
「まほろ駅前狂騒曲」 大森立嗣監督 ××××× PPマルボロラッキーストライク
シリーズ最新作です。映画の前作は「汚れた灰皿賞大賞」受賞しています。さて今回は?
まほろ駅前で便利屋をしている多田(瑛太)と居候の行天(松田龍平)のもとに「子どもを預かってほしい。」という依頼がきます。子どもは行天が精子を提供してできた子どもでした。多田は過去に6ヶ月の子どもを亡くしています。それぞれ子どもに対してわだかまりがありますが、引き受けます。一方、新興宗教の団体が無農薬栽培の野菜を給食用に売り込んだため利権がからみヤクザとの仕事も便利屋は引き受けることになります。ラストは暴走老人が起こすバスジャックでまほろ駅前は大騒ぎとなるのでした。
物語とは直接関係はありませんが、預かった子どもの両親が同性婚という設定は同性婚に市民権を与え好感が持てました。
タバコに関しては前作よりかなり改善されました。まず、子どもの前での喫煙をさせない。中華屋が禁煙となった。病院の屋上で喫煙しない。女性が喫煙せず、主にタバコを吸うのは主役の二人と岸部一徳が1回でした。「タバコ」「タバコ」としつこいくらい宣伝していますが能動喫煙、受動喫煙の直接的な健康被害を受けさせられた俳優はかなり限定されました。物語の中で多田は乳児を失っていますが多分「乳幼児突然死症候群」によるもので、原因は受動喫煙と考えられます。また、タバコハウスの前でペットをかばって喫煙者をにらんだ伊佐山ひろ子は一瞬でしたが煙を憎む愛犬家を代表する素晴らしい演技でした。
問題なのは、1、「換気扇の下で吸え。」というせりふがありましたが、換気扇の下で吸っても受動喫煙の被害はあまり変わりません。カレーを煮るときに換気扇を使っていても部屋中にカレー臭がするのと同じことです。2、子どもにタバコをたかるのは大人として最低だし、法律に違反しています。(言葉だけでしたが)3、ライターのいたずらは真似をすると怪我をするおそれがあるのでやめたほうが良かったと思います。せめてクレジットで警告をしてほしかったです。4、チラシとポスターでタバコの宣伝を堂々としていましたが、「芸術文化振興財団」の助成金を受けながら国際条約に違反しているというのは、文部科学省はどう考えているのか、質したいところです。税金でタバコの宣伝をさせるなんてもってのほかです。
ということで、今作も来年の「汚れた灰皿賞」の候補です。