
「チチを撮りに」 中野量太監督 ××× PPセブンスター 逆PP
14年前に女を作って母を捨てた父親が死にかけているという連絡が入り、母親から「死んでゆく父親の写真を撮ってきてほしい」と頼まれた娘二人の奮闘を描いています。
「写真を見てザマーミロ」と言ってやりたいという母親(渡辺真起子)や、父の見舞いに出かける娘を駅まで送ってくれた母親と別れると、ちゃっかり着替えてバカンス気分で出かける姉妹(柳亜理紗、松原菜野花)が生き生きと、そしてしんみりと描かれています。「金融業のエリートのおかあちゃん」役の渡辺はベテランの貫録が出てきました。
タバコは大問題です。20歳の姉役の柳亜理紗が何度も喫煙(×)、14年前の場面で父親が子供のそばで喫煙(×)、母親は「タバコ・・」と言って嫌がりますが。娘と死んだ父親が同じセブンスターを吸っていたということで父娘のつながりを連想させます(×)。また、なんと4年生の息子が自分でタバコに火をつけて、お棺の中の遺体の口に持っていき周囲を泣かせるという場面まであります(PP)。この場面は早く死んでしまった原因がタバコであるにもかかわらず、うらむどころか最後に死んでまで吸わせるというのはいったいどういう神経なのでしょうか。ここだけはある意味ブラックコメディですね。
一方、「タバコが好きだったから、肺がんで死んだ」という逆PPのセリフもあります。
いずれにせよ若い監督がタバコを多用するというのはがっかりです。社会の流れをもっと勉強してほしいものです。