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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years

2017-01-03 | 2016外国語映画評


「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」 ロン ハワード監督 英 ☓☓

 公式のドキュメンタリー映画です。
 「ザ・ビートルズ」としてのデビュー前から主にはアルバム「マジカルミステリーツアー」完成までのツアーに明け暮れていて心から「HELP!」と叫びたくなるような忙しい日々を追っています。日本公開作品には来日時のエピソードなども加えられた特別版になっています。
 観客は「その後」を知っていますが、歴史家の加来耕三さんがよく言っていますが、「歴史の当事者たちはその後どうなるのかを知っているわけではない」の言葉通り、彼らも21世紀にモーツァルトと並び称されるとは思いもしていないのです。二十歳を過ぎたばかりのガキ(本人たちいわく)が「常識的な大人たち」を相手に音楽的な革新だけでなく、社会にも変革を与えていた事実は歴史的に評価されてもいいのではないかと思います。特に来日時、武道館を使用するということで政治的な団体から攻撃を受けていたことは知りませんでした。今では信じられないことですね。また、アメリカの黒人社会に与えた影響の大きさとキリスト教会との確執も初めて知ることでした。ファンだけではなく多くの人に観てほしい作品です。
 タバコは、メンバーが記者会見などの場面で誰かしら喫煙していました。その後、ドラッグにも手を出していくこともあり、やはりタバコは「ゲイトドラッグ」なようです。(☓)また、静止画像なのにタバコから煙がモヤモヤと立ち上がる場面が何回かあり、ロン ハワード監督の常識を疑いました。(☓)


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ある天文学者の恋文

2016-12-31 | 2016外国語映画評


「ある天文学者の恋文」 ジュゼッペ トルナトーレ監督 伊 ◯

 「ニュー・シネマ・パラダイス」「鑑定士と顔のない依頼人」の名匠トルナトーレ監督がデジタル時代だからこそのリアルなファンタジーを描きました。
 天文学者のエド(ジェレミー アイアンズ)と教え子のエイミー(オルガ キュリレンコ)は恋人関係にありました。2ヶ月ほど出張に出たエドでしたが、エイミーの元へ突然訃報が届きます。現実を受け止められず、エイミーはエドを探しますが、そんなエイミーのもとにエドからの手紙やメッセージを録画したDVDが届くのでした。エイミーはエドの痕跡を追ってその謎を解こうとするのでした。
 イタリア映画ですが、英語の作品なのがなんとも残念です。興味深かったのはエイミーが映画のスタントのアルバイトをしていることで、いきなりアクションドラマになったり、さまざまな細工の様子が見られたり、ストーリーとは直接(間接的には関係が実はあるのですが)関係ない場面が面白かったです。
 手紙のトリックなどはなんとなく察することができるので驚く仕掛けはありませんでした。前作の「鑑定士と顔のない依頼人」が面白かったので期待していましたがちょっと拍子抜けでした。
 タバコは、なし。無煙です。87番ではずっとタバコを吸っていたジェレミーが今作では無煙でした。

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奇蹟がくれた数式

2016-12-29 | 2016外国語映画評


「奇蹟がくれた数式」 マシュー ブラウン監督 英 ☓☓☓

 「アインシュタインと並ぶ天才」とも称されたインド人数学者ラマヌジャンと、彼を見出したイギリス人数学者ハーディを描いた伝記映画です。
 1914年ケンブリッジ大のハーディ教授(ジェレミー アイアンズ)のもとにインドから1通の手紙が届きます。そこには素晴らしい数学的発見が書かれていました。独学で数式を発見しているラマヌジャン(デヴ パテル)を周囲の反対を押し切って大学に招聘します。あまりにも天才的なラマヌジャンはハーディ以外の教授から嫌われます。また、宗教の違いなどから差別をされます。一方、ラマヌジャンは実は結婚していて妻を呼び寄せたいもののある事情からそれができませんでした。
 時代は戦争の時代となり、ラマヌジャンも病魔に侵されていくのでした。
 「どうやって数式を発見したのか」という質問に「女神が教えてくれる」と答えるインド人は当時のイギリス人には理解を超えた存在だったため、その才能が十分に発揮されなかったことが残念です。
そういえば女子学生がひとりもいなかったけれどそういう意味でも差別的な時代だったのですね。
タバコは、ハーディ役のジェレミー アイアンがほとんどの場面で紙巻き、またはパイプで喫煙していました。(☓☓☓)ハーディと常に同じ部屋で研究をしていたからラマヌジャンが呼吸器系の病気になったのかもしれません。


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ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

2016-12-28 | 2016外国語映画評


「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」 ギャレス エドワーズ監督 ◯

 「スター・ウォーズ」のメインストーリー(サーガと呼ばれる)から派生した作品で、いわゆる物語の時間的には旧3部作の以前に起きた出来事です。
 凶悪な銀河帝国対反乱軍の戦闘が続くなか、帝国の秘密兵器の設計のために科学者の父親を拉致されてしまいます。そのときに母親は殺され、一人逃げた娘ジン(フェリシティ ジョーンズ)は成長し、反乱軍のスパイとして帝国の基地に侵入し、秘密兵器の設計図を盗み出す作戦に志願するのでした。惑星一つを破壊することも可能と言われる秘密兵器「デス・スター」を帝国の手から奪い取ることができるのでしょうか。
 「スター・ウォーズ」に関連する物語ではあるものの「サーガ」とは別のものなので、あの冒頭のオープニング・クロールはありません。おなじみのキャラクターもちょっとご挨拶程度に登場するだけです。もちろん音楽もあのテーマはごく一部で使われ「別のもの」であることをはっきりさせています。今後「別のもの」が制作できるかどうかはこの作品の成功にかかっていると思われます。(噂では次の主役はあのハン・ソロらしい。)
 感想としては、空中戦だけでなく、ジャングル内での戦闘シーンもあり、どうしても「ウォー」主体です。映像に新鮮さはありませんが、物語の部分は面白いです。ただ、音楽がにぎやかすぎ。もっと抑えた方が効果的なのではないでしょうか。
 これからは「年に一度はスター・ウォーズ」の時代になるのかもしれません。
 タバコは、なし。無煙です。
 

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ラサへの歩き方 祈りの2400km

2016-12-26 | 2016外国語映画評


「ラサへの歩き方 祈りの2400km」 チャン ヤン監督 中国 △

 チベットの小さな村から聖地ラサとカイラス山への2400キロを「五体投地」で巡礼の旅をする11人の老若男女の姿を描いたロードムービーです。
 様々な理由から巡礼の旅に出て、気象条件や事故に見舞われながらも、常に祈りを捧げ、時には笑ったり、歌ったり、お金が足りなくなると働いて稼いだり、他の人の分を「五体投地」してあげたり、11人が協力し合いながら1年を過ごす姿が描かれています。
 何が起きても動ずること無く、穏やかに解決してゆく姿は日本の競争社会の中で生きている我々には大変新鮮です。「祈ること」や「生きること」の意味を考えさせてくれます。
 タバコは、村の場面で喫煙する場面がありました。


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92歳のパリジェンヌ

2016-12-25 | 2016外国語映画評


「92歳のパリジェンヌ」 パスカル プサドゥー監督 仏 ◯

 小説家のノエル シャトレが書いた、92歳の母親が自らの人生を終える日を決め実行した経緯を表した小説「最期の教え」を映画化しました。
 92歳の誕生会に家族が集った席で、母親から2ヶ月後に自分で最後の日にすると宣言されます。娘も息子も動揺します。娘は母親をさまざまな形で説得しますが、「自分の意志で動けるうちに実行したい。」という母親の意思は固く、娘は苦しみながらも母親の決心を受け入れるのですが、息子の方は全く受け入れられないのでした。
 「階段が昇れない。」「荷物が持てない。」「車の運転ができない。」などのチェック項目全てに☓がついて最後を決心する姿はある意味では大変合理的です。フランスでは大きな社会問題となったようですが周辺国では安楽死が合法でいずれ日本国内でも議論となることでしょう。日本人にとってはこの「最期の教え」が「最初の教え」です。
 身近にいるアフリカ系の人々が要所要所で「白人社会」に対して「別の価値観」(カタカナ語では
オルタナティブ)を示していて興味深いものがありました。
 タバコは、なし。無煙です。
 

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太陽のめざめ

2016-12-16 | 2016外国語映画評


「太陽のめざめ」 R15+ エマニュエル ベルコ監督 仏  ☓☓☓☓☓

 社会の問題児となっている子供と判事の10年の心のふれあいを描きました。
 マロニーが初めて判事(カトリーヌ ドヌーヴ)のケースとして出会ったのは彼がまだ6歳のときでした。母親から侮辱的な言葉を浴びさられ「いないほうがいい」と置いて行かれたときでした。その後もマロニーはさまざまな問題行動を起こし判事の前に現れますが、教育係や施設の職員の献身的な関わりや判事の励ましを通してなんとか刑務所に入らずにすんでいました。恋をされたことがきっかけとなり一人の人間として成長してゆくのでした。
 フランスの社会で逆境に置かれた子どもたちを精神的に支えていこうという取り組みが描かれ、犯罪者にしないように、暴力を振るわれたり、暴言をはかれたりされても、諦めず子供を信じて向き合っていくスタッフたちが感動的です。ドヌーヴはもちろんのこと初主演のロッド パラドそして6歳のマロニーを演じた子役の名演技が冒頭からラストまで緊張感あふれる作品に貢献していました。
 更生施設が自然豊かな場所にあってそれだけで荒んだ心を癒やしているようでした。また、アラブ人、アフリカ人、アジア人、などさまざまな民族の子どもたちが平等に対応されていてまさに「自由、平等、博愛」の精神に満ちた作品です。実際ラストシーンで三色旗が誇り高く翻っていました。
 内容的には日本の子供関連の仕事をしている人に観てほしいのですが、唯一問題なのは、更正施設の時間割の中に「喫煙タイム」があって職員がタバコを配ってみんなでタバコを吸うことです。精神の安定をニコチンという薬物に頼っているようで、納得できない場面でした。
 タバコについては、他にも問題は多く、スタッフの喫煙率も高く、妊婦の前や子どもの前でも喫煙していて奇妙な感じでした。フィリップモリス社がドメスティック・バイオレンスをなくすオレンジリボン運動に資金援助している活動を彷彿とさせ、この作品全体に妙に嫌な感じを受けました。


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マダム・フローレンス!夢見る二人

2016-12-14 | 2016外国語映画評


「マダム・フローレンス!夢見る二人」 スティーブン フリアーズ監督 米 ☓☓NTS

 実力は伴わないものの音楽を愛する心では誰にも負けないマダムがカーネギーホールに挑戦した実際にあった物語です。
 フローレンス(メリル ストリープ)はソプラノ歌手が夢で友人たちを招いて小さなコンサートをしていました。夫のシンクレア(ヒュー グラント)は愛する妻のため批評家を買収したり、好意的な人集めをしたりして成功のために奔走します。戦争が深刻になりつつあった頃、復員した兵士たちを招いてカーネギーホールでコンサートをすることにします。伴奏のピアニストを選びレッスンを開始するのですが・・・。
 フローレンスの人には言えない苦しみを音楽だけが癒やしてくれたという告白場面は泣かせます。ただ、資金がたくさんある資産家だからできたこと、という限界は感じさせられました。カーネギーホールのアーカイブで一番人気というきっかけがあってこその作品です。
 フローレンスの窮地を救ったのが真逆のタイプの女性だったというのは最高の見せ場でした。
 タバコは、シンクレアがフローレンスのいないところでしばしば喫煙、(☓)シンクレアのガールフレンドも喫煙していました。(☓)


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ファンタスティック ビーストと魔法使いの旅

2016-12-01 | 2016外国語映画評


「ファンタスティック ビーストと魔法使いの旅」 デビッド イエーツ監督 米 ◯

 「ハリーポッター」シリーズの原作者が脚本も担当し、今度は「幻獣」を求めて世界を旅する「ニュート スキャマンダー(エディ・レッドメイン)」を主人公にした新しい魔法使いドラマの始まりです。
 魔法動物コレクターのニュートはある動物を探しにニューヨークへやってきました。しかし、ちょっとしたトラブルで動物を入れていたトランクとパン屋のジェイコブ(ダン フォグラー)のトランクを取り違えてしまい、合衆国魔法議会のお尋ね者になってしまいます。その上逃げ出した動物たちがいたずらをしててんやわんやの騒動が始まるのでした。
 魔法動物たちがいきいきと描かれ想像力の豊かさと映像技術の巧みさに感服します。映像技術といえば破壊される建物と復活する建物の描写など目を見張ります。「ハリーポッター」ファンが大人になってきているので新シリーズの登場人物が主に大人になりラブロマンスもチラリと描かれファンにとっては等身大の物語となっているのも魅力です。
 タバコは、なし。無煙なのですが、「闇社会の黒幕」のような役割の動物が葉巻状のものを口にしています。煙はなく、食べていたように見えるので、「シガー型の食べ物」のようでした。(◯)


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手紙は憶えている

2016-11-10 | 2016外国語映画評


「手紙は憶えている」 PG12 アトム エゴヤン監督 カナダ独 ◯

 いわゆるナチの残党狩りを描いた作品の範疇ですが、いくつかひねりがあり予想を超えたラストが衝撃です。
 ゼヴ(クリストファー プラナー)は妻が亡くなったことも忘れてしまうほど認知症が進んでいます。老人施設で知り合ったマックスと二人の家族をアウシュビッツで殺したナチの生き残りを成敗する計画を立て実行します。すぐに忘れてしまうセヴのためにすべての行動はマックスが手紙に書いて指示してくれました。その手紙を手に施設を抜け出したセヴは一人ずつ追い詰めていきます。果たしてセヴの復讐は叶うのでしょうか・・・。
 90歳になってもナチを追う執念が凄まじいです。日本のように戦争責任が曖昧なまま70年を過ごしている日本人とは全く違う精神性が描かれています。先日ナチの軍服にそっくりな衣装が世界的な大問題になっていましたが、関係者には是非この作品を見て歴史の勉強をしてほしいものです。
 一筋縄ではいかない展開で緊張感がある物語な上に出演者がそれぞれ好演をしていて重厚なサスペンスとなりました。
 タバコは、なし。無煙です。山のような吸い殻がはいった灰皿とビールの空き缶でそこに住む人の生活レベルを表現していました。

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