goo blog サービス終了のお知らせ 

無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

まほろ駅前狂騒曲

2014-10-26 | 2015以前の映画評


「まほろ駅前狂騒曲」 大森立嗣監督 ××××× PPマルボロラッキーストライク

 シリーズ最新作です。映画の前作は「汚れた灰皿賞大賞」受賞しています。さて今回は?
 まほろ駅前で便利屋をしている多田(瑛太)と居候の行天(松田龍平)のもとに「子どもを預かってほしい。」という依頼がきます。子どもは行天が精子を提供してできた子どもでした。多田は過去に6ヶ月の子どもを亡くしています。それぞれ子どもに対してわだかまりがありますが、引き受けます。一方、新興宗教の団体が無農薬栽培の野菜を給食用に売り込んだため利権がからみヤクザとの仕事も便利屋は引き受けることになります。ラストは暴走老人が起こすバスジャックでまほろ駅前は大騒ぎとなるのでした。
 物語とは直接関係はありませんが、預かった子どもの両親が同性婚という設定は同性婚に市民権を与え好感が持てました。
 タバコに関しては前作よりかなり改善されました。まず、子どもの前での喫煙をさせない。中華屋が禁煙となった。病院の屋上で喫煙しない。女性が喫煙せず、主にタバコを吸うのは主役の二人と岸部一徳が1回でした。「タバコ」「タバコ」としつこいくらい宣伝していますが能動喫煙、受動喫煙の直接的な健康被害を受けさせられた俳優はかなり限定されました。物語の中で多田は乳児を失っていますが多分「乳幼児突然死症候群」によるもので、原因は受動喫煙と考えられます。また、タバコハウスの前でペットをかばって喫煙者をにらんだ伊佐山ひろ子は一瞬でしたが煙を憎む愛犬家を代表する素晴らしい演技でした。
 問題なのは、1、「換気扇の下で吸え。」というせりふがありましたが、換気扇の下で吸っても受動喫煙の被害はあまり変わりません。カレーを煮るときに換気扇を使っていても部屋中にカレー臭がするのと同じことです。2、子どもにタバコをたかるのは大人として最低だし、法律に違反しています。(言葉だけでしたが)3、ライターのいたずらは真似をすると怪我をするおそれがあるのでやめたほうが良かったと思います。せめてクレジットで警告をしてほしかったです。4、チラシとポスターでタバコの宣伝を堂々としていましたが、「芸術文化振興財団」の助成金を受けながら国際条約に違反しているというのは、文部科学省はどう考えているのか、質したいところです。税金でタバコの宣伝をさせるなんてもってのほかです。
 ということで、今作も来年の「汚れた灰皿賞」の候補です。


小野寺の姉 小野寺の弟

2014-10-26 | 2015以前の映画評


「小野寺の姉 小野寺の弟」 西田征史監督 × PPホープ

 姉より子に片桐はいり、弟進に向井理のコンビが繰り広げるちょっとおかしくてほろ苦い物語です。
 早くに両親を亡くした小野寺家では商店街の眼鏡屋の店員より子と調香師の進の姉弟が多少のトラブルはあるものの平和に暮らしていました。そこへ1通の誤配された手紙が届きます。世話好きというか好奇心旺盛のより子は進を伴って届けに行くのでした。そして魅力的な薫(山本美月)と出会います。失恋の痛手を引きずる進を心配しているより子は薫との出会いをチャンスと思います。一方眼鏡店を定期的に訪れる営業の浅野(及川光博)からより子は誘われます。さてそれぞれの恋はいかに・・・。
 姉と弟がお互いに思いやる気持ちが空回りし笑わせてくれたり泣かせてくれたりしますが、暖かさを感じさせる作品です。風水とか占いとかはあんまり頼っても仕方がないかもしれません。
 タバコは、場面としては少ないのですがさりげなく宣伝し、周囲で喫煙していました。(×)病院の屋上に灰皿があり喫煙者がいましたが、最近の病院には喫煙所はないのが当たり前です。
 タバコではないのですが、進の仕事が調香師ということで、花王が協力をしています。受動喫煙の被害で化学物質症になったひとはタバコの煙の次に「芳香剤」で反応が出るようになります。車の芳香剤や消臭剤、そして一番困るのが洗濯で使う柔軟剤のあの香りです。一番の香りは「無」だということをメーカーさんにはわかってほしいものです。


ウィークエンドはパリで

2014-10-26 | 2015以前の映画評


「ウィークエンドはパリで」 PG12 ロジャー ミッシェル監督 英 ×

 結婚30年を記念して新婚旅行で訪れたパリを再訪した夫婦が迎えた人生の危機を描いています。
 英国からニック(ジム ブロードベント)とメグ(リンゼイ ダンカン)はパリの思い出のホテルに到着しますが、なんとも狭くてみじめな客室にメグは怒って、最高級ホテルのそれもスイートルームにチェックインします。そこから夫婦の無謀な旅は始まります。実はニックは教師の職を解雇されていたのです。夫婦の仲は険悪になりますが、そんな時ニックの旧友モーガンに出会います。彼は若い女性と再婚し、その上何冊もの本を出版しています。そして、新刊書の記念パーティに二人を招待するのでした。
 ベテラン俳優のコミカルでそれでいて疑いや怒りを含ませた微妙な表情を見せる演技が見所です。成功して能天気なモーガンも対照的で良かったです。ラストで3人が踊るダンス(ゴダールの映画から)を見ていると「いろいろあるけどまあ人生はなんとかなるかもね。」と思わせるオープンエンディングでした。
 タバコは、ニックが喫煙者の設定で、モーガンの息子とハッパを吸う場面がありました。(×)ホテルのバルコニーで喫煙するのはいかがなものでしょうか。近所の部屋は迷惑ですよね。なお、パリのレストランにはどこも禁煙マークが入り口にきちんとありました。


ぶどうのなみだ

2014-10-24 | 2015以前の映画評


「ぶどうのなみだ」 三島有紀子監督 ◯ ⭐️

 北海道空知を舞台にしています。兄はワインを作り、弟は小麦栽培をして静かに暮らしている兄弟のもとへ現れた不思議な女性とのちょっとメルヘンな物語です。
 指揮者として認められてきた矢先、突発性難聴で挫折し、故郷空知の弟の元へ戻ったアオ(大泉洋)は頑なにワイン作りに精魂を込めていますがなかなか思うようにはいきません。一方、弟のロク(染谷将太)は母、兄、父といなくなった家を小麦栽培を続けながら兄がもどるまで一人で守ってきました。そんな兄弟の元に突然キャンピングカーでエリカ(安藤裕子)がやってきていきなり穴を掘り始めるのでした。笑顔を忘れたアオに笑顔はもどるのでしょうか。
 要所要所で登場する一本のぶどうの古木が物語を支えています。登場するおまわりさんや郵便屋さんなど現実感はありませんし、生々しい展開や、アクションもありません。でも、たまにはこういうおだやかな作品もよろしいのではないでしょうか。江波杏子さんがさすがの貫禄でした。
 ちなみに偶然筆者は9月に有機栽培の最高においしいぶどうと出会いましたが、その生産者曰く「いいぶどうを育てるのは土壌のpHと窒素の加減」だそうです。アオさん参考になるかしら。
 タバコは、なし。無縁です。「しあわせのパン」で無縁映画賞作品賞を受賞した三島監督の新作も無煙で嬉しいです。
 主役の大泉洋の顔色がちょっと気になります。余計なお世話ですが、お身体大切に。


ジェラシー

2014-10-24 | 2015以前の映画評


「ジェラシー」 フィリップ ガレル監督 仏 ×

 恋愛し、同棲し、結婚し、子供ができて、離婚して、また恋をして、また別れて・・・ 
 子供はその大人の間で振り回され、「愛している」とみんな口にするもののそれはその時だけということを子供の方が悟っているというちょっとかなしい現実です。
 「ジェラシー」というタイトルから想像されるような修羅場は全くありませんが、この作品のような男女を見ているといっその事「一夫一婦制」とか「結婚」そのものを廃止した方がみんなハッピーなのではないかと思います。いわゆる未開地と言われているところの「通い婚」などの「原始的」と言われている制度の方がずっと子供を大切にするし、男も自分の女兄弟の子供を自分の子として養うため経済的にも母親一人の負担にならないので合理的なのではないかと考えさせられました。映画とは直接関係はないのですが。
 タバコは、恋人との関係が不安定になった時レストランの外で新しい恋人候補の前で喫煙します。「久し振りに吸ったわ。」といいわけを言うのですが、なんでタバコを持っているわけ?ずっと持ち歩いていたのでしょうか。不思議です。(×)


イーダ

2014-10-24 | 2015以前の映画評


「イーダ」 パヴェウ パヴリコフスキ監督 ポーランドデンマーク ××××

 60年代初頭のポーランドが舞台です。戦争孤児として修道院で育てられたアンナはある日院長から「あなたには叔母がいる」と告げられます。正式に修道女になる前に会ってみようと旅に出ます。叔母からは「あなたの両親はユダヤ人」と言われ、叔母とともに出生の秘密を知るための旅に出ます。旅先では両親が住んでいた家には別の家族が住んでいて叔母は「両親は殺された」と確信します。実は叔母の一人息子も共に殺されていたのです。一方、ヒッチハイクで車に乗ってきたサックス演奏者にアンナは初恋をします。さまざまな体験をし、「イーダ」は「アンナ」に戻るのでした。
 タバコは、叔母が終始喫煙していました。60年代なので喫煙率は高かったかもしれませんが、異常に吸いすぎです。喫煙で苦しい胸の内を演出するのはやめていただきたいものです。(××)また初恋の相手も喫煙者(×)、周囲にも喫煙者(×)、イーダも一度喫煙します。ポーランドは今でも喫煙率が高いのでしょうか。


プロミスト・ランド

2014-10-24 | 2015以前の映画評


「プロミスト・ランド」 ガス ヴァン サント監督 米 ◯ ⭐️

 次世代エネルギーとして期待されているシェールガス事業の最前線で起きている大企業の姿を描いています。 
 スティーヴ(マット デイモン)はシェールガスを開発しているグローバル社の有能な社員でした。昇格も保障され自信たっぷりに新規開発のマッキンリーという農場以外何もない田舎町に同僚のスー(フランシス マクドーマンド)と共に乗り込みます。スーツからフランネルのシャツに着替え、革靴からブーツに履き替え、「田舎出身者」を演出し、巧みな交渉術で次々農場主からサインをもらいます。今回も楽勝かと思った住民集会で元科学者の高校教師から「本当に安全なのか。」と問いただされます。その上なんと環境活動家(ジョン クラシンスキー)が街に現れ、自分の故郷「ネブラスカ」で牛が死んでいる写真を配って反対運動を始めるのでした。スーは彼を買収しようとしますが失敗するのでした。このままでは住民投票で負けるかもしれない事態に迫った時本社から郵便が届きます。そこには驚愕の真実が記されていたのです。「これで勝てる」と信じた時、再度のより驚愕の真実をスティーヴは知るのでした。
 大企業はここまでするのかという告発映画でもあります。ドラマとしても出演者の好演で一級の作品となりました。特に環境活動家のジョン クラシンスキーがうまかったです。
 タバコは、街にひとつのバーの外でタバコを持っている人がちょっと映りましたが、おまけの◯です。


ふしぎな岬の物語

2014-10-21 | 2015以前の映画評


「ふしぎな岬の物語」 成島出監督 ×

 実在する岬にある喫茶店での物語をベースに、吉永小百合が制作に参加して実現した映画です。
 岬の先端にあるカフェの店主悦子(吉永小百合)がいれるおいしいコーヒーを求めてやってくる常連客やふしぎな力で引き寄せられるようにやってくる父子やドロボーなどが繰り広げるいくつかの挿話でひとつの物語にしました。サユリストが喜ぶファンタジーです。
 見せ場は「おいしいコーヒーの入れ方」と阿部寛(悦子の甥浩司役)のローマンな(?)裸体でしょうか。
 鯨唄祭の再現と金子みすゞの「鯨法会」の詩が物語と直接関係はありませんがよかったです。ブラザーズ5もまあよかったかな。小池英子が出て行ったきりになってしまったのがちょっと気になります。
 何年も前に死んだ夫の呪縛から解き放され真に再生する悦子の姿が印象的でした。
 タバコは、冒頭で漁師役の笹野高史が喫煙、その後胃がんで死んでしまいます。笑福亭鶴塀も退職を迫られたときに外で喫煙し、「ひとりでタバコを吸ったりして何かあったの?」と悦子に聞かれる場面がありました。(×)そのほかの結婚式やお祭り等の場面ではタバコはありませんでした。 


グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

2014-10-21 | 2015以前の映画評


「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」 オリヴィエ ダアン監督 仏 ×××

 ハリウッドの人気女優だったグレース ケリーがモナコ大公と結婚し、その6年後国家的危機を彼女が救ったという事実に基づいた作品です。
 モナコ公妃となって子どもにも恵まれ幸せな生活を送っているはずのグレース(ニコール キッドマン)でしたが、実は夫とはすれ違いの生活で、その上パーティーの場で自分の意見を述べると「ここはアメリカじゃない。」と否定され、自分を見失いそうになっていました。そんなときヒッチコックから「映画に復帰しないか」と誘われ心が揺れます。一方、モナコをフランス領にしようとするドゴール大統領の声明が発表されます。家族と国家を救うためグレースにしかできないクライマックスを迎えるのでした。
 単なるおとぎ話ではなく、ひとりの女が男社会で仕事をするという緊張感が伝わる内容でどんな職種の女性たちにも共感を得られる作品です。サスペンスの要素もあり面白い作品となりました。
 タバコは、大公(ティム ロス)がほとんどの場面で喫煙(××)。グレースも一度だけライターでタバコに火をつけようとする場面がありました。また、周囲の側近たちも喫煙場面がありました。(×)また、ライターの音をかなり効果的に聞かせているのが気になりました。
 

聖者たちの食卓

2014-10-09 | 2015以前の映画評


「聖者たちの食卓」 フィリップ ウィチュス&ヴァレリー ベルト監督 ベルギー ○

 インドのシク教総本山である「黄金寺院」で毎日巡礼者や旅行者に無償で10万食の食事が提供されています。そのようすを追ったドキュメンタリーです。
 宗教も人種も性別も階級も関係なく、すべての人が同じ食事を提供されます。カースト制の厳しいインドで600年も続けられてきました。10万食のすべてが手作業で調理されます。誰の指図を受けるわけでも強制された訳でもなく、老若男女のボランティアたちは淡々と作業を進めています。修行と言うほど厳しいものではなくレクリエーションと言えるほど遊び心はなく、ただ静かに作業をする姿は感動的でさえあります。若者の参加者も多くこういう作業に参加して自己実現をしていれば犯罪を犯すことはないのではないかと考えさせられました。
 タバコはなし、無煙です。この無料食堂のルールの一つに「酒、タバコ、革製品の持ち込み禁止」があります。