です。彼が接する大人たち、たとえばイヤミな工場長や軽い気持ちでからかう同僚も普通にいる人たちで本人たちに罪悪感は皆無です。彼は決して特別な存在ではなく、あの事件を起こすきっかけを作ったのは社会を構成する私たち一人一人のなにげない言動です。そして、一見豊かと錯覚している日本経済は底辺を支える彼らから搾取することで成り立っていると気づかされます。人生で最も充実しているはずの青年たちが孤独や失業で絶望してしまう社会にいつからなってしまったのでしょう。あれこれ考えさせられる秀作です(☆)。
 また、主役級の3人(水澤、宇野祥平、淵上泰史)の俳優が甲乙つけ難い怪演でした(☆)。これからの活躍が楽しみです。
 タバコは就職した工場の休憩所で数人が喫煙(△)、淵上が喫煙所で1回喫煙(△)したので評価は(×)ですが、「まほろ駅前多田便利軒」(11年)「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」(10年)で連続「モクモク賞」受賞の大森監督にしてはタバコ露出による俳優、スタッフの被害はきわめて少なくなりました。その点も評価できます(おまけでもうひとつ☆)。喫煙者もタバコ会社からだまされていることを監督には気づいてほしいものです。

ヒッチコック

2013-04-06 | 2015以前の映画評


「ヒッチコック」 サーシャ ガヴァシ監督 米 ××

 1959年、映画監督のヒッチコックは新作「サイコ」の映画化に取り組んでいました。後に彼の最大のヒット作となるだけでなく、映画のジャンルに「サイコサスペンス」を加えた作品ですが、当時は多くの人から反対されました。その上、頼りの妻アルマとの関係もぎくしゃくしたものとなっていました。「サイコ」にかける彼は自宅なども担保にして資金の調達をするのでした。
 何事も初めてのことは苦難がつきものですが、その壁を乗り越えたふたりはやはりすばらしい夫婦だったのでしょう。お互いを裏切らないことが大切ですね。アンソニー ホプキンスをヒッチコックにしてしまった今の特殊メイクも映画をより豊かにする技術ですね。お見事です。
 タバコはヒッチコックが葉巻を数回(×)、主演女優役のスカーレット ヨハンソンが1回紙巻きタバコを吸いました(×)。彼女もタバコ露出度の高い女優です。

相棒シリーズ X DAY

2013-04-05 | 2015以前の映画評


「相棒シリーズ X DAY」 橋本一監督 × PP:ライター、タバコ自販機
 
 2000年に始まったテレビドラマ以来何回か映画化もされ、主役の入れ替わりも巧みで常に興業的にも成功している警察ものです。
 今作の主役はサイバー犯罪担当捜査官岩月(田中圭)と捜査一課刑事の伊丹(川原和久)です。実際にサイバー犯罪が話題になっている時節柄目の付け所も巧みです。常連の出演者のさりげない登場のさせかたもなかなかですね。誰でも主役に抜擢される可能性があるためか実力はあるけど主役にはなったことがない脇役のプロたちがたいへん熱演しています。たとえば、今回主役の「川原和久」という名前を聞いて顔が思い浮かぶ人は少ないですよね。(川原さんごめんなさい。)でも、三枚目の役が光っていました。次回は誰が主役になるのか楽しみです。
 タバコについては、殺人事件の被害者がタバコを吸うために屋上に来て、犯人ともみ合って転落死してしまったという設定になっています(×)。タバコはこの場面だけです。有能な銀行員が喫煙しますか。この部分だけが陳腐な演出でした。それともタバコ会社から資金提供受けているのかな。疑ってしまいますね。そういえばこの銀行は無機的な事務所なのに妙にタバコ自販機が煌々と輝いていました(PP)。
 また、ライターが重要な証拠品となってアップで映ります(PP)。