無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

泥棒成金

2014-01-31 | 2015以前の映画評


「泥棒成金」(1955年) アルフレッド ヒッチコック監督 米 ×× ☆

 桜坂「ヒッチコックとブロンド・ビューティー」のラストです。
 ヒッチコック初期の秀作のひとつですが、主演のグレース ケリーがこの映画が縁でモナコ女王になったことでも有名です。
 南仏の避暑地リビエラを舞台に、かつて「キャット」と呼ばれた宝石泥棒ロビー(ケイリー グラント)と石油成金で億万長者のアメリカ娘フランセス(グレース)が繰り広げるコメディサスペンスです。「キャット」のやり方とそっくりの方法で宝石が盗まれ、足を洗ったロビーが疑われます。警官に追われたロビーをフランセスが助けたことがきっかけで二人は出会いますが・・・。
 フランセスが運転する車を追うパトカーとのカーチェイスは南仏の美しい景色をバックに、そして映像だけならどうと言うことがない場面をテンポのいい音楽が緊張感を高め「映画とは複合芸術だ」と改めて感動させます。終盤の15世紀風にコスプレをした華麗なパーティも見所です。
 タバコは、主役のふたりは吸いませんが、フランセスの母親がたびたび喫煙していました。(×)そのほか周囲でも何回か喫煙しました。(×)


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マーニー

2014-01-29 | 2015以前の映画評


「マーニー」(1964年制作) アルフレッド ヒッチコック監督 米 ×

 桜坂「ヒッチコックとブロンド・ビューティー」の1本です。
 「めまい」が面白かっただけでなく、「ハリウッドクラッシックインデジタル」シリーズで画面が大変きれいだったので、地味な作品ですが観ることにしました。
 子どものときのトラウマが基で盗みを重ねるようになった主人公マーニー(ティッピ ヘドレン)と出会ったマーク(ショーン コネリー)は、動物行動学やフロイトの精神分析を通してマーニーを救い出そうと試みるのでした。
 現代でも社会的な問題ともなっている母親と娘の関係をからめ、「何が原因なのか」をなかなか明らかにせず観客を最後まで引きつける手法はさすがです。音楽も良かったです。サスペンスには雷鳴と稲光がつきものになったのはこのあたりからでしょうか。ホラーとは違う不気味な怖さがそこかしこにありました。
 タバコは、主役級は喫煙しませんが、周囲で数回葉巻などを吸っていました。(×)
 また、ヒッチコック本人がホテルのワンシーンでチラッと顔を出していました。 


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小さいおうち

2014-01-28 | 2015以前の映画評


「小さいおうち」 山田洋次監督 ××

 1937年(昭和12年)頃に山形から東京へ女中奉公に出ていたタキ(黒木華)が暮らした「小さいおうち」で起きた奥様(松たか子)と夫の部下(吉岡秀隆)との秘めた恋物語です。
 大叔母のタキ(倍賞千恵子)が亡くなり、大学生の健史(妻夫木聡)にタキのノートが遺品として渡されます。そのノートはタキが少しずつ書き溜めたものでした。そこに書いてあったのは戦争末期の東京で生きていたタキと奥様と小児まひのぼっちゃんとの生活でした。そして、密やかな恋とその悲しい結末なのでした。
 山田洋次らしい家族の問題に反戦の思いを絡ませた上に、秘めた恋愛を取り上げました。うまくまとまっていますが、出演者が「東京家族」(数日前にテレビで放映)とほとんど変わらず新鮮さに欠けました。新しい才能を発掘し育てる責任がベテラン監督にはあるのではないでしょうか。
 タバコは、タキが最初に奉公する家の小説家役の橋爪功が数回喫煙しました。(×)また、夫の会社の同僚も1回喫煙しました。(×)「東京家族」は無煙だったのにまたタバコ宣伝監督に戻ってしまい大変残念です。もしかして「時代がそうだった」とかと、言い訳を言うのでしょうか。

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アイ・ウェイウェイは謝らない

2014-01-27 | 2015以前の映画評


「アイ・ウェイウェイは謝らない」 アリソン クレイマン監督 米 ×× ☆

 北京五輪スタジアムの設計に関わったアーティストの一人で世界的にも有名な中国の反体制派の芸術家を追ったドキュメンタリーです。
 最初にアメリカ留学をした世代で12年間ニューヨークで芸術活動をし、父親の病気のため帰国。その後は中国で芸術活動をしていましたが、四川大地震の際当局が子どもの犠牲者について公式発表をしなかったことに抗議し、ネットを使って国際的に活動し当局から監視されるようになります。そして2011年4月に脱税の罪で拘束されるのでした。
 権力と闘う人々には勇気を与える名言が満載です。逆に言えば当局に取っては目障りなことこの上もない存在でしょう。しかし、だからといって力でそれを押さえ込めばその力が強ければ強いほど反動も大きくなるのではないでしょうか。
 タバコは、体制派の(?)画家など2名がインタビュー中に喫煙していました。芸術家が喫煙をすると言うことはそれだけでも十分権力にすり寄っていると言うことですね。主役のアイ ウェイウェイはさすがにニューヨークで学んだだけのことはあり喫煙しませんでした。
印象に残った場面は、権力側は常に監視し、ビデオなどで撮影しています。しかし、そんなことを気にもせず平然と権力側を撮影し続けます、それも複数のカメラで。日本でも集会やデモは常にビデオ等で撮影されていますが、そのときの対応に示唆を与えているのではないでしょうか。


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めまい

2014-01-26 | 2015以前の映画評


「めまい」(1958年制作) アルフレッド ヒッチコック監督 米 ×

 桜坂劇場スクリーンビューティーズ第3弾「ヒッチコックとブロンド・ビューティー」で選ばれた作品の一つです。友人の会社社長から元刑事であるスコッティ(ジェームス スチュアート)は妻マドレイヌ(キム ノヴァク)の身辺調査を頼まれます。ところがそこには罠が仕組まれていたのでした・・・。
 ヒッチコックサスペンスの名作の一つです。サンフランシスコの歴史を背景に「成り上がり者」が社会的に成功するために仕組まれた罠に「高所恐怖症」の持病を持つ元刑事がはめられてしまいます。今でこそ当たり前になった「音で恐怖を演出」やラストのどんでん返しなど50年経っても全く色あせていません。さすがヒッチコックです。主演のキムの演技もすばらしいです。最近はこういうビューティな女優さんがいないですね。
 タバコは主役級は喫煙しませんが周囲で喫煙します。(×)なお、「タバコどう?」と勧められ断る場面がありました。その辺りも現代に通じます。名作はいつ観てもいいですね。

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マリリン・モンロー 瞳の中の秘密

2014-01-24 | 2015以前の映画評


「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密」 リズ ガルバス監督 米仏 ×××

 マリリン・モンロー没後50年に初公開された私的な文書を基に秘蔵映像を交え彼女の生い立ちから36歳(1962年)で亡くなった最後の日までをたどるドキュメンタリーです。
 「脳みそは空っぽでただのセクシーな女優」という男社会が作り上げたイメージを覆し、一生懸命本を読んで学び、当時としては珍しく筋トレをして体を鍛え、苦しみながらも懸命に女優として生きようとしていた姿を描いています。10人の現役女優がそれぞれのマリリンを演ずるという試みも面白く、彼女が女性社会に与えた影響の大きさを改めて認識させます。生きていれば彼女が演じたかった役が演じられる時代になっていたでしょうに、それをみることができず残念です。
 タバコは、本人は時々でしたが周囲は常にモクモクでした。(×××)現代の場面ではタバコはありませんでした。なお、2回流産していたそうですが、喫煙と受動喫煙が原因だったのでしょうか?


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蠢動 ―しゅんどうー

2014-01-22 | 2015以前の映画評


「蠢動 ―しゅんどうー」 三上康雄監督 ○

 享保の大飢饉から3年後、1735年の因幡藩が舞台の本格派時代劇です。
 因幡藩には幕府に秘密の余剰金がありましたが、その内情を探るため、剣術指南役の肩書きで松宮(目黒祐樹)が派遣されていました。松宮に内情を報告されることを恐れた家老の荒木(若林豪)は剣術師範の原田(平岳大)に松宮暗殺を命じます。一方、原田の弟子香川(脇崎智史)は荒木に利用され暗殺の犯人とされるのでした。果たして武士道とは何なのでしょうか。
 蠢動とは「虫けらのように取るに足りないものが策動すること」です。
 抑えた色調の画面で音楽は太鼓の音のみ、その上チャンバラの場面でも血糊はほとんど使わないシンプルな演出です。内容が人間のどろどろとしたいやなものが中心なのでそれで十分かもしれません。
 タバコはなし。無煙です。

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黒執事

2014-01-21 | 2015以前の映画評


「黒執事」 大谷健太郎、さとうけいいち監督 ××

 42の国と地域に翻訳され累計1600万部突破している超人気コミックの実写映画化です。
 幻蜂家当主清玄(実の名汐瑠)(剛力彩芽)に使える執事セバスチャン(水嶋ヒロ)は性格の悪いことを除けば完璧な執事です。幻蜂家は女王の番犬という役割があり、「大使館員連続ミイラ化殺人事件」の解決を女王から命令されます。一方少女たちが次々誘拐される事件も起きます。ふたつの事件を結ぶ「黒い招待状」を手に入れ潜り込みますが・・・。
 水嶋が悪魔の雰囲気をうまく醸し出していて彼のための作品とも言えます。ドジメイドのリン(山本美月)の変身場面はもっとドラマティックに変わってほしかったです。「欲にまみれた人間たち」にはたまにはお仕置きが必要ですね。
 タバコは葉巻が使われていました。葉巻の中にミイラ化する薬を仕込み吸う人を殺します。ただ葉巻はもともと毒物ですね。(××)逆PPともいえるかも。ラストに「動物に危害を加えていません。」といういつものクレジットが出たけれど、「ただし、人間にはタバコの害を加えています。」と付け加えてほしかったです。

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アルカナ

2014-01-21 | 2015以前の映画評


「アルカナ」PG12 山口義高監督 ×××

 遺体から心臓が持ち去られている奇妙な連続大量殺人事件を追う刑事村上(中河内雅貴)は容疑者となった記憶をなくした一人の少女(土屋太鳳 ツチヤタオ)と出会います。少女は「事件の被害者の苦しむ声に呼ばれて事件現場にいた」と言います。他の刑事は全く信じませんが、村上にも同じ症状があり理解できるのでした。
 成仏できない分身が心臓欲しさに暴れだすというまさに「アルカナ=理解できない不思議なこと」の物語です。殺人の方法があの三池監督の助監督をしていたというだけあって、血糊たっぷりの「血しぶきホラー」です。闘う分身役の女優(Kaito)のアクションシーンが容赦なくて良かったです。生きていることを大切にしようね、と言うメッセージは伝わりましたが、血糊を遣い過ぎだと思いました。片付けるのが大変だっただろうね。
 タバコは、刑事がたびたび喫煙(×)。それも容疑者(未成年)からの事情聴取中も平気で喫煙(×)。実際はそんなことアルカナ?ありえませんね。悪役もちらっと喫煙していました。(×)

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恋するリベラーチェ

2014-01-18 | 2015以前の映画評


「恋するリベラーチェ」R15 スティーヴン ソダーバーグ監督 米 ×××

 1950年代から70年代にかけラスベガスでのショーを中心に活躍した実在のエンターティナーの77年から約10年を描いています。「最もギャラの高い音楽家」としてギネスにも登録されているリベラーチェ(マイケル ダグラス)ですが、1977年に若いスコット(マット デイモン)と出会い二人は恋に落ち一緒に暮らすようになります。当時、同性愛は理解されず隠し続けねばなりませんでした。一方、リベラーチェとの関係に不安があったのかスコットは薬物にのめり込んで行きます。二人の関係はどうなるのでしょうか。
 ショーのスタイルを確立させたともいわれているリベラーチェの豪華な衣装や派手な演出は現代にも受け継がれているようですが、その後のエルヴィスやエルトン ジョンなどが有名な割には日本では無名な人でしたね。女優はスコットの里親だけで後はすべて男性だけの作品でした。
 タバコはふたりともたびたび喫煙していました。(×××)薬物依存になってしまったことを考えるとやはりタバコはゲートドラッグですね。

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