無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「チャンシルさんには福が多いね」 キム チョヒ監督 韓国 ○

2021-04-12 | 2021映画評


「チャンシルさんには福が多いね」 キム チョヒ監督 韓国 ○

 40歳になる女性が急に失業し、自身の人生を取り戻そうとあたふたする姿を軽くコメディタッチで描きました。
 チャンシル(カン マルグム)は映画プロヂューサー一筋の人生でしたが、担当していた監督が急死したため彼女も職をなくします。女優に拾われ家政婦の仕事をもらいながら郊外に間借りしてほそぼそと暮らしていました。女優の部屋で知り合ったフランス語の家庭教師に惹かれますが彼は「お姉さん」としての意識しかありません。「私の人生は何だったの?」と悶えるチャンシルの前に不思議な男の幽霊が現れちょっとしたアドヴァイスをしてくれるのでした。チャンシルさんの人生はいかに・・・。

 のほほんとした雰囲気が全体を包み込み、人生に切羽詰まった女性の物語をほのぼのと語ります。幽霊が登場と言っても韓国映画得意のゾンビ型ではなく、血しぶきや暴力はまったくなく、古臭いランニングと短パンをはいていてちょっと笑えます。「あなたは韓国映画界の宝」と持ち上げていた社長が「あなたの仕事って大したことやってないわよね。」と手のひらを返す対応もなんとなく「業界あるある」って感じです。
 それでも全体を通して映画愛に溢れた作品で映画ファンには嬉しいセリフがそこここにあり楽しいです。「道は険しく果てしがなくても真っ直ぐに進もうよ」というラストのメッセージが人生に迷う人を少しですが励ましてくれます。大げさではないところが好感を持てます。

 タバコは、なし。無煙です。


「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」 橋下一監督 ✗

2021-04-10 | 2021映画評


「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」 橋下一監督 ✗

 韓国ドラマのリメイク劇場版です。
 不思議な無線機によって2009年の捜査員大山(北村一輝)と現在の捜査員三枝(坂口健太郎)は情報を交換することができます。政府高官が交通事故で亡くなる事件が起きます。その遺体から存在しないはずの猛毒物が発見されました。その毒物はかつて一般市民を狙ったテロ事件に使われ多くの犠牲者を出していました。当時大山はその現場にたまたま居合わせ救護活動をしていました。その毒物はその後はすべて回収後警察内部にだけ残されていたものでした。捜査班が調べてみると実は2009年にも同じような事故が続けて起き2名の犠牲者がいました。テロの残党がまだ存在しているのか、警察にあるはずの毒物を盗み出したのは一体誰なのか?

 主役が活躍するのはわかりますが、こういうドラマではいつも一人が孤軍奮闘していて他の人は一体何をしているわけ?と思います。今作も坂口版「ダイハード」って感じでした。
 内容的には警察とか公安とか政府とかのメンバーが組織に都合悪い人はどんどん切っていくわかりやすい展開ですが、復讐が過激すぎるのではないでしょうか。

 タバコは、2009年の場面で大山や警察官が喫煙していました。(✗)




「騙し絵の牙」 吉田大八監督 ✗✗ ☆

2021-04-10 | 2021映画評


「騙し絵の牙」 吉田大八監督 ✗✗ ☆

 出版界を舞台に作家の塩田武士が「大泉洋」を主役にアテガキした小説を大泉洋が主演して映画化しました。
 老舗の出版社薫風社の創業者が急死し、出版不況の中社内は混乱し、勢力争いが表に出てカルチャー雑誌「トリニティ」も存続の危機にありました。そんな中編集長の速水(大泉洋)は「売れる雑誌」にするためある奇策に出ます。編集者たちは速水に振り回されながらもなんとか廃刊を避けるためさまざまな企画を練るのでした。

 同じ会社内でも階が異なるだけで出版物の内容は大きく異なり、それだけでなくお互いがライバルにもなってしまうという組織の醜さが描かれています。結局観客は騙されてしまうのですが、どう騙されるかはネタバレになるから書けません。「なあんだそうきたか」って感じです。
 ラストが素晴らしい。松岡茉優、小林聡美、そして塚本晋也の演技に拍手。ネタバレになるからどう素晴らしいか書けないのが残念ですが。みんな本屋さんが大好きっていう設定も好感が持てます。筆者も最近某通販サイトは極力避け書店で購入するようにしています。本屋は知識の森ですよね。

 タバコは、社長におさまった東松「トーマツ」役の佐藤浩市が会議中でも喫煙し、あだ名も「機関車トーマツ」佐藤浩市1960年生まれ、いつまでも喫煙できる年齢ではない。監督が命取りになるかも・・・。気をつけよう。


「ゾッキ」 竹中直人、山田孝之、斎藤工監督  ✗✗

2021-04-09 | 2021映画評


「ゾッキ」 竹中直人、山田孝之、斎藤工監督  ✗✗

 漫画家大場裕之の初期の作品「ゾッキA」と「ゾッキB」の30本の短編からエピソードを組み合わせ3人の監督が1本の作品に仕上げました。
 ワケアリで故郷蒲郡の実家に戻ったりょうこ(吉岡里帆)と祖父(石坂浩二)との何気ないやり取りから話は始まります。が、あれこれの物語が登場し最終的には「秘密を持った人たち」が社会の中でそれぞれ色々ありながら暮らしていてすれ違っても気が付かないけどお互いにまあ生きていこうか・・・。といったような感じです。

見どころはキャストの豪華さ、で石坂はじめ松田龍平、國村隼、鈴木福、竹原ピストルなども登場します。若いところでは森優作と伴くんを演じた九条ジョーが印象に残りました。

 タバコは、あちこちのエピソードで喫煙場面があって、原作が古いから仕方がないかもしれませんがコロナの時代にまだタバコかよ、って感じは否めません。タバコのフィルターなどのプラゴミも海洋汚染してるし、映画界は時代の変化を考えていないのかね。(✗✗)


「ノマドランド」 クロエ ジャオ監督 米 ✗✗

2021-04-09 | 2021映画評


「ノマドランド」 クロエ ジャオ監督 米 ✗✗

 ジェシカ ブルーダーのノンフィクション「ノマド 漂流する高齢労働者たち」をフランシス・マクドーマンドを主役に映画化しました。
 ファーン(マクドーマンド)は唯一の企業で成り立っていた「エンパイア」という街で暮らしていましたが、その企業がなくなり夫も病で亡くし、考えた末古臭い愛車でひとり西部へ向かいます。クリスマス前の繁忙期には「アマゾン」で季節労働をします。それがすぎるとファミレスなどでバイトの仕事を続けます。キャンプ用の車で移動しながら暮らす「ノマド」仲間もできましたが、心の奥には孤独を抱えそれを大切にできる「ノマドライフ」を続けるのでした。

 季節労働を渡り歩く労働者は日本にもいますが、多くは「自分探しの若者」というイメージです。「高齢の季節労働者」という位置づけが日本より先を行くアメリカらしい存在です、キャンプ用の車を住処にするというのもアメリカ的です。コロナ以降都会離れの一つの形として「日本版ノマド」も出てくるかもしれません。
 アメリカ西部の自然が美しく描かれていました。

 タバコは、ファーンが喫煙者で何回か喫煙しました。(✗)タバコを吸うために外に出てそこで交流するという「モクコミュニケーション」が描かれ演出に古臭さを感じました。(✗)
 ファーンが喫煙するのを気にして「代替えニコチン」をプレゼントする友人が登場しましたがこちらは現代的でした。
 ファーンの夫もきっとタバコ病で苦しみながら亡くなったのでしょう。それには気が付かないのがやっぱりタバコに関しての情報不足です。


「KCIA 南山の部長たち」 PG12 ウ ミンホ監督 韓国 ✗✗✗

2021-04-06 | 2021映画評


「KCIA 南山の部長たち」 PG12 ウ ミンホ監督 韓国 ✗✗✗

 1979年に起きた韓国大統領朴正煕暗殺事件を題材にしたノンフィクション小説が原作です。
 大統領直属の諜報機関通称KCIAの部長キム ギュピョン(イ ビョンホン)はアメリカの議会で韓国の腐敗政治を告発した元同僚のパク(クアック ドウォン)と内密に会い事態の収拾を図ろうとします。国民のデモは拡大し抑え込むために軍部は大統領に戦車で轢き殺せばすむこと、と主張し、野党と話し合うよう説得するキムを弱腰であると遠ざけます。
 国を思う心と大統領への忠節そして自分自身の野心などの思いがキムを追い詰めていくのでした。

 国民を戦車で轢き殺せと主張する軍人の姿は今もミャンマーで繰り返されています。軍隊は結局は国民を抑え込むための組織で軍人の銃は常に国民にも向けられているのです。と再確認させられる作品です。

 タバコは、ほとんどの登場人物が喫煙者でした。(✗✗)その上大統領がタバコを手にするとサッとライターの火を差し出す姿が関係の親密さを暗示させる行為として度々用いられていました。(✗)


「奥様は、取り扱い注意」 佐藤東弥監督 ○

2021-03-28 | 2021映画評


「奥様は、取り扱い注意」 佐藤東弥監督 ○

 工作員の妻とエリート公安の夫の夫婦を描いたテレビドラマの劇場版です。
 工作員の菜美(綾瀬はるか)はある事件で記憶をなくしてしまいます。夫の勇輝(西島秀俊)は公安の上層部から、別の夫婦として海ベの地方都市で新たな生活を始めます。ところが、その街では新エネルギー開発をめぐるロシアを巻き込んだ陰謀が潜んでいました。新エネルギー開発賛成派と反対派は市長選をきっかけに動きが活発になるのでした。そんな中反対派のグループは次々いわく有りげな男らに襲われたり、事務所を荒らされたりといった嫌がらせを受けます。実は真実を伝える「ある証拠」が存在していたのです。果たして美しい海を乱開発から守ることができるのでしょか。

 暴力で反対派を蹴散らそうとする権力の姿や、美しい海を荒らして利権を得ようとする開発派の姿はいやでも沖縄の基地建設を思い起こさせます。娯楽映画でありながら観ようによっては結構社会派で面白い作品です。
アクションがハリウッドの超人間的な「どうせCGでしょ」と思わせるものではなく、たしかに人が生身で動いてる感があり、自然で良かったです。

 タバコは、なし。無煙です。冒頭の場面で「路上喫煙禁止です。」というアナウンスが流れていました。

「ブレイブ ―群青戦記―」 PG12 本広克行監督 ○

2021-03-28 | 2021映画評


「ブレイブ ―群青戦記―」 PG12 本広克行監督 ○

 笠原真樹の人気コミックを実写映画化しました。
 滋賀県にあるスポーツ強豪校は雷が不思議な大岩に落ちたことがきっかけとなり戦国時代にタイムスリップします。突然武器を持った獰猛な兵士がなだれ込み次々生徒を殺戮していきます。そこへ後の徳川家康の軍が現れ事態を鎮静させますが、数名の仲間が人質になってしまいます。なんと織田軍の砦に捉えられていたのでした。弓道部の蒼(あおい 新田真剣佑)と家康(三浦春馬)は救出するための策を練りその結果、先陣として織田軍と闘うのですが・・・。

 冒頭の殺戮シーンは「バトル・ロワイアル」でラストは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」って感じです。その後この学校はどうなったのか全然わからないのがちょっと残念というか消化不良です。
タイムトラベルしたらもっと楽しい話にもできるのではないかと思います。高校生が戦国時代に行っても勝てる訳ありません。チアリーディングが兵士たちに大受けに受けるとか「茶道」を茶道部員が利休に教えたり、野球をみんなで楽しんで新しい遊びができたりとかもっと愉快なタイムトリップをしてほしい。「ちょんまげぷりん」や「本能寺ホテル」が懐かしい。

 タバコは、なし。無煙です。


「まともじゃないのは君もいっしょ」 前田弘二監督 ✗ ☆

2021-03-27 | 2021映画評


「まともじゃないのは君もいっしょ」 前田弘二監督 ✗ ☆

 予備校講師の大野(成田凌)と女子高生香住(清原果耶)との会話が楽しい高田亮の脚本が見どころ(聞き所)です。
 数学一筋に生きてきた大野ですが、生徒の香住から「普通じゃないよ」と指摘されその上「そんなじゃ結婚できないよ。」とまで言われてしまいます。ちょっとあせった大野は普通になるための特訓を恋愛雑学だけは豊富な香住から実践とともに指導されます。一方、香住は「子どもの未来を豊かにしよう」と本や講演会でメッセージを発し人気の宮本(小泉孝太郎)に魅せられているのですが、実は宮本には婚約者がいるのでした。

 成田と清原の掛け合いが漫才のようにたいへん面白く上質なコメディです。香住が「悪口を言って盛り上がる、ことは全然楽しくない。」と今のお笑い界とは真逆のことをいう台詞があるように、笑いを誘うセリフにイヤミがありません。そこがこの作品のポイントです。とにかくふたりの間合いのとり方ツッコみ方などが素直に笑える楽しい作品です。
 録音(小宮元)がすばらしく、貴重なセリフを一つ残らずきちんと再生していました。いくら脚本が面白くても聞き取れない下手な録音だとがっかりですが、この作はイライラする事なく聞き取ることができました。(☆)

 タバコは、宮本と話すため「出待ち」ならぬ「喫煙所待ち」を香住がし、喫煙している宮本と話していると、婚約者が現れ「禁煙したんじゃなかったの?」と問い詰められます。すると「この子が吸っていたのを取り上げたんだよ」と言い逃れをする場面がありました。人のせいにするんじゃないよ、宮本くん。結構マイナスイメージでしたね。(✗)


「ミナリ」 リー アイザック チョン監督 米 ✗✗

2021-03-27 | 2021映画評


「ミナリ」 リー アイザック チョン監督 米 ✗✗

 1980年代にアメリカのアーカンソー州に農業で一旗揚げようと移民してきた韓国系家族の姿を描きました。
 ジェイコブ(スティーブン ユアン)は妻モニカ(ハン イエリ)と娘、心臓が悪い息子デイビット(アラン キム)と新天地へやってきます。家はトレーラーハウスでとりあえずの仕事はヒヨコの雌雄の分別作業です。モニカは不満もありふたりはいつも喧嘩をしていました。子どもの世話をするため韓国からモニカの母親がやってきます。このハルモニが「おばあちゃんらしくなく」子どもたちには不評ですが、独特の人生哲学があり家族の緩衝帯となっていきます。
 農場は水不足や天候不良でなかなかうまくいきません。それでも逃げ出すことなくここでアメリカンドリームを叶えることができるのでしょか。

 キリスト教が一般的な韓国人なので教会ではすぐに受け入れられ、孤立はしません。もっと過激な(?)キリスト教徒も身近にいたり奇妙な水脈発見男がいたり不思議な世界でもあります。
 そんな中もっともしっかりしていたのはハルモニだったのかもしれません。彼女が持参した韓国人のソウルハーブ「ミナリ(芹)」が農場の奥の方で順調に育っていき彼らの未来を照らしていました。

 タバコは、父親のジェイコブが心臓が悪い子どもの前でも喫煙していました。いくら80年代とはいえちょっと問題です。(✗✗)