無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「ヤジと民主主義 劇場拡大版」

2024-02-23 | 2024映画評


「ヤジと民主主義 劇場拡大版」 山崎裕侍監督 ◯ ☆☆

 2019年、札幌での安倍首相(当時)が応援演説中ヤジを飛ばして警官に排除された事件と、その後の裁判を追ったドキュメンタリー映画です。2020年北海道放送の番組を追加取材など加え劇場版にしました。ナレーションは落合恵子です。
 「安倍やめろ」とヤジを飛ばした男性は数人の警官に囲まれズリズリと現場から引き離されます。別の女性も同様に女性警官に腕も取られほとんど拘束されます。また、ただ「老後の資金2000万円ありません。」という手持ちのプラカードを胸に抱えていただけで私服警官が前に立って見えないように遮ります。そして男性と女性の二人が司法に訴えますが・・・。

 安倍自民党を支持するプラカードはみんなが持っていても何もされないのに反対の意思を示しただけで法的根拠がなく拘束状態になってしまう。警官の言い訳は「危険な目に(あなたが)合わないように」と恩着せがましい態度を取る。全く「ヤジも言えない」ってどういうことでしょう。百歩譲って「演説を聞きたい人もいるから静かにしてほしい。」のでしたらプラカードや横断幕は問題ないはず。だいたいヤジくらいまっすぐ受けて「ご意見有り難く承りました。」くらいのことが言えなくて政治家になるな、と言いたいです。
 ただ、ロシアではプーチン批判の人が消されてしまい、それも他人事ではないような気がしてきました。そのへんのホラー映画より実はよっぽど怖い作品です。日本が「自由」で「民主的」だと誤解している皆さん必見の作品です。

 タバコは、なし。無煙です。ところで、「自由で民主的な」議員のみなさん特定の企業を国家が保護する「たばこ事業法」いいかげんに廃案にして!


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「ほかげ」

2024-02-21 | 2024映画評


「ほかげ」 塚本晋也監督 ◯ ☆

 戦後焼け残った小屋で春を売って暮らす女(趣里)と居着いた少年(塚尾桜雅 つかお おうが)、復員兵などで混沌とする闇市を舞台に描きました。監督のオリジナルです。

 女は斡旋する男から客をとってなんとか生きていましたがある時少年が大事な食料を盗みます。その後その少年と客で来た復員兵との奇妙な生活が数日続きます。ところが、女は病気になり少年を病気が感染るからと追い出します。少年は謎の男(森山未來)に一緒に仕事をしてくれと頼まれますが・・・。

 「ほかげ」というタイトル通り「火影」の光と陰が画面を覆っています。戦争から帰ったものの病んでいる人々が描かれ、男と仕事で出かけた田舎では天気もよく明るい光に包まれますが実は男が少年に手伝わせた仕事は戦争の酷い現実を明らかにするのでした。少年には女が願ったように犯罪を犯さずなんとか職を得てたくましく生きていってほしいと観客みんながきっと願っていることでしょう。塚尾桜雅の成長が楽しみです。
 
 タバコは、なし。無煙でした。


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「僕らの世界が交わるまで」

2024-02-20 | 2024映画評


「僕らの世界が交わるまで」 ジェシー アイゼンバーグ監督 米 △

 DV被害者の母子のシェルターを運営する母親と、ネット配信で投げ銭を稼ぐことばかり考えている息子とのすれ違いの母子はわかりあえるのか、監督自身が脚本を書いています。

エブリン(ジュリアン ムーア)は夫のDV被害で保護された母子の話を聞き、特に息子のカイル(ビリー ブリーフ)に関心を持ちます。自分の息子ジギー(フィン ウルフバード)とは違って素直にエブリンの話を聞き手伝いも積極的にしてくれます。しかしエブリンの思いは空回りします。一方ジギーは学校で気になるライラ(アリーシャ ポー)がいますが彼女が政治的な話をするので一夜漬けで話を合わせようとしますがうまくいきません。

 気に入ったカイルを進学させたい一心で本人の気持ちを確かめもせずひとり舞い上がっていくエブリンを、ジュリアン ムーアが見ている方も心が痛くなるほどの名演技を見せます。
 また、ライラの詩の中に日本が過去に犯した侵略の話があり、こちらも心が痛みました。バブルの頃パラオに行った時日本料理が現地でも食べられていたり日本語が通じることを単純に喜んでいたけれど浅はかでした。反省しています。

 タバコは、周囲でチラホラと煙などが登場する程度でした。


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「ビヨンド ユートピア 脱北」

2024-02-18 | 2024映画評


「ビヨンド ユートピア 脱北」 マドレーヌ ギャビン監督 米 ◯

 1000人以上の北朝鮮の人々が脱北する手はずを整えているキム ソンウン牧師の姿を追ったドキュメンタリー映画です。幼児2名に両親と祖母の5人はあるときは闇のジャングルを10時間徒歩で山越えし、あるときは車で移動、場所ごとに援助者の手で宿や食事などが用意されます。
 
「脱北」と聞くと38度線を命がけで超えるのかと思っていましたが、キム牧師が実行するのはなんと中国へ密入国しそこからベトナム、ラオス、タイそして韓国へ亡命するという12000キロを移動する脱出劇です。組織には50人以上のブローカーや地下組織が連携しています。
 やっと韓国に無事ついても祖母は「賢い将軍様への忠誠」を思い、「愚かな国民の努力が足りないから繁栄できない」と自己批判します。戦争中の日本人と全く同じように教育されていることが他人事とは思えませんでした。38度線の向こうはユートピア?


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「君たちはどう生きるか」

2024-02-17 | 2024映画評


「君たちはどう生きるか」 宮崎駿監督 ✗

 宮崎駿監督10年ぶりの長編アニメーション映画です。
監督自身が少年時代に読んだ吉野源三郎のロングセラーからタイトルを借りたそうです。
 空襲がひどくなった東京から疎開し「青鷺屋敷」と呼ばれる古い家に引っ越した眞人を主人公に現実と空想が織りなす世界を描きました。

 はっきり言って前作の「風立ちぬ」同様「タイトル泥棒」です。「どう生きるか」という哲学的な要素はあまりなく期待外れでした。
 ただ、流石に映像は美しくストーリーなど考えず画面だけを楽しむ作品でした。声優がミスマッチで違和感を感じました。

 タバコは、あの時代なので大事に吸っていたり、イタドリの葉を代わりに吸っていたりしました。

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「レディ加賀」

2024-02-16 | 2024映画評


「レディ加賀」 雑賀俊朗監督 ◯

 石川県の加賀温泉を舞台に女将修行の女性たちが奮闘する姿を描きました。
 老舗旅館の娘由香(小芝風花)はタップダンスに魅せられ上京、ダンサーを目指していましたが今ひとつ成果がなく落ち込んでいたときに、実家の母親が倒れたと連絡が入り帰省します。とりあえず女将修行でもするかと気楽に始めます。
 温泉を盛り上げるイベントの話しが出て、なんと女将のタップダンスチームが結成されますが・・・。

 タイトルが印象的です。元日の地震のニュースが毎日報道され石川県の応援を兼ねて見ました。ご当地映画らしく観光地もさりげなく紹介されています。個人的には宣伝映画なのですからもっと積極的に地名などテロップを入れ加賀の魅力を発信してもいいのではないかと思います。
 タップダンスは視覚的には地味なのでいっそのこと「モップダンサー」にしたほうが良かったのではないでしょうか。
 たまたまでしょうが女将ゼミナールの指導者のセリフに「加賀温泉は(かつての)能登地震、東日本大震災、そしてコロナにもまけず〜〜」とありましたが、今回の地震からも立ち直ることを心より応援しています。

 タバコは、なし。無煙です。ところで、最近は全館禁煙の宿が増え火災の心配もなく館内がタバコ臭くなく快適になってきました。これこそ「おもてなし」の基本ですね。


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「身代わり忠臣蔵」

2024-02-13 | 2024映画評


「身代わり忠臣蔵」 河合勇人(かわいはやと)監督 ◯ 東映

 あの忠臣蔵を題材に土橋章宏が書いた小説をムロツヨシの主演で映画化しました。
 松の廊下で嫌味な吉良上野介(ムロツヨシ)に刃傷事件を起こしてしまった赤穂藩主は即刻切腹、喧嘩両成敗のはずなのに吉良にはお咎めなし。しかし、実は額の傷だけでなく背中にも傷がありそれが致命傷になってしまいました。相手に背を見せたとバレればお家断絶、家臣すべてが路頭に迷います。慌てた吉良の家臣斎藤(林遣都)はたまたま屋敷に潜り込んでいた吉良の末弟孝証(たかあき ムロツヨシ)を吉良の身代わりとするのでした。そして赤穂の大石内蔵助(永山瑛太)以下47士の討入を迎えますが・・・。

 時代劇はSF同様どんな解釈も可能で「こうだったらいいのになあ。」という制作者の願いが反映されます。孝証と大石が過去に出会っていて意気投合していた、という解釈はそれほど奇想天外でもなく、納得できます。武士の矜持たるものへの疑問も描かれ、その上現在の日本社会への一言物申す、という姿勢もあり単なるおバカ話しでは終わっていません。次作ではあの柳沢吉保を主役にコメディ時代劇を期待します。

 タバコは、なし。無煙です。


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「夜明けのすべて」

2024-02-12 | 2024映画評


「夜明けのすべて」 三宅唱監督 ◯ ☆☆

 人気作家瀬尾まいこの同名小説を実写映画化しました。
 PMS(月経前症候群)の藤沢さん(上白石萌音)は就職した会社で周囲から見ればとんでもないことをしでかし2ヶ月で退社、やっとのことで栗田金属に再就職しました。そこには山添くん(松村北斗)というやる気のない後輩がいました。藤沢さんはPMSの症状で山添くんが炭酸飲料を飲むときのプシュッという音に腹を立ててしまいます。一方山添くんは持病のパニック障害の症状が出たときに藤沢さんに助けられます。ふたりはお互いの病気を知り、友人でもなく恋人でもなく同士として不足を補いあうようになるのでした。

 原作が大変良くできた小説で、パニック障害やPMSについて具体的に理解できる作品です。ある意味難病ものとも言えますが、栗田金属の社長(光石研)はじめ仲間が暖かく、悲壮感はあまりありません。それに山添くんが発病後久しぶりに声を出して笑ったように、二人のちょっと噛み合わない会話や行動におかしみを感じるからです。映画では原作の魅力を映像での表現をうまく取り入れています。特に山添くんがアイロン掛けをしている場面や藤沢さんの乱れた髪が印象的です。
 病気があっても子育てをしていても働きやすい栗田金属のような職場がふえてほしいです。
 原作ファンとしては「ボヘミアンラプソディ」のエピソードは見たかったですが、クライマックスをプラネタリウムにしたことは、映像的にもまた宇宙のロマンが加わり良かったかな。

 タバコは、なし。無煙です。山添くんのかつての上司役で渋川清彦が登場する度に「タバコを吸うのではないか」とハラハラしましたが。


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「一月の声に歓びを刻め」

2024-02-10 | 2024映画評


「一月の声に歓びを刻め」 三島有紀子監督 ✗✗✗

 監督自身の体験をモチーフに過去と向き合う人々の悲しみを三か所を舞台にそれぞれ描きました。
 洞爺湖近くでは高齢のマキ(カルーセル麻紀)がお正月に娘一家の里帰りを迎えます。手作りのおせちはあるものの幼くして亡くなった娘の陰が家中に残っていました。一家はそそくさと帰っていきます。八丈島では都会から妊娠した娘が帰省し父親(哀川翔)は戸惑います。父親は交通事故にあった妻の延命治療を拒否したことを今も悔やんでいました。大阪では幼い頃に受けた性暴力が原因で自己肯定感を無くした女性(前田敦子)が元恋人の葬儀に出席し、帰りがけに一人の男と一夜を共にするのでした。

 共通項は海が近くにあること、過去の痛みを持ち続けていることで大変暗い風景が映し出されます。周囲のエンジン音、風の音、都会の雑音などを丁寧に拾っている割には俳優のセリフが聞き取りにくい、テロップが入っても白い風景に白字なので半分読みにくい、ドキュメンタリーでもないのにカメラがブレブレで映画酔する、内容はともかく映画としてもう少し見やすくしてほしいものです。

 タバコは、「手の込んだタバコ宣伝映画」かと思うくらいタバコネタあれこれでした。冒頭でカルーセル麻紀(1942年生)が画面いっぱいにタバコを吸い、哀川翔(1961年生)も父親のタバコを取り上げた子どものタバコを喜んで吸う、さすがに前田は喫煙はしませんでしたがラストでタバコ状のスナックを食べるシーンがありました。
 高齢俳優に喫煙させるのはセクハラ同様大変問題です。本当に映画を愛しているのならスモークハラスメントというハラスメントも考慮して映画を撮ってほしいものです。


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「映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」

2024-02-06 | 2024映画評


15,「映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ」 作田ハズム監督 ◯

 人気キャラクター「すみっコぐらし」の映画化3作目です。
 すみっコたちは森の中で不思議な建物を見つけ中に入ります。そこはおもちゃ工場でした。すみっコたちは、シロクマはミシン、ペンギンは検品などそれぞれが得意なことを分担し、ぬいぐるみを完成させます。工場長のクマは大喜びし、食べ物や寝床を提供してくれます。次の日にはぬいぐるみをもっとたくさん作るよう指示され気を良くしたすみっコたちはみんな頑張って作ります。しかし、だんだん要求が過酷になってくるのでした。

 シンプルなタッチの絵でキャラクターが描かれ、声優も一人(本上まなみ)で物語は展開し、あまりコストをかけず仕上げています。それでいて「大量生産」の問題やいらない物は捨ててしまう「断捨離」ブームへのアンチテーゼをほのめかしている何気ない社会派のアニメです。
 大切なものは破れたらツギハギをして大切にしたいものです。
映画愛も垣間見られるラストが良かったです。

タバコは、なし。無煙です。


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