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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

先祖になる

2013-04-21 | 2015以前の映画評


「先祖になる」 池谷薫監督 ××

 陸前高田市在住で津波の被害にあったが同じ場所に家を建てようとする77歳の佐藤直志さんを描いたドキュメンタリーです。津波で消防団員だった長男を亡くし、妻と別居になっても壊れかけた家に住み、田植えをしソバを蒔き壊れかけた家に住み続ける佐藤さん。地域で培われてきた人間関係をなんとか維持していこうと尽力します。引退していた木こりの仕事を再びはじめ、七夕で使う木材の切り出しや藤づるの採集に先頭に立って作法通りに執り行います。芯は曲げない頑固なところもありますが、語り口は穏やかで賢くユーモアもあります。市井の人の底力を感じさせます。一番好きな映画が「ローマの休日」という佐藤さん。これからも元気でと願っています。
 木を切るときの作法など貴重な映像が残され民俗学的にも価値のある作品となりました。
 タバコは主人公の佐藤さんは喫煙しませんが、周囲で彼を支える人々が喫煙率が高く大変気になりました(××)。特にお墓参りの場で喫煙するとか、祭りの山車のそばで喫煙するとか、神様やご先祖様に対して失礼なのではないかと思います。
 陸前高田の戸羽市長が言うように「災害で生き残った命をタバコで亡くさないでほしい。」ですね。 

食卓の肖像

2013-04-21 | 2015以前の映画評


「食卓の肖像」 金子サトシ監督 ○

 1968年、福岡県周辺で起きたカネミライスオイルによるカネミ油症被害者を描いたドキュメンタリー映画です。「美容と健康にいい。」ということで利用した人も多く、14000人以上に被害が広がってしまいました。原因はPCBとダイオキシンでした。
 被害者は体中に吹き出物ができたり、目やに、脱毛、下痢などに苦しめられただけでなく、結婚や出産にも影響を受けました。被害者のその後の人生は・・・。
 被害者の証言は胸に迫るものがありますが、最後まで「なぜ原因物質が混入したのか。」という初歩的な疑問に説明がなされずすっきりしませんでした。それが残念です。
 被害者の方は化学物質全般に反応するため、当然のことですがタバコはでてきませんでした。
 タバコはなし。無煙です。

桜並木の満開の下に

2013-04-21 | 2015以前の映画評


「桜並木の満開の下に」  舩橋淳監督 □

 町工場で働く栞(臼田あさ美)は職場の同僚と結婚したばかりでしたが、夫が作業中の事故で急死してしまいます。その事故には同僚で夫の友人でもある工(たくみ=三浦貴大)が原因となっていました。栞は工を許すことができず、心が閉ざされた日々を過ごしていました。工は責任を強く感じつつ、冷たい視線を受けながらも一生懸命働き、一度はつぶれかけた工場を立て直すこともできました。そんな姿を観ているうちに栞の心は工に魅かれていくのでした。
 震災後の茨城県日立市が舞台です。「放射能汚染の影響で仕事が減っている。」というセリフもありました。原発事故もそうですが、予期せぬ事故で人生がすっかり変わってしまった市井の人々を描き、それでも生きていかなければという思いが伝わってきます。主演の臼田あさ美がいつも口が開いていて締まりがないのが気になりました。
 タバコは主役級は喫煙しませんが、工員が休憩中に吸っていました(□)。