
「先祖になる」 池谷薫監督 ××
陸前高田市在住で津波の被害にあったが同じ場所に家を建てようとする77歳の佐藤直志さんを描いたドキュメンタリーです。津波で消防団員だった長男を亡くし、妻と別居になっても壊れかけた家に住み、田植えをしソバを蒔き壊れかけた家に住み続ける佐藤さん。地域で培われてきた人間関係をなんとか維持していこうと尽力します。引退していた木こりの仕事を再びはじめ、七夕で使う木材の切り出しや藤づるの採集に先頭に立って作法通りに執り行います。芯は曲げない頑固なところもありますが、語り口は穏やかで賢くユーモアもあります。市井の人の底力を感じさせます。一番好きな映画が「ローマの休日」という佐藤さん。これからも元気でと願っています。
木を切るときの作法など貴重な映像が残され民俗学的にも価値のある作品となりました。
タバコは主人公の佐藤さんは喫煙しませんが、周囲で彼を支える人々が喫煙率が高く大変気になりました(××)。特にお墓参りの場で喫煙するとか、祭りの山車のそばで喫煙するとか、神様やご先祖様に対して失礼なのではないかと思います。
陸前高田の戸羽市長が言うように「災害で生き残った命をタバコで亡くさないでほしい。」ですね。