「ビル カニンガム&ニューヨーク」 リチャード ブレス監督 米 □
ニューヨークのストリートで50年に渡って街ゆく人のファッションを撮り続けているコラムニスト、ビル カニンガムのドキュメンタリーです。
カーネギーホールの小さな一室に住み、カメラひとつを首から下げ、自転車に乗ってニューヨークの街を走り回り、写真を撮り続けます。そして、ニューヨークタイムズの「オンザストリート」として紙面を飾ります。ファッション界に身を置く人やセレブ達にとって「ビルに写真を撮られることが名誉なこと」といわしめますが、彼自身はいつも同じジャンバー(パリの清掃員の制服)を着て食事も質素です。好きなことをし続けるには「お金をもらわない」「自由が一番」と言います。独り身の彼の精神的な支えは「敬虔なカトリック教徒で毎週教会に行く」ことです。現在84歳ですが、今日もビルはスナップを撮りに街へ出るのでした。
好きなことを続けることはそれだけで人を豊かにすることがよくわかります。もちろん経済的な豊かさではなく精神的な豊かさですが。筆者が福島で畑を借りている地主のサダノさん(仮名)も84歳で毎日好きな畑に出ているけれどビルと同じ幸せ者だなと思いました。
タバコはパリコレの場面で車で乗り付けるセレブの一人がタバコに火を点けるところが一瞬映りました(□)。