「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」
エルネスト ダラナス セラーノ監督 米キューバスペイン合作 ☓☓
1991年ソ連の宇宙船ミールに残されていた宇宙飛行士セルゲイ(ヘクター ノア)はソ連の崩壊で帰還の道が閉ざされます。そんな彼に救いの手を差し伸べたのがアメリカのNASAで、このときから米ソの宇宙競争は終わりました。実話に基づくフィクションです。
社会主義体制の崩壊の波が押し寄せキューバでは経済危機が訪れます。大学職員のセルジオ(トマス カオ)は趣味の無線でアメリカ人の無線仲間ピーター(ロン パールマン)に愚痴をこぼしていました。そんな折、宇宙船ステーションからの無線をたまたま傍受したセルジオはソ連留学の経験があったのでロシア語でセルゲイと会話ができました。そして孤独なセルゲイをなんとか地球に帰還させるためアメリカ人のピーターにも相談するのでした。果たしてセルゲイは無事帰ることができるのでしょうか。
セルジオとセルゲイはラテン語のセルギウスという貴族の名が語源で同じ名前ということが二人をより親密にするきっかけになりました。ときのキューバ政府の通信傍受など多くの制限と困難を明るく逆境に立ち向かうセルジオとその周囲の人々がラテン的です。一方、元共産圏のロシア人も結構いい加減で、良い結果に貢献します。また、ピーターにはソ連に侵攻されたポーランド出身という複雑な過去を持ちながらもそれを乗り越える人間性の豊かさが描かれました。
セルジオの幼い娘が語っているという流れがほのぼの感を出しました。
戦争を始める人がいる一方で、ひとりのために一肌脱ごうとする多くの人がいるから人類はなんとか生き延びているのかもしれません。
タバコは、キューバが舞台ですからセルジオがいつも喫煙していました。また、老母の内職も葉巻にシールを貼る仕事でした。