「舟を編む」 石井裕也監督 □ ☆☆ PP「たばこ」の看板
2012年本屋大賞第1位に選ばれた三浦しをん原作のベストセラー小説を映画化しました。
真面目で言葉のオタクぶりが評価され、出版社の辞書編集部に異動した馬締(まじめ)光也(松田龍平)の仕事と恋を描いています。新しい辞書「大渡海」は見出し語24万語、編集方針は「今を生きる辞書」で、松本教授(加藤剛)を中心に10年を見据えた計画が進みます。電子辞書が売れ行きを伸ばす中、はたして「大渡海」は完成するのでしょうか。
松田だけでなく、チームのオダギリジョー、伊佐山ひろ子がそれぞれの持ち味を生かして好演しています。辞書作りと言う地味な仕事を通して若い編集者が育っていく過程がさわやかです。上品な笑いも散りばめられたうえに、ほろりとさせる場面もあり、さすが石井監督です(☆☆)。今では電子辞書を使う生活になってしまいましたが、もう一度紙の辞書に触れてみたくなります。
タバコは2008年の場面ではもちろんのこと、1995年の出版社の場面(営業部を含む)でもタバコは出さず、そしてかつてはタバコと縁の深かった松田龍平、オダギリジョー、小林薫が登場しますが、彼等だけでなく、主な登場人物は喫煙しませんでした(実にすばらしい!)。しかしながら、居酒屋の場面では、近くの席のエキストラの男性が初めの場面では煙を出して吸いますが、2度目の場面ではタバコは持っているだけでした。ただ、女性の客がタバコとライターを置いていました(□)。また、「たばこ」と書いた看板の前で松田とオダギリのやりとりがありました(PP)が、タバコが迷惑との表示も映したりとそれなりにタバコを意識していることがうかがえました。