無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ビル カニンガム&ニューヨーク

2013-06-28 | 2015以前の映画評


「ビル カニンガム&ニューヨーク」 リチャード ブレス監督 米 □

 ニューヨークのストリートで50年に渡って街ゆく人のファッションを撮り続けているコラムニスト、ビル カニンガムのドキュメンタリーです。
 カーネギーホールの小さな一室に住み、カメラひとつを首から下げ、自転車に乗ってニューヨークの街を走り回り、写真を撮り続けます。そして、ニューヨークタイムズの「オンザストリート」として紙面を飾ります。ファッション界に身を置く人やセレブ達にとって「ビルに写真を撮られることが名誉なこと」といわしめますが、彼自身はいつも同じジャンバー(パリの清掃員の制服)を着て食事も質素です。好きなことをし続けるには「お金をもらわない」「自由が一番」と言います。独り身の彼の精神的な支えは「敬虔なカトリック教徒で毎週教会に行く」ことです。現在84歳ですが、今日もビルはスナップを撮りに街へ出るのでした。
 好きなことを続けることはそれだけで人を豊かにすることがよくわかります。もちろん経済的な豊かさではなく精神的な豊かさですが。筆者が福島で畑を借りている地主のサダノさん(仮名)も84歳で毎日好きな畑に出ているけれどビルと同じ幸せ者だなと思いました。
 タバコはパリコレの場面で車で乗り付けるセレブの一人がタバコに火を点けるところが一瞬映りました(□)。

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じんじん

2013-06-27 | 2015以前の映画評


「じんじん」 山田大樹監督 ○ ☆☆ 無煙映画大賞候補

 「ガマの油売り」の大道芸役者の銀三郎(大地康雄)は気楽な一人暮らしをしています。子どもの頃一時期住んでいた北海道の地に幼馴染がいて田植えの季節に手伝いに行きました。絵本で町おこしをしている剣淵町にはちょうど東京から高校生が農業体験で来ていました。そこで銀三郎は6歳の時に別れた娘と出会うのでした。
 大地康雄がずっとあたためていた作品が地域の手で映画化されました。大地演ずる銀三郎はどう見ても「寅さん」なのですが、考えてみれば今の観客は同時代に渥美清を見ている人は少なくなってきているのでしょうから、第2の寅さんが出てきてもいいころですね。寅さんをまねているようでもありますが、嫌みがなく大地康雄としての心を揺さぶる演技(☆)がさえていたのではないでしょうか。
 北海道の自然の美しさや剣淵町の町おこしを背景に、父と娘の関係、絵本のすばらしさで笑わせたりほろりとさせたりします。後半の顛末も単純な決着にはならず、脚本(☆)もよくできていました。また、もう一つの舞台が震災から復興しつつある松島なので製作者の震災に対する思いも伝わってきます。
 ちなみにタイトルの「じんじん」というのは「感動が脈打つように心身に染み入る様のこと」です。
 ちょうど札幌にいる時に先行上映で観ることができ、思い出の作品となりました。
 タバコはなし。無煙です。大地康雄に無煙映画大賞主演男優賞か?

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インポッシブル

2013-06-26 | 2015以前の映画評


「インポッシブル」 J・A バヨナ監督 米西 ○

 2004年の年末に起きたスマトラ島沖地震の際、タイのリゾート地で津波に流された一家が傷だらけになりながらもなんとか再会をはたすという本当にあった話を映画化しました。
 行きの機内では「弟たちを無視」している長男のルーカスですが、大けがを負った母親を助けながら離れ離れになった父と弟たちを探すうちにたくましく成長していきます。再現された津波やその後の瓦礫の風景は息をのむほどの緊張感と喪失感にあふれています。生々しい傷(特殊メイクがすばらしい)で死の淵から生還する母親役のナオミ ワッツの演技はアカデミー賞ものです。
 3・11から2年以上が過ぎ、都会にいるともう過去のこととなりつつありますが、この作品をみてもう一度被災者たちに寄り添わなければならないと思いました。また、人の実力はピンチの時に発揮されると常々思っていましたが、家族の関係も日頃の信頼の深さがいざ事が起きた時にあらわれるのですね。また、「他人の役に立つ」ことが子どもを成長させるのです。子どもに電車の中で席を譲ることを教えないエゴイストな親たちにぜひ観てほしい作品です。
 タバコはなし、無煙です。


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100回泣くこと

2013-06-26 | 2015以前の映画評


「100回泣くこと」 廣木隆一監督 ×

 中村航のロングセラー小説の映画化です。
 4年前のバイク事故で記憶を無くした藤井(大倉忠義)は友人の結婚式で佳美(桐谷美玲)と出会います。実は二人は事故の前恋人関係でした。記憶を無くした藤井ともう一度やり直そうとする佳美ですが、実は佳美はガンに侵されていたのです。
 「難病物」プラス「記憶喪失」というドラマチックな物語ですが、全体にワンカットが長すぎです。映画を観ていてもで「夕ご飯、何にしようかな」と雑念が入り込むことしきりでした。大倉も今一つ魅力がないし・・・。唯一、名演技をしていたのは犬のブックくらいでしょうか。
 タバコは佳美の親友役のともさかりえが1度しっかり喫煙しました。場面の展開の小道具にタバコを使うのはもうやめましょう。「ガン」の原因の多くがタバコなのに、親友がガンになっても喫煙しているのはおかしいです。もしかしたら、自分の喫煙による受動喫煙が原因で佳美がガンになったかもしれないのに全然反省していないし・・・。ともさかも命がけでタバコを吸う度胸があるなら、その前に背中で演技をすることに本気になりなさい。ただ、背中を見せていても悲しみは全然伝わらないのです。

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俺はまだ本気出してないだけ

2013-06-24 | 2015以前の映画評


「俺はまだ本気出してないだけ」 福田雄一監督 ××× PPセブンスター、ケント

 41歳の大黒シズオ(堤真一)は「本当の自分を探す」と会社を辞めたものの、朝からゲームをしていて父親に叱られ、バイト先では後輩から指導され、高校生の娘からは小遣いを借りる有様でした。しかし、あるとき一年奮起し「マンガ家になる」と決心をします。当然のことながらそう甘くはないのでした。
 シズオほどではありませんが、なんとなくサラリーマンを続けている幼馴染の宮田(生瀬勝久)や正直すぎるのがあだになって仕事を転々としている若者市野沢(山田孝之)など、それぞれが今の自分にやるせなさを感じています。「迷子の大人」たちはどこへ向かうのでしょうか。
 出演者はみんな好演をし、おかしさは随所にあるのですが、いまひとつ笑いが爆発せずにしょぼんでしまいました。バイトでも食べることには困らないという経済的条件があり、甘いお話になってしまいました。
 タバコは、主役の堤がたびたび喫煙(××)、山田も喫煙(×)、余計なお世話ですが、山田はラストでパン屋さんの仕事に就きますが、禁煙するのかちょっと心配です。タバコを持った手で食品を扱うのはやめてほしいですね。

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二流小説家 シリアリスト

2013-06-24 | 2015以前の映画評


「二流小説家 シリアリスト」 猪崎宣昭監督 △

 デイヴィッド ゴードン原作の作品です。日本のいくつものミステリー賞を獲得した大ヒット小説を日本映画にしました。主人公は生活のために編集者に言われるまま官能小説を書いている自称「二流小説家」の赤羽(上川隆也)です。彼のもとに連続猟奇殺人で死刑囚となっている呉井(武田真治)から「告白本を書いてほしい」という依頼が届きます。呉井には「彼は真犯人ではない」と言う弁護士(高橋惠子)がついていました。迷っていた赤羽ですが、ちょっとした見栄で告白本を書くことにします。すると、彼の周囲で12年前と同じ手口の殺人事件が起きるのでした。
 放浪する売春婦の母親と子ども、里親の虐待、首なしの遺体など暗く不気味な描写が続きます。事件を解決するはずの赤羽が呉井にやりこめられてしまったり、犯人と間違えられて取り調べを受けたりするところが「二流」らしく現実的です。暗い場面が多い中、赤羽の姪(小池里奈)の明るさが救いとなっていました。
 タバコは呉井が子どもの頃、朝食を食べている場面で母親がタバコを持っていました。遠景で一瞬でしたが子役の前での喫煙はまずいです。また、赤羽が入ったクラブの場面でタバコの煙が漂っていました(△)。

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箱入り息子の恋

2013-06-18 | 2015以前の映画評


「箱入り息子の恋」 市井昌秀監督 ○ 無煙映画賞候補 ☆☆

 恋人いない歴と年齢が同じという35歳の公務員天雫(あまのしずく)健太郎(星野源)が初めて恋をし、大奮闘するお話です。
 貯金だけが趣味で、「外食はお金がかかる」と言って昼食時には家に帰って食べます。こんな息子の行く末を案じた両親が「親の見合い」という婚活に参加します。同じ頃、健太郎はある雨の日、雨宿りをしている今井奈穂子(夏帆 かほ)に傘を貸しました。実は奈穂子の両親も「親の見合い」に参加していたのです。傘に名前が書いてあったことがきっかけで健太郎と奈穂子はお見合いの席で正式に出会います。
 奈穂子の父親(大杉漣)が「13年も勤めていながら昇進もしていないような男は娘をまもることはできない。」と大反対します。奈穂子には視覚障害というハンディがあったのです。そこから、恋に落ちた健太郎の満身創痍の戦いがはじまるのでした。
 健太郎の両親がその気のない息子になんとか見合いをさせようと奮闘する姿がこっけいに描かれていますが、母親役の森山良子が好演しています。特に奈穂子を守るために大怪我をしたときに見せる母親の表情は助演女優賞ものです。また、健太郎のペットのカエルくんが怪演をして盛り上げていました。助演動物賞かな?
 タバコはなし。無煙です。若い男女の恋物語が無煙なのは大変素晴らしいことです。二人がデートで利用する「吉野家」では禁煙マークもばっちり映っていました。


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華麗なるギャツビー

2013-06-15 | 2015以前の映画評


「華麗なるギャツビー」 バズ ラーマン監督 米 ××× PPライター

 1974年にロバート レッドフォード主演で大ヒットした作品のリメイク版です。主役はレオナルド ディカプリオが演じています。
 1922年、小説家志望のニック(トビー マグワイア)はニューヨークの郊外に家を借り、ウォール街で働いていました。隣家の大邸宅では毎夜のように盛大なパーティーが開かれていました。謎の大富豪ギャツビーの屋敷でした。ある日、ニックのもとにパーティーの招待状が届いたことからギャツビーのその後を見届ける関係になるのでした。
 あらためて「レッドフォードはハンサムだった。」と再認識してしまいました。ディカプリオも悪くはないけど今一つ知性が足りないような・・・。ブラッド ピットで見たかった・・・。ところで見どころは大パーティーの場面です。空中ブランコが舞い、ダンサーが乱舞し、バンドが次々演奏、豪華な衣装の数百人の客たち・・・。それはそれは絢爛豪華です。でもなんで今この作品をリメイクしたのかよくわかりませんでした。
 タバコはいくら1922年が舞台でも多すぎました。男性は葉巻(×)、女優の皆さんもあちこちで紙巻タバコを喫煙(×)、落ち着かない気分の時にはあわててタバコに火をつけライター(PP)を落とす、といった古臭い演出もありました。ただ、ディカプリオはタバコを手に持っている場面はありましたが口にはしませんでした。「ディプカリオ」と言われたくなかったようです。


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言の葉の庭(ことのはのにわ)

2013-06-13 | 2015以前の映画評


「言の葉の庭(ことのはのにわ)」 新海誠監督 □
 
 雨の日、新宿御苑風の公園で出合った高校生とわけありの女性の姿を描いたアニメーション作品です。
 将来靴職人になりたい高一のタカオは雨の日には学校をさぼって公園の東屋で靴のデッサンをしていましたが、昼間からビールを飲んでいる女性と出会います。雨の日にはいつも同じ場所で過ごしているうちに親しくなり恋心を抱くようになります。実は女性はユキノといいタカオの近くにいた人でした。ユキノが誰かわかったとき、二人に別れが訪れるのでした。
 雨の日の水滴や水たまりに映る影などの微妙な表現が大変美しいアニメです。靴職人に「人生を歩みだす」ということをかけていて、人生を歩くには自分を大切に思う周囲の人の存在が必要だと伝えています。安易なハッピーエンドでないところも現実的でいいです。タカオは料理が得意というのも好感が持てました。
 タバコはユキノの別れた夫がベランダで電話をしながら喫煙し、後姿なのでタバコは描かれませんが煙が流れていきました。タカオのバイト先の飲食店での休憩時には、仲間の男性従業員の手にタバコがありました。どちらも一瞬でしたので(□)とします。ただ、ビールに関しては最後のクレジットで「新宿御苑はアルコールの持ち込みは禁止です。」と注意をしていましたが、ベランダ喫煙についてもぜひ「ベランダ喫煙は周囲の住人から訴えられると罰金刑となります。やめましょう。」(罰金刑の判決も出ています)と注意喚起してほしかったです。

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イノセント・ガーデン

2013-06-13 | 2015以前の映画評


「イノセント・ガーデン」 パク チャヌク監督 米 ○

 インディア(ミア ワシコウスカ)が18歳の誕生日を迎えた日、贈り物に謎めいた鍵が届きます。そして、その日大好きな父親が交通事故死してしまいます。美しく知性的な母親(ニコール キッドマン)には心を開いていなかったインディアは孤独になります。父親の葬儀の日、インディアの前には今まで行方不明だった叔父のチャーリーが突然現れます。その後、屋敷に同居することになったチャーリーですが、彼が現れてから次々と人がいなくなっていきます。不信感を感じながらもインディアはチャーリーに魅かれてゆくのでした。そしてあるとき、あの鍵が秘密を暴くのですが・・・。
 「どこかで聞いたことが(見たことが)ある」ようなストーリーに思えますが、主役のミア ワシコウスカの射すくめるような目と靴をはじめとする小道具の巧みな使い方で、ミステリアスで官能的な作品となりました。
 タバコはなし。無煙です。

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