無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「一秒先の彼」

2023-08-31 | 2023映画評


「一秒先の彼」 山下敦弘監督 ◯

 2020年公開の台湾映画「一秒先の彼女」を脚本宮藤官九郎でリメイクしました。
 何事も人より早く落ち着きのない子と言われていたハジメ(岡田将生)は路上ライブをしている桜子(福室莉音)と出会いすっかりのぼせ上がります。郵便局員の仲間もうんざりするほどです。やっとデートにこぎつけたもののなんとその日曜日が消えてしまっていたのです。一方毎日郵便局にやってくるワンテンポ遅いレイカ(清原果耶)がその原因を掴んでいたのでした。

 京都言葉を巧みに使う岡田が新鮮です。京都人あるあるも笑えます。ふたりともたまたま親との縁が薄いながらもきちんとした(?)大人になっていることがそれだけでこの作品の意味があるように思えます。
 郵便局の同僚役、ハジメの妹とその彼役など脇のメンバーが笑いをとっていました。
 オリジナルの台湾映画もぜひみたいです。

 タバコは、なし。無煙です(!)。 


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「リボルバー・リリー」

2023-08-30 | 2023映画評


「リボルバー・リリー」 行定勲監督 ✗✗✗東映

 ハードボイルド作家長浦京の代表作を映画化しました。
 1924年関東大震災から復興半ばの東京を舞台に、ある秘密を持つ少年慎太(羽村仁成)を守るために小曾根百合(綾瀬はるか)は陸軍、ヤクザなどから追われる羽目になります。百合は11歳の時から間諜としての訓練を受け16歳からの3年間で57人もの要人を暗殺したスパイでした。たまたま震災の混乱時に助けた海軍上がりの弁護士岩見(長谷川博己)の協力を得ながら家族を殺された慎太を守り通すことはできるのでしょうか。

 綾瀬のアクションが見どころの一つですが、ラストは「ダイ・ハード」でしたね。あまりに不死身すぎるし、洋装店の店主(野村萬斎)が意味ありげだったのでドレスに防弾加工がしてあるのではないかと深読みし確認のため原作を読んでしまいました。
 陸軍と海軍の関係、東京の下町の風景などアクション以外にも見どころはありました。
深い霧の中での銃撃戦は独創的な演出だ、と思いましたが実は原作にはちゃんとその謎も描かれていました。原作は読み応えありました。

 タバコは、長谷川博己がほとんどの場面で喫煙しているのが気になりました。原作ではタバコはトラウマになっていて吸わない設定で逆に百合が喫煙者でした。ふたりとも吸わせなくていいのに。喫煙するスパイって納得できないのですが・・・。


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「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

2023-08-29 | 2023映画評


「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
ジェームズ マンゴールド監督 米☓

 ハリソン フォード演ずる考古学者ジョーンズ博士が繰り広げる人気冒険活劇15年ぶりの新作で第5作目。
 伝説の秘宝「運命のダイヤル」を巡って元ナチの科学者フォラー(マッツ ミケルセン)との争奪戦を世界中で繰り広げます。
 アクションシーンには主に今作の相手役ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)が大活躍しました。
 全世界の歴史を変える力があるとされる「ダイヤル」なのでなんとアルキメデスの時代まで再現してしまう豪華な作品となりました。
 期待どおりの作品でしたがいまひとつ盛り上がりに欠けたのは誰でも知ってる(スーパーの販促曲にも流れていた)名曲ジョン ウイリアムズのテーマ曲のタイミングがズレていたことです。「ここだ!」という場面で流れずがっかり。スカッと猛暑を吹き飛ばしたかったのに残念でした。
 もうひとこと、アントニオ・バンデラスがあっけなく死んじゃったけど次回作にはもう出られないのかな。ちょっと残念。

 タバコは、悪役が喫煙していました。1965年生まれの俳優には命がけですね。悪役には欠かせない俳優なので命を大切にね、マッツくん。導火線への着火目的のタバコ使用もありました。


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「リバー、流れないでよ」

2023-08-27 | 2023映画評


「リバー、流れないでよ」 山口淳太監督 ◯ ☆☆

 人気劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠の原案、脚本で映像担当の山口が監督を務めました。第2作目です。
 京都貴船神社の近くにある老舗旅館では今日も書けない作家と編集者、学生時代の友人同士などの相手を仲居のミコト(藤谷理子)たちがしています。ところが、ある時から2分間のタイムループに取り込まれてしまいます。ミコトは川を見つめていた瞬間に、他の人々もそれぞれがしていた時間に戻ってしまいます。記憶は残っているので2分間でなんとか解決の方法を探るのですが・・・。実はその原因となるある事件が起きていたのでした。

 「貴船」という地名と「縁結びの神社」ということをヒントにこれだけの面白い映画にする才能にびっくりです。(☆)また、名前も顔もほとんど初めての俳優たちが楽しいコントを繰り広げてくれさわやかに笑えます。(☆)他の映画の宣伝文句に「全員実力派」というのを聞きましたが、こちらも地味だけど実力は負けてない・・・って感じです。日本映画も結構実力あるじゃん。
 1作目の「ドロステのはてで僕ら」も見てみたいです。

 タバコは、なし。無煙です。これも爽やかでよい。


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「高野豆腐店の春」

2023-08-26 | 2023映画評


「高野豆腐店の春」 三原光尋(みはら みつひろ)監督 ◯ ☆

 広島県尾道を舞台に昔ながらの職人気質の豆腐店の父娘を主人公に地域の人々や新しい出会いを穏やかに描きました。タイトルに二つひねりがあります。
 商店街のはずれにある豆腐店では今朝も早くから父辰雄(藤竜也)と娘の春(麻生久美子)が豆腐作りに励んでいます。二人が作る豆腐はスーパーでも人気商品で、東京のアンテナショップへの声も上がるほどです。商店街の仲間たち(徳井優、山田雅人ら)が気にしているのは春の再婚で、あれこれ相手を探します。一方辰雄は心臓に持病があり通院中ふみえ(中村久美)と出会います。

 春の再婚相手を巡るドタバタが素直に笑えます。大豆の銘柄がいくつか紹介され農家にも嬉しい作品です。(☆)それだけでなく春が離婚した原因やふみえの病気の影には被爆という重い現実が潜んでいてさりげなく社会性のあるドラマです。遺産目当てのトンデモ男に対してかつての藤竜也の面影がちょっと見られるのもおまけのご愛嬌でしょうか。

 タバコは、なし。無煙です。最近いい親父役が板についた藤さんですがたまにはビシッと決めた悪役も見たいものです。もちろんタバコなしでね。


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「EO(イーオー)」

2023-08-03 | 2023映画評


「EO(イーオー)」 イエジー スコリモフスキ監督  ポーランド、イタリア合作 ☓☓ ☆

 サーカス団のロバEOは相棒の女性とともに幸せに暮らしていましたが、「動物を使うサーカスは虐待」と愛護団体に保護されてしまいます。納得できないEOはひとりでイタリアへの孤独な放浪の旅にでます。善人、悪人さまざまな人々に出会い憂いのある大きな瞳で黙って(ときには吠えますが)不条理な人間模様をみているのでした。

 映像と音楽が映画らしい作品です。自然の美しさだけでなく、人工的なダムやロボットすら感動的です。人間観察も面白く予想を裏切る展開に驚かされます。
残念ながら日本の映画界には見られないジャンルの作品です。(☆)

 タバコは、「動物を虐待していません。」と言いながらもEOは何度もタバコの煙を吸わされていて環境問題や動物などに関心が高いと思われる監督ですらタバコ問題に関しては素人なのが残念です。EO役のロバのみなさんがん検診を受けたほうがいいかも・・・。ちなみに相棒だった女性はタバコの煙は嫌いという動きがありました。ついでに俳優も広い意味で動物なので喫煙させて虐待しないでね。


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「ミッション:インポッシブル デッドレコニング パート1」

2023-08-02 | 2023映画評


「ミッション:インポッシブル デッドレコニング パート1」
 クリストファー マッキリー監督 米 ◯NTS

 ご存知IMFの諜報員イーサン・ホーク(トム クルーズ)が活躍するスパイ映画第7作目です。今回のミッションは世界を揺るがすある2つの「カギ」を巡る攻防を描いています。理屈でなくアクションを楽しむ作品です。
ただ、「カギ」が持つ力は現在のデジタル社会を根底からないがしろにするパワーとともに世界を自分の思いどおりにする知的な力も持っているのです。はたしてイーサンは敵に負けずカギを手に入れることができるのでしょうか。

 吹き替えで見たので画面に集中でき物語も理解しやすくアクションを堪能しました。猛暑を吹き飛ばすにはエアコンの効いた劇場でスカッとする映画を楽しむことが安上がりの避暑になりますね。
 デジタルに頼り切った社会への警告にもなっています。アナログ資料も残さないとすべてがきえてしまうかも・・・。デジタル大臣にぜひ観てほしい作品です。

 タバコは、なし。無煙です。


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